見出し画像

高校生が英語でオンラインツアー サスティナブルな国際交流

コロナ禍における国際交流

 国際交流が盛んな三沢市。例年この地域の高校生は、いろいろな形で国際交流に関わります。新しいものに出会い、他の参加者から刺激を受け、視野を広げたり様々なものを吸収したりする成長の場となります。しかしコロナ禍、ことごとく三沢市の国際交流は中止となりました。これは、高校生が成長する大きな機会が失われたことを意味します。2021年春、高校生と大人が三沢市の国際交流について、高校生目線で考える機会を設けました。

なぜ国際交流はストップしてしまったのか?

 これまで高校生が参加する国際交流は、大人が企画・運営・主催し、学校にボランティアの募集や参加者募集案内が届き、申し込みをして参加する流れでした。つまり、すべて大人に依存している状態です。そうすると当然、大人が中止!と言えば国際交流は無くなり、高校生の活動も連鎖して止まってしまします。

 しかしコロナ禍、世界中でオンライツールが急速に普及し、経済を止めてはいけない、学びを止めてはいけないという意識が生まれ、新しい形で仕事をしたり学校の授業を受けたりする世界ができあがりました。三沢市の国際交流も工夫し、継続する可能性は十分あったはずですが、ピタッと止まってしまいました。もしかしたら、自分達が住む街は、何かの問題が起こったとき、みんなが協力して大切なものを守ろうという気持ちが薄いのではないのか。工夫して新しいものを作ろうとする姿勢が弱いのではないのか。その結果1年以上も国際交流がストップしてしまっているのではないか。

サスティナブルな国際交流

 逆にこの機をチャンスと捉え、自分達の手でサスティナブルな国際交流をつくろう!高校生はこの結論に辿り着きます。高校生が自分達で国際交流をつくるというのは、別の視点から見ても意味があると思います。大人主導の国際交流は当たり前だとは思いますが、地域経済のため、主催側やそれに絡む人達の功績、一般市民は自分達がエンジョイするため、政治家は票のためということもあるかもしれません。おそらく、高校生に貴重な経験を与えてあげようという意識を持っている人は少ないでしょう。高校生がつくれば、自分達にとってプラスになるものをどんどん放り込むことができます。将来の夢に直結することもあるかもしれません。

 そして、高校生のゆるやかながらもサスティナブルな国際交流へのチャレンジが始まりました。修学旅行にも行けてない世代でもあるので、国際交流+修学旅行をオンラインでやってみようということに。

 まず、ツアーに参加するアメリカ人を考えます。自分達の英語力、ツアーガイドのド素人ということを考えると誰でもいいと言う訳にはいきません。ヘタすると”Boring..."と呟かれる恐れも。ということで、自分達の取り組みを理解してくれる地元のアメリカ人に協力を依頼しました。ALTと市役所の基地渉外課で通訳として活躍しているアメリカ人。

 そして、県外の高校生も巻き込んで他県も楽しもう!ということに。せかい部(文科省管轄のオンライン部活動)のサポートメンバーに協力を依頼。長野県と神奈川県の高校生が協力してくれました。一人はアメリカへの留学を控えておりその練習として。もう一人は地元のPRができる。全員がwin winの状況を作れます。

 ツアールートは青森→京都→箱根・鎌倉→長野。計画を進めているうちにもっといいものをという欲が出てきます。あたかもその場所に行ったかのように、各地のちょっとしたお土産を手元に置き、それを楽しみながら観光しよう!ということに。京都は食べる宝石"琥珀糖"。鎌倉はおみやげ検索すると大概上位にくる"クルミっ子"というお菓子。長野はツアー前に秘密のケンミンショーで取り上げられた"おやき"。さて、青森は何にしよう・・・。甘い物、和食なので、ここは特産"ごぼう茶"でいこう!ということに。

画像1

画像2

 各観光地では、それぞれは工夫を凝らし、ご当地クイズなどを交えて楽しくガイドしてくれました。かなり楽しめたと思います。

 オンラインツアーのあとは2つのグループに分かれて、ツアーに関わる話や趣味・将来の夢などをして、アメリカ人との交流を楽しみました。

 オンラインツアーは小さなチャレンジではありますが、大きな収穫があったような気がします。


 以下ツアーに参加した高校生のコメントです!

 とても楽しい時間を過ごすことができました!ありがとうございました。
 私は地元である長野のツアーをさせていただきました。長野の観光地で有名な善光寺、地獄谷温泉、上田城を案内しました。
善光寺の仲店で食べられるいろは堂のおやきを実際に食べてもらい、長野に来た気分を味わってもらえたと思います!
 他の県についてのツアーもとても楽しかったです。食べるのが大好きな私は全国のお土産を食べることができて嬉しかったです。
 コロナ禍で自分の大好きな長野は観光客が減っています。なので今回、自分の地元を県外の方、外国人に伝えることができて、さらに地元が好きになりました。
 良い機会をいただきありがとうございました!
高校2年 K.H.


 とても楽しく過ごさせていただきました。
 私は、箱根と鎌倉を案内しました。Google Earthを使うことで旅をしている臨場感を味わってもらいました。箱根も鎌倉も外国の方にぜひ訪れて欲しいと思っていた観光地だったので、PRできてとても嬉しかったです。留学先でも日本の観光地を紹介していきたいです。
 他の県のツアーも楽しく参加させていただきました。特にごぼう茶やおやきは飲んだことや食べたことがなかったので、とても新鮮でした。機会があれば、今回オンラインツアーで訪れた場所に実際に行ってみたいなと思いました。
 ツアー後の交流会も盛り上がって、とても楽しかったです。趣味の話から少しシリアスな話までたくさん話をすることができました。
 今回はありがとうございました。
高校2年 M.T.


 今回のプロジェクトをやると決めた段階では、何を紹介したら参加者に興味を持ってもらえるんだろうとか、どんな感じのスタイルで話を進めていけばいいんだろうとか、手探り状態でスライドを作り始めました。でも、スライド・原稿作りを進めていくにつれ、段取りがつかめて完成させることができました。
 案内をしているときは、内容がちゃんと伝わっているかなとかいろいろと考えながらでとても緊張しましたが、みんなが反応してくれて安心しました。反省点もいくつかありましたが無事終了することができました。
 アメリカ人とフリートークをした時は、自分の英語力の無さをすごく感じたので、もっと英語を勉強をして将来多くの外国人とコミュニケーションを取れるようにしたいです。今回のプロジェクトはとても楽しめたので参加して良かったです。ありがとうございました。
高校3年 R.S.


観光案内京都担当
京都人の特徴・清水寺・伏見稲荷神社・スイーツ紹介。

 このイベントに参加して本当に良かった。正直に言うと、自分の周りに自分より英語を話せる友達が少ないので、今の状況に少し甘えていたかもしれない。しかし、他の観光案内を聞いて、自分より年下の子がスラスラ英語を話し、内容も素晴らしかったことが自分はまだまだだと痛感させられた。それが自分を高めるモチベーションとなった。
 幸いにも今回参加したアメリカ人の方とはスムーズに会話することができたが、それは自分の興味のあることだったからだと思う。しかし、それだけではなくもっと多くの話題について話してみたいと思った。これから大学受験に向けてALTとの個人レッスンが始まる。ALTとは今回以上に難しい話題ついても話せるよう語彙を増やしたり、新聞を読もうと思う。
 今回のプロジェクトは本当に実りのあるものだった。今後もこのような機会があれば是非挑戦してみたい。
 協力して下さった全ての方々に心からの感謝と敬意を伝えたい。

Thank you so much!!
高校3年 R.S.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?