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京都暮らし、新緑を巡る朝活│鴨川、下鴨神社、京都府立植物園

昨日は6月のスタートにふさわしい、晴天の日だった。暑いけれど、朝はまだひんやりとした冷たい空気を感じられる。紅葉の名所が多い京都は、いままさに新緑の美しさが際立つ。あふれんばかりの緑を追いかけながら、京都の街を歩いた朝活の記録です。

朝の空気を纏う、鴨川にて

丸太町橋から見た、朝の鴨川。

大好きな大好きな、朝の時間の鴨川。ゆっくりと太陽が昇り、だんだんと景色は明るくなっていく。散歩やランニングをする人たちが行き交い、静かだけど確実に人の暮らしに根付く何かを感じられる時間。日差しにあたると少し暑いくらいだったので、東側の影の多い方を歩いて、北へ北へ。たまにベンチに寝転がっているおじちゃんを見ると、こうやって自由に何も気にせずに生きられるんだよなぁという当たり前のことを気づかせてくれる。

人の少ない下鴨神社は、最高です

緑に覆われた先に現れる朱色の鳥居。

下鴨神社は、人が少ない朝の時間帯に訪れるのが本当に最高だと思う。昼のにぎやかな雰囲気もいいのだけど、それよりもやっぱり、この静かでスッと背筋が伸びる感覚の空気。これは朝だからこそ感じられる空気だ。

まだじゅうぶんに日差しが入り込まない糺の森は、しっとりとした雰囲気がある。その中を一歩、また一歩と進んでいくうちに、日常のモヤモヤや不安がひとつずつ取り除かれ洗われていくような感覚。本殿に足を運ぶ頃にはもう、モヤモヤがすっかり晴れて、気持ちが前を向いていられるような。お願い事なんかしなくたって、この空気を感じながら歩いているだけで、ちゃんと心が洗われている。だから私は神社やお寺が好きなんだろうな。

新緑の季節は、覆いかぶさるほどの緑が視界に入るけれど、そこから漏れる影の美しさを見逃してはいけない。ひとつのただの景色の中に、無数の光が入り込む。この揺らめく影の美しさを感じたいから、私はやっぱり晴れの日に街を歩きたい。

京都府立植物園、深い緑の世界へ

今年はちょうど開園100周年のよう。

さて、下鴨神社から20分ほど歩けば、京都府立植物園にたどり着く。入園料が200円と安いので時々ふらっと立ち寄るのだけど、いつ来ても季節の花や植物が咲いていて、気持ちが朗らかになる。たった200円で幸せは得られるのだ。

普段の生活で、この花はいつ頃に咲いて、いつが見頃か、とひとつひとつの植物に対して意識することは少ない。だから植物園に行ってみると、いかに身の回りにさりげない美しさが転がっているのか、ということについて考えたくなる。

紫陽花も気づけば見頃を迎えている。

広大な敷地を地図を見るわけでもなくぐるぐると歩いていると、深い森のような道があった。ゆっくりと進んで飛び込んできたのは、あふれんばかりの緑の世界。池の水面に反射して下にも緑がうつる。

ここまでの緑の世界、童謡や映画でしか見られないのではないか、と思うほどに引き込まれる場所だった。狙って行きついたわけではないのにこんな世界に迷い込める、なんてラッキーなんだとひとりで呟く。

なんだか、私が少しでも動くだけで、ちゃんとこんな世界が用意されているんだな、という気持ちになる。動かなければ見られないし、感情が生み出されるわけではない。その中で、自分の足で歩いて、美しいと思える世界に出会えること。この偶然性を幸せだと認識できる人でいつまでもありたいなぁ、と。

緑の世界を美しいと、木漏れ日に目を細めて幸せだと、揺らめく葉の影を追いかけて嬉しいと、感じている自分をちゃんと味わえる余裕を持つこと。自分の感性を信じぬくこと。そんなことを大切だと信じて、日々を暮らせていけたら。



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