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日本一やかましい祭りと言われる石取祭

三重県の桑名で毎年8月第一日曜日とその前日の土曜日に行われている石取祭に行ってきました。
このお祭りは江戸時代初期に始まったとされ、員弁川下流の町屋川の石を取って祭地を浄めるために春日神社に石を奉納する伝統的なお祭りです。


金曜日の夕方~夜

試楽がある前日の金曜日の夕方から準備が始まり、日が暮れるころには儀式が行われます。春日神社周辺を歩いていると「祭車(さいしゃ)」の飾り付けをされていました。

祭車

桑名の各町(組)ごとに祭車を持っていてその総数は43台ありますが、今年は40台が参加したそうです。祭りの中心部である春日神社周辺では、至る所に祭車が見られます。祭車は町ごとに個性があり、繊細に彫られた彫刻や美しい染織品が魅力的です。

18時ごろから春日神社で儀式が執り行われ、神社から授かった火を各町に持ち帰り、祭車の万どうと十二張の提灯に灯します。

火入れ

叩き出しが始まるまでに、少年会や青年会が祭りの安全を祈願して、唄いながら春日神社へ参拝します。肩を組んで唄い、掛け声を上げて団結していました。

参拝

深夜0時の叩き出し

石取祭は日付が変わった瞬間始まります。叩き出しの直前から多くの人が集まり、すでに盛り上がりを見せています。この写真は23時59分と記録されていたため、始まる直前の写真です。

叩き出し直前

時刻が0時をすぎ日付が変わると、春日神社の神楽太鼓の合図で各町の鉦と太鼓が一斉に鳴り響きます。町の人たちが次々と交代で太鼓や鉦を打ち鳴らす音は、空気を振動させて体で感じられるほどでした。

叩き出し

叩き出しを見てこれが「日本一やかましい」と言われる理由だと思いました。音が大きいだけでなく、リズムもなく、まさに「やかましい」のです。しかし、叩いているみなさんの表情はとても楽しそうで、その姿を見ている私も楽しい気分になりました。
叩き出しの動画です。動画では録音の音がセーブされてるので、この音の迫力は実際に体験してほしいです。

この後は深夜まで町中を練り歩きます。0時になった瞬間の激しさとは打って変わって、石取囃子という独特なリズムのお囃子を奏でながら祭車を引きます。その独特なリズムや演奏のパターンは何度聴いても把握できず、それゆえ聴き入ってしまう魅力がありました。
深夜2時ごろまでやっていると聞いていましたが、町によっては3時半ごろまでやっていたそうです。私は2時半ごろに眠気の限界が来てホテルへ帰りました。帰ってからも鉦と太鼓の音が耳に残っていました。

石取囃子

試楽・本楽

土曜日の試楽は各町内を練り歩き、翌日の本楽は40台の祭車が春日神社に向けて整列し、渡祭と曳き別れを行います。

試楽の日は夕方から練り歩きが始まります。子どもたちも力強く太鼓を叩いています。

子どもたちによる演奏

試楽は夜11時ごろまで行われています。

試楽

各所で競演も行われます。

競演

今年はスケジュールの関係で試楽の途中までしか見ることができませんでしたが、迫力のある叩き出しと、試楽の演奏を聞くことができました。
来年は予定を確保して、本楽の最後まで石取囃子を楽しみたいと思います。

叩き出しの前の様子を撮影しようと歩いていたところ片町の方々が集会所へ招き入れてくれました。翌日の試楽の時も撮影に応じてくださって本当に感謝です!


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