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ライターの基本スキル、取材を攻略する

ライターの仕事は色々ありますが、基本的かつ最も重要とも言えるスキルがあります。それが取材。

取材と一口に言っても様々な種類のものがあります。ゲームライターの場合だと、イベント取材、クリエイターインタビュー、ハンズオン(発売前の製品を触らせてもらいインプレッションを書くことがメイン)などなど。

その中で、新人ライターが最初に通る道がイベント取材です。僕も4Gamerで仕事をし始めた時、最初に任されたのが、ゼビウスなどで有名な遠藤雅伸さんが出演していたイベントの取材でした。

新作ゲームの発表会、発売後のリリース記念イベント、クリエイターや出演声優のトークイベントなど、イベントにも様々な種類がありますが、基本的なポイントは同じ。

ライターの仕事はイベントのトピックを書き起こし、記事として読みやすいようにまとめるわけですが、新人の方がやってしまいがちなのが、イベントでの出来事やコメントなどを全て書き起こしてしまうこと。

イベントは基本、30~60分。長いものだと120分くらいあるものもあります。メディア対象だと前者、ファン向けイベントが後者のパターンが多いですね。有料イベントなんかだと、特に時間が長くなる傾向があります。

そのため、全てを書き起こしていてはキリがありません。もっとも、駆け出しのころは自分もそうでした。60分のイベントレポートを書くのに、4~5時間かかっていたこともありましたから。

スピード命の取材もので、ちんたらやってる時間はありません。基本的にこういった取材は生モノと言われており、Webメディアであれば当日掲載、遅くても次の日のお昼ごろには掲載されていなければいけないからです。

だからライターには、スピードが求められるわけです。ステージで起こったことをそのまま全て書き起こすのではなく、要点をまとめてコンパクトで読みやすい記事を作る技術。

新作発表会を例に見てみましょう。

新作発表会は、一般参加者を招いたものもありますが、どちらかというと、メディアのみを招いたものが多いと思います。メディアのみの発表会は、だいたい次のようなパターン進行のものが多い。

重役の挨拶→新作のトレーラー公開→プロデューサーやディレクターなど、開発トップが登壇して、タイトルの見どころや、発売までのプロモーション展開などを発表。

ここで重要なのは、いわゆる新規の情報です。既報(すでに発表されている情報)を織り交ぜるパターンもありますが、こういった情報はすでに過去の記事で紹介されていますので、事細かに書く必要はないと思います。

新人ライターがやってしまいがちなのが、発表された内容を全て記事に入れ込むこと。だから無駄に時間がかかってしまうのです。スピードを重視するのですから、この際、既報はサラッと流すくらいでよいと思います。速報性の高いものであれば、カットしても構わない、

そのぶん、新規の情報をミッチリ書いてください。登壇者がアピールしたいこと、そして読者が知りたいことは新規の情報なのですから。

正式タイトル、発売日、キャラクター、ウリとなるシステム、世界観など。こういった情報は特に大事です。それだけに、誤字や間違った情報を書いてしまうことは許されないので、見直しも大事です。

記事の掲載はライターから編集者に渡り校正が入りますが、たまに誤字などがそのまま載ってしまうこともあるので、ライター側でもしっかりとチェックすることが大事なのです。

無駄を省き、新規情報のみにフォーカスすれば、記事を書くスピードは劇的に早くなります。編集者もこういった記事はスピード感重視で掲載したいと思っていますので、余計な情報を削ぎ落としたスリムで読みやすい原稿のほうが喜ばれる。

ただ、新規情報だけを効率よくインプットするには、多少の前準備も必要です。まず、どれが既報でどれが新規の情報なのか、そこを判別できないといけない。そのためには、過去の記事を事前にチェックすること。

そうすれば、既報と新規情報の区別が瞬時につくし、スピーディに仕分けることができる。たったそれだけです。過去記事のチェックなんて、ちょっとググれば、10~15分もあればできることです。たったそれだけのことで記事のスピードがアップするのですから、ぜひやりましょう。

発表会と言えば、写真撮影も大切な仕事です。ゲームメディアの場合、ライターが執筆と撮影を兼任することも多いので、最低限の撮影技術は必要になります。ただ撮影に関しては、われわれライターはプロではないので、めちゃくちゃクオリティの高い写真を撮る必要はない。

大切なことは、しっかりと読者に情報を伝えること。たとえば、発表会ではスライドを使用することが多いので、スライドをしっかりと撮る。登壇者の顔も抑えておけばなお良し。とにかく、数を多く撮ることです。ピンぼけ写真は使えないので、オートフォーカスでピントを合わせてとにかく撮る。基本はこれだけです。

あとプレゼンの時は、ノートPCもしくはスマホでメモを取ることを強くオススメします。メモを取っておけば、そのメモを元にして記事を書けるので、ICレコーダーなどで聞き直す手間も省ける。昔は、メモをまったく取らずにICレコーダーを1から聴いて書き起こしていましたが、今思うと、とても効率の悪いやり方でした(-_-;)

登壇者の喋るスピードが早いとメモが追いつかない時もありますが、これも執筆と同じで、全てをメモする必要はない。新規の情報と要点を抑えて、そこだけをメモすれば、さほど大変なことでありません。

まとめると、発表会の取材は

1:新規の情報に焦点を当てる。

2:取材前に、最低限の下調べをする。

3:PCやスマホでメモを取る

4:写真はとにかく数を多く撮る

新人ライターやこれからライターを目指す方は、ぜひ参考してみて下さい。


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