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【旅とLeica】インド出発2日前にLeica Q2を買った僕が伝えたい「Q2のええとこ」の話

先日、無事に完結を迎えたインド旅行記。

これらの記事に使われている写真を撮影したのは、出発前に購入したLeica Q2である。

正直購入した頃(2023年2月)にはもうQ3の情報が一部リークされていたし、「このタイミングでQ2を(しかも新品で)買うのってどうなの?」という迷いは持ちつつ、それに勝る憧れが合ったので後悔のない旅をするために購入。

購入前にうん十万円をおろしに行く男の後ろ姿(ドキドキしてる)

購入前に、もちろんYouTubeやらブログやらで先人が遺してきたQ2のええとこ・悪いとこの記録は目を通し、勉強させていただきました。

既に多くの方がQ2についてのレビューを出してる中で蛇足っぽくなるかもしれませんが、彼らと僕の大きな違いは「僕はインド出発2日前に購入し、碌に触れることもなくインド旅でLeicaデビューしたこと」です。

と言うことでこの記事では、スペック的なレビューではなく「旅とLeica」という視点で、僕がLeica Q2を使ってみた「感想」をお話しします。

あくまで「感想」なので、そこんとこご査収ください。

スマホの延長線上で写真を撮るカメラ

23/02/06 デリー
空港からの移動中で早速「グッ」とくる

はい、感想です。あくまで感想なので。帰らないで。頼むから。

約90万円のカメラに「スマホの延長線上」って失礼じゃないか?と思われてるかもしれません。まあでも一旦聞いてくれ、俺の話を。

写真を撮る場面、って人ぞれぞれいくつもあると思うんです。

恋人とデートした時間。
家族で旅行に行った時間。
上司や後輩と努力した時間。
友達と遊びに行った時間。

まあ全部僕にはありませんが。一人でもいい。一人でも人生は楽しい。
スナップ。ポートレート。風景。テーブルフォト。etc…

シチュエーションは色々あると思いますが、別視点で考えたときに僕は「撮るために行動した」と「行動した結果撮った」があると考えています。

・綺麗な風景写真を撮るために山を登った
・山を登ったら綺麗な風景が広がっていたから撮った

この2つは、結果的に同じ写真を撮っていたとしてもそのプロセス、やや自分語りな言い方をすれば「琴線の触れ方」が大きく異なるでしょう。

ちょっと難しい話をしましたが本題に戻りつつ何が言いたいかと言うと、現代生活において最も多く使われてるカメラってスマホやと思うんです。

カメラをお持ちではない方はもちろん、カメラを持っている方でも「これはわざわざカメラをカバンから出すほどではない、けど残しとこ!」みたいな感じでスマホで写真を撮ることってあるじゃないですか。

僕に撮ってQ2は、そんな「なんかわからんけどグッときたとこ(=誰に見せるでもないけど琴線に触れた瞬間)」も撮りたくなるカメラになりました。

23/02/06 日本
出発前に前のりした関空近くのホテルにて。開きっぱなしのカバンなんて誰が見たいんだ。そう、俺だ。
23/02/06 飛行機
プライベート初海外の三谷にとっては新鮮な光景。映えない。しかしこれも思い出。

こんな、誰に見せるでもない、でも感情が少しでも揺れ動いた瞬間を残せるカメラ。

これは、Q2がコンパクトであること、28mmと視野に近いレンズであることなどが理由と言えるでしょう。

自分が認識してる世界より少し広めに撮ってくれる

23/02/09 ジャイプル
接客なんて概念がない売店、良いぜ

こちらは、おじさんに惹かれて走行中のトゥクトゥクから咄嗟に撮った写真です。

右側にラッピングされてる飲料がたくさん並んでますね。もしかするとインドは僕が警戒していたよりも衛生面が整っているのかもしれない。売り物に関しては。

と言うように、「『撮った』の外まで写ってる」と言うのが28mmの魅力だと思ってます。

後で見返したときの楽しみが増えるってもんです。

23/02/11 デリー
夕焼けに染まるナイスガイ。奥の車両にこっち見てる人がめっちゃいる。

とりわけ今回のように「初体験・勉強不足・言葉がわからん」みたいな旅では、移動するだけでも一苦労。構図やなんやを考えて写真を撮る余裕はありません。

Q2なら、とりあえず撮ったら写ってる、そして後でトリミングしても綺麗な高画素機。

そんな心の余裕を生んでくれることも、Q2を持って旅をする魅力です。

オートで良い、自分は目の前に集中する

23/02/09 ジャイプル
奥で「俺も写せ」とバスからアピールするおじさん

昨今のカメラ市場における新機種販売のスピードを考えると、Q2はもう古いカメラなのかもしれません。実際もうQ3出てるし。

しかし、んなこた関係ない。知ってるか?カメラってのはシャッターを押せば写真が撮れるんだ。最も重要なのはシャッターチャンスを逃さないことにあるんだ。

そして今回インドでQ2を使ってみて驚いたのが、絞り・SS・ISOの全てをオートにしても、撮影者の意図を汲んだ設定で撮影してくれたことです。

23/02/10 ジャイプル
何かの柵。強い太陽光と影、真っ赤な柵の「強さ」が良い。

これは決して他社様のカメラを否定している訳ではありません。

ただ、僕にとって「オートを使った記憶」って「暗い時にSSを下げまくって手ブレ写真ばかり量産させられたこと」しかなかったんです。(かなり前の話)

23/02/09 ジャイプル
チャイ爺と光と影

今回のインドでは、

①自分も街もとにかく止まらず動いている
②目まぐるしく魅力的な瞬間が訪れる
③光のバランスも目まぐるしく変わる

と、前述の通りゆっくり構図を考えたり、ましてや設定をあれやこれや操作している余裕はありません。もしかしたら他の皆には余裕が合ったかもしれない。ただ、海外初心者の俺には無かった。

そこで、思い切って全てオートに設定。撮影中に設定をあーだこーだするのは野暮だ。と思いつつ内心は不安で震えながら撮影してみたら、あら不思議。オートの方が俺より頭が良い。

23/02/9 寝台列車から観た風景
列車のスピードに合わせつつピントも合ってる。

寝台車窓からの風景を撮影するとき、僕は一度もカメラを覗いていません。それは、僕が「写真を撮る」ことよりも「ちゃんと目で見たかった」からです。

設定を全てオートにして、「わ!」と思ったタイミングで窓に押さえつけたカメラのシャッターを押すだけ。それでも十分「残せて」います。

23/02/15 バラナシ

なんの変哲もない(こともないけど)スナップ。でもこれだって、朝日の逆光でなかなかの明暗差なシーンです。

設定は全てオートに任せて、自分は初めて訪れた土地の空気や風景を存分に楽しむ。そして、琴線に触れた瞬間にシャッターを押す。

そんな理想を叶えてくれたことが、とにかく嬉しかった。

「完璧じゃない写真」が愛おしい

23/02/09 ジャイプル
おしゃれなメガネの反射がgood

これまでに書いている内容をまとめると、「難しいことを考えずに撮れるカメラ」と言うのが一番わかりやすいかもしれません。

自分で言うのもなんですが、2月10日に関しては完全に己を解放することができました。

で、そんな感じで、ある意味では「適当に」撮ってたら、ピントが合ってなかったりブレてる写真も中には出てきますわな。

23/02/11 デリー
体調不良で徒歩でホテルに向かう道中はハッキリ言ってしんどい。視界もこんな感じ。

厳密に言えば「意図していないところにピントが合ってる」「設定は正しいけど僕が揺れすぎた」と言うのもあるので、基本的にはカメラではなく僕由来のいわゆる「失敗写真」が生まれる訳ですが、いやでも最近思うんです。

人間の目もそんなすぐにピント合ったりせえへんって。

23/02/08 アグラ
この後もこっちに笑顔を送り続けてくれた通りすがりのboy

人間の目も完璧ではありません。そもそも完璧ってなんだって話ですが。

視力も人によってそれぞれ違いますし、感じる光や色も違うと言われています。

そして、さらに踏み込めば目から取り込んだ情報を脳みそでどう処理して「記憶」するかも、人によって違うんじゃないかなって思います。

要するに、同じもの見てても、違うように記憶してるんじゃないかってこと。

そんな中で、写真に求められることってなんでしょう。

僕は、感情を思い出せることだと考えています。

23/02/10 ジャイプル

通り過ぎた「怖いお肉屋さん」をどうしても撮りたくて一人戻り、しどろもどろ英語でお願いしたら笑顔で写真を撮らせてくれたこと。焦って肉にピントが合ってない。LOVEだぜ。

23/02/15 ムンバイ

みんなで美味しいものを食べてるのに、自分は一人外の夕焼け空に心を奪われていたこと。なんか色々雑い。良いぜ。

23/02/11 寝台列車にて

走行中に線路から列車に乗り込んでくる人達。もっと人だかりやったのに油断しててチャンスに間に合わず、ピントも合わせれず。それくらい突然現れたのもインドっぽい。びっくりしたね。

23/02/15 ムンバイ

旅の終わりが近づき、寂しさと同時に正直ちょっと飽きていた中で、「それでも飽きずに撮らねば」と、とにかくシャッターを押していたこと。

などなど。

話しだしたらキリがないんだけど、こういうのって結局「撮ってたから話せる・考える・思い出せる」ことだと思います。

とにかく撮れる。
撮ってる自分を愛せるカメラ。

それが、僕なりに皆さんにお伝えしたい「Q2のええとこ」になります。

Q2とインドと僕

少し長くなりましたが、読んでいただきありがとうございます。

もし宜しければ、インド旅行記もご覧いただけますと幸いです。


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