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「コネ」はつくるもの|mofi 204号 ご挨拶

「コネ」という言葉に初めて触れたのは、人生ゲームだ。「コネカード」という特殊なカードをひき、自分の「人生」の「ゲーム」を有利に動かせることを無意識的にでも刷り込まれた人は多いはず。

次に目や耳にすることが多いのは、学生のとき、就職活動を行うときかもしれない。「コネ採用」「コネ入社」という熟語をつくるこの「コネ」ということばを、たとえば面接で落ちたときに聞くにつけ、嫉妬をおぼえた人もいるかもしれない。

とりわけエンタメ業界、テレビ局・広告・新聞などの分野では、どこどこの会社のだれだれという役員の子どもや親族だから入社しやすい、口をきいてもらえる。この言説は、あながち都市伝説でもない。

しかし、30歳を目前にして思うのは「それでおおいにけっこう」ということだ。理由はいずれ別のコラムにて語りたい。

また、現に私自身、これまでありつけた仕事はすべてコネで獲得しており、これについては何の後ろめたさもない。

なぜか。

「コネはつくれる」からだ。

コネは connection ということばからきた和製英語で、必ずしも血族を意味するわけではないが、日本では「縁故」という言葉とほぼ同義で理解している人が多いからか、「不公平なもの」「実力外のもの」とみられがちだ。

誰しも、好き好んでいまの環境にうまれてきたわけではない。人によっては、スティーブン・スピルバーグと親戚関係の可能性もあるし、そうではない可能性もある。

映画関係の仕事をしている人の関係者でなければ、映画の仕事にありつけない、という時代は確かにあった。しかし、いまはちがう。情熱と、テクノロジーと、ちょっとした機転があれば、簡単に映画関係者とつながることができる。さらに運が味方すれば、自分自身仕事にありつけることができる。かもしれない。

今週の小原コラムは、小原の牙城を崩した若きイタリア系アメリカ人の若手プロデューサーに焦点をあてている。(前置き長い)

コラムで紹介されている若者も、コネを作っている。そしてその方法に長けている。では、どんな方法でキャリアを築いてきたか?

…詳しくは、mofi をご購読いただき、自身の目で確かめていただきたい。

ここで一言。

アメリカ人にだって、ハリウッドを攻略することは難しい。しかし「いわんや外国人をや」と諦めるのではなく、だからこそ自分の強みを活かし、相手にとって自分がいかに有益なものを持っているかを考え、簡単には開かない扉をこじあけるくらいの気概をもって挑戦することが、コラムの彼のような成果につながる。

コネはつくるもの。その作り方も実力のうち、だ。

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