【信濃素晴移住の記】さて、マイホームを建てるにあたって。編

移住してちょうど一年が経つ頃に、娘が産まれた。
トウキョウシックにはまあ暫く苦しめられたのだが、妊娠が分かり、人間がどうやら自分の腹から産まれることになったらしいと言うびっくりアクションが起こったために、シックを感じている暇がなくなったのは幸いだった。

更に妊娠が分かってから、夫がウエディングプランナーを辞めた。その彼の選択は、私にとっては英断に尽きるものであったが、彼にとっては苦渋のものでもあったと思う。
人生をかけた専門職を「家族との生活のために」手放すと言うこと。そもそも軽井沢付近に移住した理由の主軸部分でもあったろうに。(他にも諸々ありはしたのだが)私が男だったらその決断が出来たかどうかって、正直分からないな。
ただ、平日休みに加えて第四土日は休みになったし、盆と正月はびっくりするくらい長い休暇を頂くことができるようになった。また彼は彼で、溢れ落つるほどの愛を注ぐ娘との時間に満足しているのだろうし、私の情緒は間違いなく安定した。

人間の女の子がひとり産まれてから、また一年。
産まれてきたものの、これまたかなり暴れる系女子。もはや人間というより若干ゴリラ寄り?月齢を重ねるたび湧き出るように家の手狭さを感じるし、それに併せて養育や遊び場などなど、これから先に選んでいかなくはならないことが次々に降りかかって来る。

住まう場所に自由度を追求し、生涯賃貸、老後南フランスという選択肢も勿論ありはしたが、我が家は「帰る場所が自分の作ったお家でありたい」派の人たちだったので、信州永住に掛けるものとして、マイホームを掲げた。

さて、マイホームを一から立ち上げるに当たってまず設定したのが、コンセプト。これ、定めておいて本当良かったなと思うのだが、はじめにイメージを確立しておくことで、とにかくブレない。いろとりどりの選択肢に目が眩み、脱線しそうになる瞬間が明確に分かる。だもんで軌道修正が早期段階で敵うのだ。

私たちが設定したのが「四季を楽しむアトリエ的おうち」というコンセプト。つっても別に私ら絵描きさんでも、作品作ってるわけでもないんですが、夫婦揃って雑貨が(ちょっとイカれてるくらい)好きで。マルシェ、ワークショップ、クラフトフェアを見つけては参加するのが楽しみで。そこで収集した雑貨をきちんと活かしてあげて、四季を楽しむことができるお家にしたいね。というかんじ。

しかしながら、我らはさみしきIターン族。土地を譲ってくれる親族もいなければ、知人もいません。それじゃあ土地から探し始めましょうか、となったのが2019年の4月。この時点ではまだ、軽井沢町か御代田町の二択のまま。何故この二択に至ったのかという点については単純で、軽井沢のオシャレリゾート感への憧れと、御代田特有の”ちょうどよさ”の魅力の狭間にいたからだ。なので、どちらの町を選ぶかというところは、行き当たる土地に導いてもらおうという結論に。

土地探しは、ご存知タウナー不動産の長岡さんと、信州佐久平不動産の宮城さんのお二方に頼ることにした。
タウナーさんの方は言わずもがな移住ビジネスにも参画していらっしゃるということで、移住者の視野を理解して下さるだろうという希望的観測。
信州佐久平不動産の宮城さんに関しては、いくつかの不動産やさんから「あいつはすごい」みたいな感じで何やら太鼓判押されたもんで、直接アポを取ってみたのだ。ご本人も御代田への移住者でいらして、ベテラン父ちゃん。冷静沈着なテンションを敢えて配慮せずに話しかけてみるとめちゃくちゃ面白いタイプの方だった。

いざ、土地探し。
私らが重視したのは、"景観"、"価格"、"静かさ"。こんなかんじ。
なので、そもそも整備された分譲地を買う選択肢は無く、別荘地定住という形を望んだ。ただそうなってくると、私たちの予算感では、学校や駅までの距離感といった面での利便性はある程度、諦めなくてはならなかった。

ただ西軽井沢の山の上に暮らしてみて、子供たちが元気に歩いて帰って来てるの見てるし(最初マジでびびったけど)私が自由業に近しいもんで、送り迎えを徹底すればやれないこともないかなと。
歳とったあとの買い物なんかも、多分私たちが高齢者になるくらいの時代って、生活物資を簡単に買うことが出来ない場所なんて日本のどこにも無いはずだし、あっちゃいけなくない?とか思って。その辺はあんまり深刻に捉えなかった。

土地は、とにかく現地に行かないとお話にならないと思う。私は実父が土地家屋関係の先生とされる人であり、土地の表情が季節や時間帯によって全く異なることを幼い頃から知っていた。なのである程度目当ての土地が定まった時点で、朝・昼・晩とそれから、”一日の中で一番好きな時間”に土地を観に行った。私は西陽が射し込む夏の午後5:00ごろが一番好きなので、その時間に土地の中に立ち、射し込み方まで丁寧に確認。でもこれが結構重要だった!
後々家作りしていく中でも、自分が確認した日の入り方の光景は何度も何度も思い浮かべたし、土地を選んでいる時期からの生活イメージはかなりの重要材料になる。

お家づくりって、結局現物がないままに進むから全てイメージの上。なのでイメージをつなぎ合わせる材料はより多い方がいい。

そんな理想や条件の中で、自ずと町選びは定まってくるかな…と思ったものの、目当ての物件は上手いこと、軽井沢に一件。御代田に一件。

さてさて、やはり町選びになってしまいますか。
と言うところで、次回にぶん投げる!


次回: 【信濃素晴移住の記】やっぱ御代田かな!編

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