【コラム】まちの外に出るからこそ、見えてくるものがある。【みさすてβ#3】
こんにちは。宮城県美里町の地域おこし協力隊がお送りする『みさと新報』です。
今回も協力隊が独自の視点で文章をつづるコラム「みさすてβ」をお届けしていきます。
積極的に町を飛び出した6月。
先月、僕は宮城県内の市町村へ足を運んできました。その理由は、移住・定住促進事業やコワーキングスペース施設など、これから自分が目指したい活動を視察するため。加美町や川崎町、白石市、そして宮城の南西部に位置する七ヶ宿町などにも車を走らせ、各地の担当者に会ってきました。
実際に行ってみると、まずそれぞれが美里の“遥か先”を進んでいるなあ、という印象を受けました。移住・定住促進事業やコワーキングスペースの運営、あるいは空き家事業の話なんかも聞きましたが、確実に実績とノウハウが溜まっているんです。
まあやっていれば「そりゃあそう」なんですけれども、美里の者としては取り組んでいること自体に価値を感じざるを得ませんでした。もちろん各市町村が同じ道を走るわけではありませんし、各地の特徴や考え方に沿って事業は行われるべきですが、しっかりとした活動があること自体、素晴らしいことだと感じています。
生き方を見直す有意義な時間。
また、今後の自分の活動ひいては生き方における参考にもなりました。これから自分が取り組みたい事業、そのために担うべき協力隊としての役割、卒隊後の行政との距離感。今回僕が足を運んだ各地の担当者は、協力隊、行政職員、民間とあらゆる肩書きだったこともあり、また当然それぞれ人としての考え方の違いもあり、さまざまな特徴を感じながら話を聞けました。
中でも印象的だったのは、七ヶ宿町の方の話。将来についてぐるぐると悩んでいるような僕を見て、「あなたがエキサイティングだと思う方を選べばいいんじゃないの」「協力隊という生き方を選択したときも、きっとそうだったでしょ」と言ってもらえたのです。ハッとしました。もちろん周りが求めることに応えるのも大事ですが、シンプルに自分がどうしたいのか、どうありたいのか、そういった軸の優先順位を上げてもいいのかなと思えました。
外に出るから見えてくるもの。
そして今回の視察を通して、美里の外に出て活動することの大切さも改めて実感しました。どうしても自分の地域にばかり閉じこもっていると、イメージやアイデアの広がりを欠いてしまいます。すると次第に悶々とした時間が流れていき、結局なにも生み出せていない状況になってしまう、なんてことにも繋がりかねません。少なくとも、僕はこれまで経験してきました。
ひょっとしたら地域には、「キミは美里のために働くんじゃないのか」「町外で活動するとはナニゴトだ」という意見を持つ方もいるかもしれません。もちろんその気持ちも、お察しします。ただ、美里の外へ出ることで、地元と距離を取ることで見えてくることは、必ずあります。他の地域を見るからこそ、自分の地域を客観的あるいは多角的に捉えられるようになるのです。
僕はその感覚を信じて、今後も積極的に町外へと足を運び、地域の活動事例やさまざまな人との出会いを重ねていきたいと思っています。
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