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87歳の女性が教えてくれる、ひとりの老後を明るく楽しく生きるためのヒント。

40代または50代になると、老後はよりリアルな現実となり、本気で将来を案じるようになりませんか? 楽しく生きられる術はないか、楽観的な考え方を持てるようになれないか……。そのように考える瞬間が増えるはず。

多良さんのパワーに元気をもらえる

私が人生に迷いを感じていた時に出会ったのが、東京の古い団地にひとりで暮らす、現在87歳の多良美智子さんの書籍。お孫さんが動画を撮影してYouTubeに上げた彼女の私生活が話題となり、一躍人気者に。65歳で調理師の専門学校に通ったり、80歳でヨーロッパツアーに参加したり……。とてもアクティブなおばあちゃん。数年前にだんなさんをなくしてひとりになったけれど、現在おひとりさまの生活を満喫中。彼女の人柄や考え方がわかると、YouTubeを見るのがもっと楽しくなる。

「いくつになってもおしゃれ心を忘れない」

多良さんは、なんと80歳でピアスを開けられたのだとか。それまではイヤリング派だったけれど、よくなくすのが悩みの種。そこで年下の友人に相談したところ、「ピアスにしたらいいわよ」と言われたことがきっかけに。多良さんは、ピンときたら何でもすぐにやってみる。とにかく行動派。それは、悩んでいる時間がもったいないからだそう。たしかに、いつまでもうだうだ考え過ぎるのは、なんと時間を無駄にしていることか。晩年、調理師の専門学校に通ったりヨーロッパツアーに参加したりしたのも、彼女の本来の性格が大きな影響を及ぼしていたのだ。

良い関係を築くには、身内でも適度な距離感を大切に

いくら家族でも、つかず離れずくらいの距離感を大切にする。それが、彼女の持論。深入りしすぎると、かえって関係は悪化するとの考え方が備わっているからだ。いつも動画を撮影してくれるお孫さんから「一緒に暮らそうよ」と言われても、「それは無理よ」と断っているのだそう。近くに住み、たまに会うくらいがちょうど良いとおわかりなのだ。ご近所さんやお友達との付き合いも、ほど良い距離感を維持中。多良さんの行動的であっさりした性格が見えてくると、「くよくよ悩まない」「人生は何とかなる!」そんな言葉が口癖であるのは、すんなりうなづける。

案ずるより楽しむことが大事という学び

先行きが不透明な今の時代、孤独な未来を案じがち。だけど、そんな不安を根本から吹き飛ばし、人生を楽しく生きられるヒントが詰まった一冊。昨今、「老後」という言葉にはネガティブな印象がつきまっている。でも、多良さんの生き方を知ると、自らの人生にも少しばかり光が差し込み、たとえひとりになったとしても、それなりに楽しく生きられそうな気がしてきた。


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