見出し画像

知ることから、Feel India.【#10】ガンジスの夜明け編

発熱と喉の炎症で苦しみながら辛いチキンをたくさん食べた翌日、2月13日。朝6時起床。

この日は、デリーからバラナシへの移動日だ。そして、インドに来て1週間になる日でもある。

インド上陸間もなくリンチを目撃した初日の夜や、汚染された空気で体調を崩したこの2回目と、デリーではあまり良い思い出がない。今となってはそれすらも思い出ではある。二度と来るか。いやまた来るかもしれない。

移動しながら、この1週間を思い返す。

インドに「そこそこ」慣れていた。

「夜に出歩かない」「衛生的に悪そうなものは食べ飲みしない」「スマホを人前に出さない」と決めていたことも、1週間も経てば(もちろん十分に気をつけながらだけど)昨晩のように一人で出歩き、英会話スキルゼロのまま屋台で注文して食し、写真や動画を撮って歩いたりもする。

これは想像していなかった変化だった。

同時に新鮮味を失ってきているのも事実である。

空港に着き、チェックインを済ませ、搭乗までに朝ごはんを済ませることになった。

空港ということもあり、マクドナルドやケンタッキー、ドミノピザなど、見慣れたお店もいくつか見かける。どこか、文化圏に戻ってきたような心持ちになった。

マクドナルドを覗くと「マハラジャマック」なるものを見つけ、マクド大好きマンとしてはこれを逃すことはできず購入。少し高かったけど、久しぶりに食べるハンバーガーとマクドナルドらしいソースの味に、懐かしさを感じた。

インドにいるとチャパティばかり食べているので、パンを食べる機会もあまり無い。

そして機内食ではサンドイッチが出された。

まさかの2連続で具挟みパン。

一眠りしたらバラナシに到着していた。

匠の技

空港からホテルへ移動し、チェックインしてからは現地で有名なラッシー屋さんへ向かった。

この日はインド史上2人目の女性大統領がバラナシへ訪れるとかで、人がたくさん+規制線がたくさん=すんげえ人混みに巻き込まれる。

それはまさに「おしあいへしあい」を絵に描いたような、そして何がやばいってこの人混みの中を大型バイクがブンブン言いながら割り込んでくるところ。煤けた空気を被りながらラッシー屋へ向かう。

地元でも人気のお店でラッシーを堪能してからは、軽く散歩して休憩に入った。

翌日は、早くからあそこへ向かう。


2月14日。4:30に集合。

僕達は、小舟に揺られていた。

舟の上からガンジスの夜明けを眺める。

そこは魂が解放される場所。

そこは祈りを捧げる場所。

僕は宗教にも国際情勢にも明るくないことを自覚していて、だからこそ「そういったフィルター」を介さずにここに来ることを決めていた。

彼らはただ、そこにいて、そこで生活をしている。

僕らがただ、それを珍しそうに囲んでいるだけで。


ガンジス川で撮影を終えた僕たちはジャイプール同様、観光班とスナップ班に分かれて行動した。

僕はスナップ班で、メンバーと親交があったインド在住日本人のYouTuberさんと合流した。

彼の案内のもと、僕達はバラナシの裏路地を進んでいく。

途中、地元で人気のチャイ屋さんで休憩する。ここのチャイがとても美味しかった。しかし道が入り組みすぎてて、一人ではもう二度と行けない。

そこからまたローカルを歩きつつ、昼食が取れるオススメのお店に連れてっていただいた。

道中で見つけた、道端で焼かれていたチキンティッカが「この世で一番赤いんじゃないか」ってくらい赤くて辛そうだった。

オススメのお店に入ってチキンティッカを注文したら、店員がこの鍋に向かって走って行った。

道端焼き鶏肉はめちゃくちゃ美味かった。

店主は「街に溶け込んでいる裏稼業の人」くらい圧力があった。

写真撮らせてってお願いして、撮ったらニコッと笑ってくれた。

そのまま裏路地を散歩する。

翌日には旅の最終目的、ムンバイへ移動する。

ムンバイは都会だから、インドらしい風景を撮影できるのはここが最後のタイミングだったんだけど、当時の僕はそんなことも考えず「見慣れたな〜」と流れるように写真を撮っていた。

今思うともったいない気もするけど、1週間同じような街並みを見ていたから、飽きる気持ちもわからんでもない。

溜まった疲れと、体調不良がぶり返すことを恐れて、この日は皆と夕飯を共にせず、早めに休憩した。

たぶん、次で最終回です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?