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【ドイツ留学#24】ドイツと日本の研究環境の違い【行き過ぎた完璧主義の弊害】

ドイツで研究に勤しんでいるYuriと申します。

今回はドイツと日本での研究環境の違いについて感じたことを書いていこうかなと思います。

ドイツも世界的に見て教育レベルが高いとは思いますが、日本も全然負けてないじゃん、とは思います。ただ、改善点も多くあるとは思います。



日本のつめこみ教育は悪ではないと感じた

日本ではお受験戦争と揶揄されるように、かなり詰め込み教育なのでしょう。
私もいろんな教科をかなり根詰めて勉強しました。(頭がよくない・・そして若い頃は要領のいい勉強をしていなかった)
でもその基礎があってこそなのかも、と海外の研究者と話ながら思ったことがあります。
海外の学生も優秀だし、所属している機関は世界的に見てかなりハイレベルだとは思いますが、その中でも、私(日本人)は、パッと知っていることをすぐ自分の膨大な知識の引き出しの中から出せていると感じました。

研究においてもちろん応用をすることが大事、新規性を見出すことが大事ですが、基礎を知らないと応用もできないと思います。

無駄な仕事が多いかもしれない・・けど外国人から見たら違う?

日本の研究環境では、かなりギチギチにミーティングがあります
報告書作成とか、その文章推敲とか、プレゼン練習にかなり時間かけまくり、しかもそのプレゼン練習に何十人の学生が付き合って自分のことをしないで研究を進めないで仕事をした気になっている。。
など、日本での研究の行い方に辟易していました。
そしてそれに私が疑問を呈しても誰もそれを変えようとも思わない。外のルールも知らないからいいも悪いも知らなすぎる。完全なガラパゴス。行き過ぎた息の詰まるような完璧主義

このことを外国人研究者に言ったら、
「このラボではミーティングも全然ないし、自分でアイデア出さなきゃいけないから、日本でのあなたの研究環境うらやましいよ」
と言われました。これにはびっくりしました、そんな視点があるのか。

まあでもさすがに日本の無駄な仕事が多すぎるのは嫌気がさしていました。
ある程度自分で考えるということをさせる、考える時間を与えるということをしないとクリエイティブな仕事なんてできないと思います。

先ほど挙げたように勉強で基礎を形成したあとは、もうちょっと学生に時間を与えて学生同士で勝手にディスカッションさせて、なにか話したいことがあったら、助教なり教授なりのところに赴けばいいと思います。

日本の研究環境における拘束時間が異常

外国人も言っていたことですが
「アジア人ってなんであんなに仕事中に寝るんだ?」
ということです。
「ドイツであれをやったら解雇だよ」
と言われました。世界的に見ても異常らしいです。

日本の環境においてもみんな疲れ切っていて7,8割は自分のデスクで突っ伏しています
(これも環境によるとは思いますが)

まあでも・・私も日本にいたときは疲れ切っていて学校にいてもパフォーマンスもよくないのに拘束時間だけは長く、とりあえず学校には居て仕事した気になっていました。しんどすぎて途中で仮眠するために帰宅したりしていました。(効率最悪)
正直ドイツにいるときのほうが生産性が高いです。
無駄な仕事がなさすぎて自分のやりたいことに集中できるのがすばらしいです。

感想

日本の詰め込み教育のおかげで自分の礎が成されているのは感じるけど・・それにしても日本では無駄な仕事、やった気になれるだけの謎仕事が多すぎると感じます。
多すぎる会議、プレゼン発表、謎の集まり、無意味な話し合い、細部への異常な完璧主義。
これが行き過ぎると大局観が失われそう。(どうやって論文にするか、形にするか、完成させるか、新しいアイデアの創出)

何度も言いますが環境にもよるところがあるとは思いますが。
ただ、外国人は意外とアジア人の研究を高く評価してなくて、彼らから見ると無駄が多い研究もあるとのことをドイツの助教が私と話しているときに言っていました。日本人の一人としてけっこう悲しくなりました。

これからも自分のできることでがんばるしかないけど・・すべてを環境のせいにはしたくないけど・・さすがにこの違いを知ったら環境の与える影響の大きさを感じざるをえません。

これはドイツ、日本、と単純に二つに分けるわけではないが・・
やっぱりいい研究を出している環境、すばらしい人材を輩出している環境には必ず理由がある。そう感じました・・。

でもあまりに閉鎖的で流動性が低くガラパゴス(特に日本)だとちょっと視野が狭くなりよくない特異性を醸成してしまうときもあるんじゃないか?と思いました。

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