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高校生時代のお話(2)

 今回は私の人生を大きく変えることになる教育事業との出会いについて。


  実はこれ、高校生からでなく、小学生からも繋がりのある話なのですが、高校生まで長く続くお話なので高校生編で書かせていただきます。

 私は小学6年生の時から、毎年冬、クリスマス付近で行われるキャンプに参加することになりました。始まりは姉がこのキャンプに参加したことで、私もやりたい!と応募することに。そこには、小学5年生から高校生まで幅広い年齢層の子供たちが参加者となり、大学生ボランティアの方々、職員さんなどと約1週間かけて山を登るというキャンプでした。

 このキャンプは教育事業というもので、青少年の育成を目的としたものです。

 知らない人達と一つの目標へ向かって支え合いながら苦楽を共に過ごすというのは、子供にとってとても大きな経験になりますね。

 このキャンプは、小学校6年間同じクラスで過ごして、少し浮いていた私はとても良い居場所になりました。

 それから私は毎年そのキャンプに参加し、高校1年生までそれは続きました。そこで出来た友達はいまだに仲が続いています。

 学校とは違う仲間、たくさんのボランティア、職員さん、講師の方、この出会いは私の視野を広げてくれました。学校で辛いことがあってもここに来れば違う自分になれたような気さえしたのです。

 高校2年生になって、教育事業の制度が変わり、今まではボランティアの立場になれるのは大学生や専門学生以上の年齢層だったのが、高校生からできるようになりました。キャンプの仲のいい方々から「来年はボランティアとしておいで」と言われ、私は支えられる側から支える側へと立場を変えました。

 それから、そこでボランティアとしてキャンプに参加していくため、養成研修を受けました。その施設では、私が参加していた登山キャンプの他、海のキャンプや、小学校低学年向けのキャンプ、イベントなどたくさんの事業が行われていました。

 何百人という子どもたち、ボランティア、スタッフの方々、たくさんの人とコミュニケーションをとるうちに、次第に自分の性格は変わっていきました。

 学校では浮いていたと書いていたのですが、私はとても引っ込み思案な子どもでした。団地に住んでいたこともあり、周りはお兄さんお姉さんばかり。特に自分の姉の後ろにいつもひっついていました。

 しかし、たくさんの人と関わる事でコミュニケーションスキルはあがり、人見知りを克服することができました。そしてコミュニケーションの上手な人を見て良いところを真似することで、人と話す事も好きになっていきました。

 支える側へと立場を変えた時、私はこんな風に子どもたちと関われるだろうか、うまくやれるだろうか、と不安はありましたが、子供たちは無邪気に懐いてくれて、私の名前をたくさん呼んでくれました。

 「名前を呼ぶ」というのはすごく大切なことだと、ボランティアの中で教えていただいたことがあります。名前を呼ばれると嬉しいですよね、自分の事を認められたように思うのです。ただ「おはよう」と言うよりも「◯◯さん、おはよう」と言った方がいいし、「ありがとう」と言うよりも「◯◯さん、ありがとう」と言われたほうが嬉しくなる。

 そうやってたくさんの人と関わってたくさんの経験を積み、自信をつけていきました。人生の中で初めて、変われた、と思いました。

 それはきっと、安心する居場所が出来たことによって、チャレンジする勇気が出たからこそ変われたのだと思います。そこで出会った仲間たち、お世話になった方々のおかげですね。


大学生になってからもこのボランティアは続けていたのですが、施設を変えてボランティアをする事になったので、またそれは大学生編でお話しすることにします。

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