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短歌

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自作短歌
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記事一覧

早朝の野に広がりし雪化粧
しん、と静まり冴え渡る時


#短歌 #tanka #note短歌部

「疲れた」と言えたらずっと楽なのに
じっと見ている午後の水仙



#短歌 #tanka #note短歌部

玄関の花瓶に挿したる蝋梅の
香をいっぱいに吸い込ませたり


#短歌 #tanka #note短歌部

薬にも毒にもなれぬ唯のひとである私の今日の哀しみ

#短歌 #tanka #note短歌部

正月や

ぬくい布団を出られずに

丸まっている 猫のごときに

#短歌 #tanka

ポポポンと

柚子でお手玉 バスタイム

師走の夜の 湯気の向こうに



#短歌 #tanka

降るように鳴く蝉の音を耳にして

目を閉じごろり寝転んで部屋


#短歌 #note短歌部

才能と可能性とを語る時
なぜにあなたは淋しそうなの



#短歌 #tanka


手のひらの
小さな画面 眺めおり
我は〝ここ〟に 住んでいるかも
#短歌 #tanka

たまに。たまにね。
そんなふうに思うことがあったりします。
非現実の世界の中に。

記憶

記憶

「青空に 弥生の陽射し満ち溢れ
記憶は戻る あの時の日に」
#短歌 #tanka #3月11日

人は、忘れていく生き物です。

「覚えておきたい」と思っていることすら時間と共に忘れます。

〝つらいことをわざわざ思い出す必要も無いのでは…?〟
そんなふうにも思うけど、それでもふとした瞬間に映像や活字でそれが目や耳に飛び込むと、あの時の感覚がふっと甦り鼻の奥がツン、とします。
そしてなぜか

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雪化粧
明けきらぬ町 照らす月
何処(いずこ)で眠る君想う朝
#短歌 #tanka

新月を 祝うというのは

名目で

飲んで語って 師走の千鳥

#短歌 #tanka

泣くような

とうふ屋の音に 立ち止まり

木枯らしすさぶ 町の夕暮れ

#短歌 #tanka

手を引かれ
よちよち歩く幼子の
小さく揺れる
フードの頭
#短歌 #tanka