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「デザイン思考」とは?

現在、デザイン講師の立場として生徒さん達に教えていますが「デザイン思考って何?」と聞かれたら、正直自信を持って答えられないのが本心です。

みなさんの中でも仕事の現場で「デザイン思考」という思考プロセスを聞いたことあるのではないでしょうか?

なので、この機会に「デザイン思考」の正体とは一体何なんだというところをまとめていきたいと思います。


自己紹介


少しだけ、私の自己紹介をさせてください。
現在、デザイン講師として働いています。

それまでの経歴は、新卒で不動産業界で営業職を2年間と、業界をチェンジし電気設計士として2年間働いてきました。

デザインとは


「デザイン」はラテン語の「designare(デジナーレ)」という言葉から来ています。

そもそも、みなさんが思う「デザイン」とはどういうものを想像されますか?
恐らく多くの方は、デザインは生まれつきセンスある人が感覚で作る色や形のことと思っているのではなでしょうか。

この考え方、間違っています。
「デザイン」は、理論で説明できるものなんです。

言葉の解釈をみると「ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること」と記載があります。

こう考えると「デザイン」という言葉には見た目だけではなく、3つの言葉(問題解決・設計・見た目)が含まれているということになります。

デザイン思考とは


では、本題であるデザイン思考とは何か?
デザイナーの行うデザインプロセスの手法を活用して、解決策を生み出すアプローチのことです。
もっと詳細に言うと、「ユーザーも気づかない本質的なニーズを見つけ、変革させるイノベーション思考」と定義されています。

誤解されがちですが、デザイン思考とは問題解決を促すプロセスではございません。
課題を問い直し、本当の問題を発見するプロセスになります。

顧客の真意を探り本当の問題を発見してこそ、デザイン思考の成功と言えます。

求められる理由


デザイナーの考え方である、デザイン思考ですがなぜビジネスシーンで必要なのでしょうか?
それは時代の変化により、ビジネスのあり方も変わってきたことが一番の理由になります。

従来行ってきた考え方だけでは顧客ニーズの変化に対応できなくなっている現状があります。
モノや情報があふれている現在は、ただ新しいだけでは顧客に受け入れられません。

こうした課題を解決するために、デザイン思考を取り入れる企業が多くなってきたといえます。

デザイン思考のプロセス


1.共感 (Empathise)
2.問題定義(Define)
3.創造(Ideate)
4.プロトタイプ(Prototype)
5.テスト(Test)

各プロセスの目的や取り組み方を解説します。

1.共感(Empathise)

まずは、ユーザーの思考を理解し、そのニーズを探ります。
なぜそのサービスが欲しいのか、サービスを手に入れた先に何を求めているのかを想像します。

ここで、注意していただきたいのが、「ただ共感する」だけではダメです。
顧客が言う言葉をそのまま受け入れるのではなく、自分が本当にユーザーの気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考をするのか、そこまで徹底的になりきることが大切です。

2.問題定義 (Define)

ユーザーは自分が求めているニーズの本質を理解していないことが多いです。
例えば「コーヒーが飲みたい」と考えたあなたは、会社の近くにあるコンビニへコーヒーを買いに行き、会社に戻ってデスクで飲みました。

ここでの「コーヒーが飲みたい」という気持ちのその先を考えてみると、ここでのニーズは「仕事中の眠気を抑えたい」が該当すると考えられます。

では、「仕事中の眠気を抑えたい」のであれば、コーヒーを買わずとも、顔を洗ったり、窓を開けたりなどといった行動をしても眠気が覚めるかもしれません。
つまり、眠気を抑える方法であればいずれもニーズの中に含まれるわけです。

3.創造(Ideate)

課題の定義ができたら、いよいよ課題解決に向けて何ができるかを考えます。

定義されたお題に対し、具体的なアプローチを洗い出します。
質よりも量を出すことが重要なので、思いつく限り、次々とアイデアを出しましょう。その後、分類して収束させて形にしていきます。

4.プロトタイプ (Prototype)

創造のプロセスで発想したアイデアのうち、特に有効だと考えられるものを試作します。
動かすことが第一目的であるため、なるべく時間とコストをかけずに、最初の試作品を作ります。
プロトタイプは売り上げを出すのではなく、今まで見えなかった課題点を浮き彫りにすることがゴールです。

5.テスト (Test)

試作品を実際にユーザーに使ってもらいます。
前のプロセスで定義した課題を、試作品によって本当に解決できるのかどうか確認するプロセスです。
ユーザーからのフィードバックを受けて、実際に提供できる商品やサービスになるまで改善しましょう。

デザイン思考のメリット


●アイデア提案を習慣化できる

●多様な意見を受容するスタンスが広がる

●イノベーションの創出がしやすくなる

●ユーザーに支持される商品の開発につながる

●チーム力が強化される

デザイン思考のプロセスが浸透することで、アウトプットの機会が増えます。チームで意見交換をすることで、新たな価値を持ちユーザーのニーズに沿った商品やサービスの開発につながるでしょう。

デザイン思考のデメリット


ゼロロベースで何かプロダクトを創出するのにはやや不向きな点です。

デザイン思考は、ユーザーの悩みやニーズを基にこれまでに発見できなかった視点を見出したり、
自社のノウハウや技術を掛け合わせたりする、イチからスタートする「問題解決」のための思考法です。
そのため、「これまでにない技術を開発する」といった、ゼロからイチを創る「新しい発明」には不向きだと言えるでしょう。

まとめ


デザイン思考は、問題解決のための方法を設計するための考え方です。デザイナーだけの考え方ではなく全ての人が活用できます。あらゆるビジネスや生活のシーンで役立てることができます。

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