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1人で過ごす、28歳の誕生日。

今、栃木の日光から東京の表参道に帰る電車の中にいる。
28歳 2日目の朝だ。


昨日むかえた誕生日は、1人旅をして過ごした。
終日1人で過ごす誕生日は、人生ではじめてだった気がする。

人が好きで、独りは苦手。そんな私が、誕生日という、特に人と居たい日にあえて1人で過ごす選択をしたのは、なにか大きな理由や強い意志があったわけではない。ただ直感的に、1人旅をしたくなっただけ。きっと、沢山の人と向き合う濃密な日々の中、他の誰でもなく、自分と真剣に向き合いたかったんだと思う。


旅先は、栃木県日光市。これも直感的に選んだ。数年前から、「日光」というワードが耳に入っては残っていた。普段から目的や意味を熟考して過ごす自分にとっては少し新鮮で、軽やかな出発だった。

とはいえ日光の名所については事前にしっかり知識を入れ、特に惹かれた3箇所に絞って、向かった。


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日光東照宮。この立派な門は、あえて1本の柱だけ他のデザインと統一せず反転させている。
それは、「完璧だと魔が差す。完成は破壊の始まり。
ずっとここにありつづけられるように、未完成のままにした」
らしい。
この考えが心に刺さり、痺れた。「人生も人間関係も同じかもしれない」と。


縁結びで有名な二荒山神社。
1つの根を張る2つの杉。恋人杉と呼ばれている。
とにかくまっすぐで、長く平行に伸びていた。


中禅寺湖のほとりのカフェと、数年前に完読した「愛するということ」。
今、再読する必要がある気がして、リュックに忍ばせていた。
雄大な湖を眺め、夕日に照らされ、読書した時間が優雅だった。


1人の旅は、常にワクワクしていた。全て自分で意思決定をするしかない。その先に想像していた以上の体験があって、「やばい、楽しすぎ…(笑)」と1人、マスクの下で何度ニヤついただろう。

シンプルに旅自体を楽しみすぎて、自分と真剣に向き合うことができてない、と夕方頃に不満足を感じ、「このままでは帰れない」と急遽、宿を予約した。

露天風呂つきの、素敵な角部屋。自分だけの天然温泉につかり、栃木限定のジュースを片手に、大好きなドラマ「モダン・ラブ」を観る。贅沢を許した自分の心は、喜んでいた。気付けば、夢の中に…。

翌朝、早めに起床し、ようやく、内省の環境を整える。

まずは露天風呂で、朝日を浴びながらスマホを手に取る。カメラロールと日記を見返しながら、27歳1日1日の記憶を旅する。そこは、大切なお客様、家族、友達、仲間、愛する人の存在でうめつくされていた。

そして部屋に戻り、心地の良い香りと音楽を空気に流す。お気に入りのノートとペンを手に取り、1人旅を終える今の気持ちを書きつづる。そして、これから始まる28歳の1年でやりたい事と、29歳になる1年後の自分へのお手紙も書いてみた。

それはもう…、ただひたすらに心地よくて、愛おしい時間だった。


1時間半後、ノートを両手で閉じ、宿を後にした。幸せな1人旅の、幕が下りる。


1人で過ごす誕生日。

それは心に、寂しさではなく豊かさを招いた。「1人」と「独り」を履き違えてはいけない。大切な人との愛が、確かに、ここにあった。

1人で過ごす誕生日。

それは、大きな変化の機会ではなく、ずっと心にあった、大切なものをそっとすくい上げる、優しい時間だった。


そして、「幸せ者だね。生まれてこれてよかったね。27年間頑張ってきたね。これからも成長していこうね」って、自分で自分を愛せたこと、祝えた時間が、かけがえのない誕生日プレゼントだった。





ここからは、この朝、お気に入りのノートに書きつづった言葉を抜粋し公開する。なぜなら、「28歳の1年でやりたいことリスト」に「自分の思考を発信する」と書いたから。早速実行してみる。


私は人生が好きだ。
人生は一度きりという価値観を持っている。人として生まれてきたこの一度きりの人生を宝だと思っているし、この宝をより輝かせられるように、磨き続けたいと願っている。喜びや幸せ、笑顔、そんなものを増やしていきたいし、そのために日々生きていると言っても過言ではない。
一方、物事は表裏一体で、悲しみや悩み、涙があってこそ、人は喜びを感じられる、幸せに気付ける、笑顔が素敵だと思える。全てがあって、命は、人生は輝く。
私は愛が好きだ。
一瞬一瞬、誰かや何かを愛していたい。愛するために生きるし、生きるために愛する。ただ、愛も表裏一体。愛するということは、同時に傷つけ合うこと。愛することは、悲しむ可能性があること。うまくいかないこともある。でも、それでも愛そう。
そもそも人生は、1人でも悲しみを感じる。悲しみは避けられないもの。
ならば、人を愛して悲しみに浸るのもまた、人生の醍醐味。


むすびに

27歳のハイライトは間違いなく、(株)CRAZYへの入社。そして、思い出すのは入社に伴うカルチャー、ライフプレゼン。全社員の前で人生をプレゼンしたあの日。自分の口から出た魂の声を、ここに残しておきたい。

人はみんな、心に愛をもっている。

私にはある、内側に光り輝く宝石がある。
それは、母と父から27年かけて注いでもらった、かけがえのない宝物。
だから私にはできる。

私から、愛することを始める。
私から、信じることを始める。

仲間を愛し、信じ、共に本気で泣いて、本気で笑って、本気で悩んで、本気で生きる。愛し合う世界をここから広げていく。


この意志はこれからいくつ歳を重ねても、心の奥深くで私を支えてくれる。

さぁ、どんな28歳になるかな。
大切な1年、大切な時間、大切なこの命。全ての輝きを、磨こう。愛そう。

「こんな景色を見たかった」と泣けるシゴトをしよう。瞳の裏に焼き付く景色を沢山残そう。夢を描きながら、心躍る人生を、今日もまた始めよう。


2022.10.28 28歳2日目のわたし


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