目に見えるもの全てと、見えないものの欠片

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「なんだい」

見つめていると彼は聞いた。

「何でもない」


いつだってそうだ。


それを何と名付けよう。


目に見えていない、奇跡のようなそれを。



空っぽの空気しかない手を開くと、


そこには空虚がからからと嗤う。


パンドラの逃がし損ねたものを

見つけるために我々は一度

目に見えるものをみな夜空の色で染め上げて

失くしてしまわねばならない。


そうしなければ、見えてこない




光が




#404美術館 #404

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