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「たくさんの人を魅了するアイデアの作り方」 川口真目さん×前田高志さん
3月12日、「たくさんの人を魅了するアイデアの作り方」をテーマにイラストレーター川口真目さんとデザイナー前田高志さんの対談が行われました。
【たくさんの人を魅了するアイデアの作り方】3/12火12時〜スペース📣
— 川口真目|子育てフリーランス (@kawaguchi_game) March 6, 2024
大活躍するデザイナー前田高志さん@DESIGN_NASU と対談!
⭐️たくさんの人を魅了するデザインのアイデア
⭐️人気イベントを作るアイデア
⭐️話題になる書籍作りのアイデア
リマインド🔻https://t.co/CWbGkiyIrA
(Xスペースにて。アーカイブ音声はこちら)
1時間超えとなる対談は、「本当に無料で聴いていいの…!?」と思うくらいに、終始、素晴らしい知見にあふれたものでした。
このnoteでは、その内容を記事にしてお届けします!
大活躍するクリエイターのアイデア発想法、ぜひ身につけてくださいね!
川口さんと前田さんのご厚意で記事化のご許可をいただき、私ミッチーが執筆・編集を担当させていただきました。貴重な機会をありがとうございます。
黒歴史さえネタにする
川口真目さん(以下、川口)
今日はたくさんの人を魅了するアイデアの作り方について、前田高志さんとお話ししていきたいと思います!
前田高志さん(以下、前田)
よろしくお願いします! 前田 = アイデアと思ってもらえるのがうれしいですね。
川口
前田さんのご活躍って本当に幅広いですけど、最近のアイデアというと何があるでしょうか?
前田
「デザイナー黒歴史フェス」ですかね。
デザイナーのいろんな黒歴史、失敗談を面白おかしく話す会です。そういう話ってググっても出てこないし、本にも載ってないことなので、真の学びになるのでは?という仮説から生まれたイベントです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718533656419-EUcOlEs68W.jpg?width=1200)
川口
私も成功例より失敗談から学ぶことが多いです。
前田
そういえば川口さんの漫画も黒歴史のオンパレードで面白かったです。
川口
そうですね(笑)。今ちょうど、私がイラストレーターになるまでの歴史を連載漫画にして、Kindleの出版に向けてまとめているところです。
(出版されました!漫画はこちらです)
前田
会社を1日で辞めるエピソードとかね。
川口
いや3日です、3日!(笑)。
前田
(笑)
川口
前田さんって面白いな、ネタがたくさんあるなっていつも思っていますけど、失敗や黒歴史を赤裸々にさらしてくれるところが魅力だと思うんですよね。
前田
それ(黒歴史)しかないんで(笑)。
川口
黒歴史さえネタにするってアイデアですよね。
アイデアが出る環境を作る
川口
前田さんのデザイン事務所って、ジャングルジムがあったり、壁がホワイトボードになっていて落書きができたり、遊び心がたくさんある場所なんですよね。
前田
そうですね、良いデザインが生まれるオフィスということで。
![](https://assets.st-note.com/img/1718443375496-0MTAuZ7l8c.jpg?width=1200)
川口
良いデザインが生まれるオフィス!
アイデアが生まれる環境として大事なんだろうなと思いますね。
前田
まさに! 抑(よく)するって最近よく言っているんです。抑える、制限をつける。スポーツのルールみたいなものですね。サッカーでいうと、手を使っちゃいけないとか。それがあるから面白いプレイとか、良いプレーが出るわけで。
川口
それが事務所にも反映されているんですか?
前田
そうそう。例えば、ジャングルジムで作戦会議をするとか。
川口
えーすごい!
前田
普通に「会議」って言ってしまうと、つまらないアイデアが生まれそうなので。
あと、僕の会社では寝る制度もあります。
川口
寝る制度があるんですか!?
前田
はい、リセットタイムって言ってます。寝るだけじゃなくて、30分間何やってもいい時間。どうにも頭が働かないから、ちょっとリセットしようみたいに使ってもらっています。
フラストレーションを原動力にする
前田
こうしたオフィスや制度をつくったきっかけは、僕が昔に感じていたフラストレーションがきっかけですね。例えば、会社員の時、仕事中に本屋にフラっと行きたくても行けなかったんです、申請が面倒だったので。
川口
あー! その時のフラストレーションが、自分で事務所を作ったり、いろいろなアイデアのネタになっているんですね。
前田
そうですね。というか、ものづくりって全部フラストレーションですよ。
川口
ということは、面白いアイデアを生み続ける前田さんはフラストレーションが溜まっているんですか?
前田
溜まりまくってますね〜。
川口
ほんとですか!? 楽しそうに見えますよ(笑)。
前田
今はだいぶ解消していますが、20代の頃とかに感じていたフラストレーションが多いですね。
川口
それってまだまだありますか?
前田
あると思います。例えば、僕がオーナーのマエデ(前田デザイン室)は20代の僕を救うためのオンラインコミュニティです。仕事以外のデザインをしたいとか、熱くデザインを語り合える仲間が欲しいという気持ちから生まれました。
川口
前田さんのように毎日、夢中で楽しそうにお仕事をされてる方の原動力はどこから湧いてきているのかなって思っていたんですが、そうしたフラストレーションが今のやりたいこととかアイデアに繋がっているんですね。
常に頭の片隅で考えてる状態で過ごす
川口
視聴者の方から質問が届いています。
「アイデアが何も出てこない時におすすめの息抜き方法が知りたいです」
前田
僕の場合はシャワーです。シャワーの音と、お湯をかけるので自然と目をつぶれるっていうのがいい。考え事がしやすいんですよ。
川口
シャワーをあびると確かに切り替わりますよね。
前田
めちゃくちゃ切り替わります。
でも、ずっと考えてないとダメですよ。ずっと考えてる状態というのが、アイデアが出る最初の条件です。常に頭の片隅で考えてる状態で過ごす。そこに、(シャワーのような)きっかけがあってアイデアに繋がるって感じです。
川口
私の場合、ホットヨガに行って先生の言われることをやっていきますね。「はい、手を伸ばしてください」みたいな。そこに集中して、情報をデトックスします。
前田
素晴らしいですね!
自分の本質を理解する
前田
自分のことをわかってないといいものは作れないって、僕は会社員時代の1年目に、尊敬しているクリエイティブディレクターの方に教えてもらったことがあります。
子供の頃、親から辞めるように言われてもやっていたことって本性に近い。もっと遡って人生で最初の記憶、これも結構関係してるらしくて。
川口
人生最初の記憶!
前田
写真を見て思い出してもいいらしいですけど。
僕の場合は「積み木」。カドが丸くて、木でできてて、そこに文字と絵が書いてあって。それがグラフィックデザインに繋がったのかもなって思います。
川口
それが本質。なるほど! 私は漫画にも書いてるんですけど、家庭がドロドロだったんです。でも写真の中の私は笑顔で、(周りの人を)笑わそうとしてたみたいです。今でも、暗い人や落ち込んでいる人を見ると、笑わせたいと思う。
前田
まさにそれをやっていますよね!
川口
自分の大切にしてるコミュニティの人たち、家族も含めて、できる限り笑ってほしいというのが強い。そういう原動力がアイデアに変わっているのかなっていう風に思いますね。
人の意見を柔軟に取り入れる
前田
ingectar-eの寺本さんという、デザイン本をたくさん作ってめちゃくちゃ売っていて、カフェも経営されている方がいらっしゃるんですけど。
川口
すごいですよね!
前田
寺本さんは企画力もすごくて、僕はいつもアイデアをもらっています。そういうアイデアをくれる人とご飯に行ったりしますね。
川口
私も前田さんから(アイデアを)もらっています!
前田
いろんな人からもらうってやっぱり大事で。
川口
人と会うのは大事ですね。喋っている時に、自分の中でごちゃごちゃになっていた情報をピックアップできるというか。
前田
人と会って喋ったら、ピンとくるものがあったと。
川口
そうですね! 楽しいこともそうですし、逆に人に言われて嫌だなって感じたら、それは自分がやりたくないことだと分かる。
前田
そういう物差しって大事ですね!
出口(ゴール)を先に作る
前田
デザインをする時、僕はプレゼン資料とかを先に作るんですよ。出口を最初に作ってしまう。
川口
デザインよりも先にプレゼンを考える。
前田
「こういう資料を作りました」っていうメールを先に書くぐらい。そうすれば、自分で作って渡す時の気持ちになれるからアイデアが出やすいっていう。頭の中でこねくり回しても仕方がないというか。
川口
これ、すごいことを教えてくれたなと思います。ゴールを先にやっちゃう。
前田
例えば名刺を作ったとして、実際に誰かに渡す時、「もっとこうしておけばよかった…」みたいにならない?
川口
まさに私、その経験を積み重ねてました。
前田
自分の手から離れる時、アイデアを客観視できる。物理的に自分から離れる瞬間ってめちゃくちゃ客観的に見えるので、次はもっとこうしようと考える。
川口
本当そうですね、書籍とか特に。最後の最後にいっぱい変更したいところが出てくるんですよ。最後に手渡す時、この瞬間が1番エネルギーを込められる瞬間なんだろうなっていうのを感じます。
前田
リアルに書店に並んでるのがイメージできてるから、ああしよう、こうしようとどんどんアイデアが湧いてくる。
川口
そうかも! リアルが迫ってるから。
相手に憑依する
前田
七色いんこ(なないろいんこ)というやり方があります。
例えば、学生さん向けに会社案内を作るとします。そのとき、学生の色(立場)になって「僕は今、就職活動中で会社を探してるんだ」みたいに独り言を言いながらデザインを見ると、客観的になれて直すためのアイデアが出せる。
川口
へー! 七色いんこって有名なやり方なんですか?
前田
これは僕の好きな本『考具』に書いてあるんです。そういうアイデアの出し方をまとめてくれている名著です。
川口
本もやっぱり読まれてるんですね。
私も営業する時、編集さんやエージェントさんの気持ちに立ってみます。考えるを超えて"なりきる"というか、私は憑依すると言っています。
前田
あー! なるほど。憑依が一番強いですね。
川口
そうすると、こんなに忙しい中、ポートフォリオなんか見てもらえないと分かる。じゃあ、どうやったら見てもらえるかと工夫しますね。
その経験から、ポートフォリオ代わりになる名刺ができました。
![](https://assets.st-note.com/img/1718590742227-KNLO5F7hBY.png?width=1200)
前田
素晴らしい。憑依!
おわりに
川口さんと前田さんが語るアイデアの発想法。いかがでしたか?
もしよろしければ、スペースのアーカイブもぜひお聴きいただければ幸いです。
アーカイブ音声のURLはこちら:https://x.com/i/spaces/1lPJqbYPmEnxb
記事に掲載しきれなかったエピソードもたくさんあります。何よりお二人の楽しげな掛け合いがテンポよく心地よく、きっと最後まで夢中で聴いてしまいますよ♪
川口さん、前田さん、貴重なお話をありがとうございました!
そして記事をご覧いただいた皆様、ありがとうございました!
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