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【ざっくり分かるファイナンス】 -ほぼ1,000字感想文

○タイトル:ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務
○著者  :石野 雄一
○発行  :光文社 (2007/4/17)


■ざっくり概要

専門家ではない人に向けてファイナンスの基本骨子を教授している一冊。 
著者曰く、ファイナンスとは「企業価値の最大化」をはかるための意思決定に役立つツールであるという。そして、それによる意思決定は、①投資②資金調達③配当である。

この基本構造を一気通貫することで、素人にも理解がしやすい。 本著を通して、いかに多くの企業がファイナンスを理解しないまま経営がされているかという点の著者の危機感がにじみ出ていると感じた。


■学びポイント

○財務(ファイナンス)と会計の違い

もっとも大きな差異は会計が利益を対象とするのに対して、ファイナンスでは手元にあるキャッシュを扱う点である。

会計では、売買行為が行われた時点で会計上「認識」されるため、実際に企業の手元にいくら存在しているかは計ることができない。

一方、ファイナンスは、入金(キャッシュイン)と支払(キャッシュアウト)というお金の流れを司る。このような企業活動によって生じるお金の流れのことを、キャッシュフローという。

     会計        ファイナンス
対象 : 利益    ←ー→ キャッシュ
時間軸: 過去の業績 ←ー→ 将来生み出すキャッシュフロー
用語 : 漢字が多い ←ー→ カタカナ語が多い

○投資家=株主&債権者

企業が資金を得るためには、銀行などの債権者から融資を受けるか、株主からの投資を受ける選択がある。

企業はその活動によって生まれたフリーキャッシュフローを両者に分配することになるが、その受け取り方には差分がある。融資の場合は契約で指定された利息が還元されるのに対して、株主が受け取れる配当などのリターンは確約がされておらず、基本的には利益増加に比例する。

この差分により、同じ投資家でも債権者はリスクの少ない安定性を経営に求め、株主は企業の成長性を求める。よって、どのように資金調達をしているかで、企業活動は大きく左右される。

※便宜上、無利子負債は例外としている。詳細は著書をご覧ください。

○ファイナンスの原則は「ハイリスク・ハイリターン」

まずリスクの本質は「将来の不確実性」である。決してネガティブだけのものではない。リスクが高いというのは、結果のバラツキが起きうるということ。そしてそれを許容する代わり、高いリターンを求める姿勢がハイリスク・ハイリターンである。このようにリスク認知の度合いは、要求する収益率(=期待収益率)を左右する。

ちなみに投資家においては、株主の方が高リスクであると言える。


↓出典元

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