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泥を塗られるほどモテる証?高知のどろんこ祭り

高知の長浜地区で行われている神田祭り、通称「どろんこ祭り」に行ってきました。5年ぶりの通常開催だそうです。
どろんこ祭りは450年余りの歴史がある伝統的な豊作祈願のお祭りです。
高知の長浜地区にある若宮八幡宮で毎年、4月の第一土曜から3日間行われています。


起源

土佐藩の二代目藩主・山内忠義がお忍びで長浜に来ていた時に、ちょうど春の田植えシーズンで、長浜のあぜ道を歩く忠義公の袴を百姓が誤って泥で汚してしまったそうです。
普通なら無礼として打首でしたが、忠義公はむしろ農業を励むように叱咤激励をし、それに大喜びした百姓たちがお互いに泥を塗り合ったのが一般的に言い伝えられている起源です。

田植え

宮入り

毎年、持ち回りで当家地区が決まっており、午前にその地区の参加者が若宮八幡宮前に集まります。

当屋地区参加者

当家地区以外の応援も含め、参加者が集合すると、大当家を先頭に宮入りします。

宮入り

そして、社殿で神事が行われます。神事中は境内で子ども向けにマジックショーと宝探しをやっていて、みんな楽しそうでした。

神事

宮出し

神事が終わると、儀式田へ向かいます。昔は別の場所にあったそうですが、今は境内のすぐ近くにあります。儀式田に到着すると、こちらでも神事が行われます。

儀式田での神事

田植え

神事が終わると田植えが始まります。

田植え

早乙女が田植えをしている間、儀式田の周りでは参加者がどろんこ祭りの音頭を踊ります。若宮八幡宮音頭は今年が初披露と言っていました。

儀式田の周りでの踊り

泥塗り

田植えが終わり、一番太鼓が鳴ると泥塗りの開始です。神田祭りの泥塗りは早乙女が男衆に泥を塗るというもので、女性が男性を見つけると誰かれ構わず泥を塗っていきます。

泥塗り

年齢も関係なく、子どもが大人に塗っていたり、参列者や警察官も塗られていました。泥を塗られた男性は、その年は夏病みしないと言い伝えられていて、塗られた男性はお礼を言うのがしきたりだそうです。

泥塗り

事前情報では、見物客は塗る前に塗っていいか聞かれるという噂でしたが、実際は何のためらいもなく私も塗られました笑
塗ってもらうつもりでしたし、縁起がいいので塗ってもらえてありがたいです。

ちなみに、よけいに泥を塗られた男性ほどモテる証だそうです。

塗られるほどモテる証

若宮八幡宮で泥塗りをした後は休憩時間を挟み、桂浜へ移動して踊りの披露や泥塗りが行われます。

桂浜

若宮八幡宮のどろんこ祭りは、賑やかな踊りと、泥を塗って笑顔が溢れる楽しいお祭りでした。泥を塗る方も塗られる方も年齢関係なく楽しそうでした。
百姓たちの泥を塗り合って喜ぶ姿が、長い歴史の中で形を変えて残り続けているように感じました。
持ち回りの地区が過去に比べると減ってしまってるそうですが、長く続いて欲しいお祭りです。

泥を塗る手
早乙女のみなさん


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