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【 経営 / 仕事 のコツ 】平均値だけを見ず中央値も見よ!

仕事をしているとよく平均値が出てくる。お客様の平均年齢は?あの店舗の平均売上は?社員の平均年収は?など。この数字だけ見るのは実はあまり意味がありません。むしろそのデータで作戦を立てると見誤って失敗する可能性があるので注意が必要。

1.平均値だけを見るとまずい理由

平均値は全体の傾向を掴むためには必要な数字であることは最初に言っておきます。しかしそれだけ見ていたら駄目ですよということ。みんな感じたことがあるでしょう。「国民の平均年収〇〇円」「〇代の平均貯蓄額〇〇円」これらの数字を見て「高くね?そんなにあるん?」と思ったこと。その感覚正しいです。こういう場合に平均値は意味がありません。なぜ意味がないかというとその事実として以下に一つの事例を引用します。この後の話では平均値より中央値に着目しようという話に続きます。

例えば30代二人世帯の貯蓄額において
 平均値 752万円  中央値 238万円  

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年」より

上記は一つの例ですが平均値と中央値で全く違う数値が現れています。だから中央値のチェックも欠かさないこと。蛇足ですがこのデータを細部まで掘り下げてみていくと調査サンプルの22.7%が非保有になっています。よって平均は700万超えの貯蓄があるのに約5分の1の世帯は貯蓄が全くないということです。この内容からしても「よし、30代二人世帯は平均700万の貯蓄があるからそこをターゲットにして〇〇円の商品を作ろう」とすればそのビジネスは大きく外すこと濃厚ということです。

2.平均値と中央値の違い

では平均値と中央値の違いを明確にしておきます。以下の10個の数字。
10 15 5 5 10 10 20 15 10 25 

平均値は全部足して10で割ります。よって135÷10で平均値13.5。中央値は小さい順に並べて真ん中の数字です。
5 5 10 10 10 10 15 15 20 25 
だから中央値は10。この理屈で参照した貯蓄額に大きな差が出たわけです。

参考にですが「最頻値」という数字もあり、それは最も頻度が多く出ている数字のことです。よってこの場合は10。これも知っておくとよいでしょう。

3.実態を捉えるのは中央値のほうが現実的

感覚的に「これ高すぎ(低すぎ)じゃね?」と思う平均値の時は大幅に高い数値が混ざっていて全体を釣り上げているか、大幅に低い数値が引き下げています。だからそんな数値が混ざっていたら平均値は意味をなさなくなるのです。よって現実に近い数値は中央値です。平均年収が高いのは一人の高年収の人が多くの人をその数値パワーで引き上げているということです。実は世界の富は、上位1%の超富裕層の資産で世界全体の個人資産の37.8%を占めると言われてます。このような数値で平均値と中央値を比べるととてつもない差が出ますね。

4.ビジネスでは多面的に数値を見よう

ビジネスをする上で平均値だけで判断しないことが大事です。平均値だけ見ると大失敗します。平均値と中央値がよく似ていたら問題ありません。異常値がないということです。しかし乖離していたらその中身を良く分析して作戦をたてましょう。そんな時は中央値の方が現実的な可能性が高いです。
ちなみに最頻値も大事ですがあれもこれも見るとわからなくなるのでまずは平均値と中央値で判断すればいいと思います!

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