かわいらしい伝統のキツネ踊りを披露する姫島盆踊り
8月14、15日に大分の姫島で開催される姫島盆踊りに行ってきました。宿の予約の関係で15日だけ見てきました。
姫島
姫島は古事記や日本書紀に登場する神話の島として知られています。日本書紀で、都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)が白い石から生まれたお姫様と結婚しようとしましたが、それを逃れるために海を渡って上陸した島であると記されており、それが姫島の由来だそうです。
島には海水浴場、温泉、火山活動の痕跡が見られる地形など、観光スポットとしても魅力が満載です。また、姫島車えびやかれい、鯛めんなどの名産品・グルメも楽しめます。
島内には自転車や小型電動自動車、電動キックボードのレンタルが可能で、自転車で島を十分に巡ることができます。特に海の美しさが印象的でした。
姫島盆踊り
姫島の人口は約2000人ですが、盆踊り期間中は人口の3~4倍の観光客が訪れると言われています。
鎌倉時代の念仏踊りから派生したもので、伝統踊りと創作踊りがあります。地区の子どもたちや一般の人々によって世代を超えて踊り継がれています。
盆踊りの会場はフェリー乗り場横にある中央会場の他に、6箇所ほど設けられています。各自の地区から踊り始め、踊りが終わると別の会場に移動し踊りを披露します。
特に人気のキツネ踊りは、白塗りの顔に尻尾が付いた衣装で踊る姿がかわいらしく、観客を魅了します。もともとは大人が踊っていましたが、昭和20年代に子どもの踊りとなりました。
こちらが中央会場です。南海トラフの報道の影響かどうかは分からないですが、今年の15日は例年に比べるとかなり人が少なかったそうです。本来は立ち見客も多く、座ることも難しいそうですが、今年は人がまばらで途中から中央会場に来ても最前列に座ることができました。
姫島盆踊りはキツネ踊りが有名ですが、たぬき踊りも見所の一つです。お腹をさすりながら「ぽんぽこ」という姿がとてもかわいいです。昨年は踊り手不足で中止したそうですが、今年はたぬき踊りも無事披露されました。
中央会場でトリを飾るのはキツネ踊りです。各地区で踊った後にも関わらず、踊り手の子どもたちは最後まで元気に踊り続けていました。
中央広場での踊りが全て終わった後、踊り手たちは各自の地区に戻り最後の踊りを披露します。こちらは伝統踊りの一つであるアヤ踊りです。男女が一組となり、アヤ棒と言われる青竹をもった男性が、女性の間を縫うように踊ります。大きな掛け声と共に豪快に踊る姿は迫力がありました。
姫島盆踊りの夜は、キツネやたぬき、その他様々な衣装を纏った人たちが島中で踊っていて、夢の中にいるような感覚を味わいました。そして、翌朝いつもの静かな島の風景にに戻ると、その幻想的な記憶がより一層際立ちました。
人手不足や少子化で取りやめになっている踊りもあるそうですが、神話の島で育まれた伝統的な踊りは、これからも受け継がれて欲しいと願います。