見出し画像

⓵人生最大のトラウマを抱えるまで

 幼い頃、僕は外で友達と遊ぶのが好きだった。
砂遊びや鬼ごっこ、ヒーローごっこなど小さな男の子がやりそうなのは全部やっていた。

また当時住んでいたマンションでママ友の付き合いがあり、同じマンションに住んでいた同い年(同じ学校でIさん)、歳下の女の子とも遊んでいた。

 歳下の女の子達とはままごとや人形遊びで遊んだりとても楽しかった。

歳下の女の子達のあいだではおジャ魔女ドレミやセーラームーンが流行っていたこともあり、なりきりごっこに付き合ったりもしていた。

 Iさんとは一緒に駄菓子を食べながら自宅の周りを散歩して世間話をしたりしていた。

特別な思い出などはなかったが、のどかな時間を一緒に過ごした。

恋心ではないが、彼女といるあいだは僕にとって心安らかな時間だった。男の子たちと遊ぶよりも優先していたくらいだった。

 そんなある日、Iさんと2人で自宅マンションの階段を会話しながら降りていた。
お互いに冗談を言い合い、ツッコミを入れたり笑い合う日常だった。

Iさんが面白い話をした時、僕は腹を抱えるくらい笑った。
そしていつものようにお笑い芸人のように肩甲骨あたりを叩いてツッコミをいれる。

その瞬間ツッコミが強かった事により、Iさんは階段から転げ落ちた。
階段を降りた踊り場の壁へ当たるまで止まらなかった。

予想にもしなかった状況だった。力を入れたつもりはなかったのに、、、

まさかこんな事になるなんて、、、


Iさんは顔から転んだため、鼻と口から血を流して泣いていた。
この時すぐにでも駆けつけなければいけない状況なのに、思考が停止していたため体が動かず、泣いているのをただ見ているだけだった。

 気が付いた時にはIさんは立ち上がった家に帰ろうとしていた。
僕は慌てて駆け寄り後ろから小さな声で謝った。だが彼女は無反応で振り向こうともせず一直線で帰っていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?