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おかしぞうし(お菓子草子)

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忘れられないお菓子にまつわる思い出をまとめたエッセイです。
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#お菓子

プリンと、卵と、おつかいと。

プリンと、卵と、おつかいと。

コロナウィルスのワクチン接種2回目が終わった。

聞き及んでいたとおり、2回目後の副反応はそれなりに辛いもので発熱が続き食事も喉を通らない。それでもまだ私はましなほうで、妻は3日会社を休み、その後もどことなく元気がない。副反応の症状は女性が強く出るらしく、抵抗力が弱ったせいか膀胱炎にまでなってしまった。

食欲の戻らない彼女が食べれるものはと何かと考えて、初めてプリンを作ってみた。クックパッドのレ

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南京糖と、老いのゆくえと。

南京糖と、老いのゆくえと。

「墓参りをしよう」と思い立つことがやけに増えた。無数に立ち並ぶ墓石や卒塔婆を見ていると、不思議と心が穏やかになる。若い頃は怖くて、不吉で、陰気で、親戚の法事でもなければ行くことのない場所だったが、最近はとりつかれたように墓所に親近感を感じてしまう。さすがにまだ「お迎え」という年齢ではないが、それなりに、歳をとったということだろうか。

母方の墓所は麻布山善福寺にある。平安時代に弘法大師によって開山

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横濱 ハーバーと、縁(えにし)と。

横濱 ハーバーと、縁(えにし)と。

突然の雨に、急いで愛犬を抱っこして家に戻った。身体を拭きながら、妻が「おじさん 大丈夫かな」とつぶやいた。

おじさんとは、このマンションに越してきてから言葉を交わすようになった初老の男性のことだ。数年前に卒中で倒れられて身体が不自由になり、歩行器なしでは満足に歩くことができないが、時には介助のヘルパーさんと、時にはおひとりでマンション前の公園で歩行訓練をしている。

きっかけは忘れてしまったが愛

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苺のショートケーキと、凡庸と。

苺のショートケーキと、凡庸と。

ショートケーキが苦手だ。けれどもこれまでもっとも多く食べてきたのは間違いなく苺のショートケーキだ。

色とりどりのケーキが並ぶ店のショーウィンドウの前で、私はどうしていいかわからず、いつも立ち尽くしてしまう。
「食べたいケーキはこれ!」とすぐに決めることができない。あたふたとしている間に他の客が私の後ろにつく。さっきまで楽しかったケーキ選びが瞬く間に苦痛を伴う時間に変わる。早くこの場から逃げ出した

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