「韓国ドラマ=恋愛」の呪縛を解きたい〜変換されるタイトル
「韓国ドラマ=恋愛の呪縛を解きたい〜デザインから受ける印象」
の記事にたくさんの反響をいただき、ありがとうございます!^^
▼前回の記事はこちら
今日は、こちらの記事に関連して、
「邦題で意味が180度違ってしまった作品」
をご紹介します。
「恋愛」を過度に強調するタイトル
作品のポスターだけでなく、邦題も恋愛のイメージが強いものに変換されることもしばしば。
その中には、全く原型を留めていないものも。
わたしも、知らなかったらきっとスルーしたであろう作品がたくさんあります。
■麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜
まず、こちら、是枝監督作品「ベイビーブローカー」にも出演しているイ・ジウン(IU)とイ・ジュンギのW主演作。
「麗〜花萌ゆる8人の皇子たち」
はい、きました。
これぞラブコメ!と言わんばかりのタイトルとポスター。
「麗」「花萌ゆる」「皇子」
ピンクのキラキラと微笑むイケメンたち。
もはや、これがラブコメでなかったらなんなのか。
時代もの×ラブコメは一番わたしの興味とかけ離れてるジャンルだし、みなくていっか……
と思っていたのですが、実際見てみると、なんか思ってたんと違う……!!
前半は確かにイケパラ(イケメンパラダイス)のような、胸キュンシーンもあります。
が、
ストーリーの根幹は、自由に生きることを願いながらも宮中の権力争いに翻弄される皇子たちの人生の物語。
「花萌ゆる〜」のタイトルとポスターから受けるイメージとは全く異なります。
韓国のタイトルは、"달의 연인 - 보보경심 려"
日本語に翻訳すると、
「月の恋人 - 歩歩驚心:麗」
実は作品の大元は中国の小説で、「歩歩驚心」は、その小説のタイトルです。
中国でも小説を元にドラマが制作されており、中国版のドラマも日本含むアジアでヒットしたそうです。
宮中では今日の味方が明日の敵。
たとえ王になったとしても血みどろの争いから解放されることはなく、一緒に育った兄弟たちも信じることができず、孤独に生きていく……
そして、そんな激動の時代に現代からタイムスリップしてきた主人公の女性。彼女もまた、歴史を変えないために自分の気持ちを抑えてひっそりと生きていく……
そんな薄氷の上を歩くようなそれぞれの人生が描かれている、極めて切ない物語なのです。
韓国のタイトル「月の恋人 - 歩歩驚心:麗」も、オリジナルの「歩歩驚心」を残しています。
日本語のタイトル「麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」とはやっぱり受ける印象が違うように感じます。
しかも、今気がついたけど、韓国版のタイトル「月の恋人 - 歩歩驚心:麗」の一番最後についてる「麗」って、高麗のことでは…….!?
邦題のイメージで、「麗」=うるわしい皇子たちの発想しかなかった……^^;
そして、これもまた、韓国版のポスターがカッコいいのです。
緊迫感のある俳優たちの表情が、この作品を物語っています。
軽い気持ちで視聴できるイケメンとのロマンスを期待してみた方は、サッドエンドを残念に思うかもしれません……^^;
■元彼は天才詐欺師
次に、2016年に公開された「元彼は天才詐欺師」
オリジナルのタイトルは「38師機動隊」
税金徴収の公務員と詐欺師が手を組み、高額納税滞納者から税金を回収していく痛快物語です。
こちらの韓国版のポスターをご覧ください。
主演のマブリーことマ・ドンソク(左)と、ソ・イングク(右)。
ふたりのブラザーフッドが物語の見どころでもあります。
▼「38師機動隊」の韓国版予告動画(日本語字幕付き)
それが、日本版ではこう変換されます。
「38師機動隊」
→「元彼は天才詐欺師」
青×グレーの配色
→ピンク
そして、主演のマブリーは一体どこへ……T T
タイトルだけ見て敬遠していた方、タイトルから連想するようなラブコメではありませんので、ぜひ見てみてください!^^
追記
その他、オリジナルとイメージが違ってしまう作品はこちら。
ポスターと一緒で、タイトルも視聴意欲に関わります。
「タイトルが違ったらもっと早くみたのに…!」
と、いう方や、
「ラブコメを期待してみたのに違って面白くなかった」
という方もいるやもしれません。
なんでもかんでも「恋愛」で売り出せばより視聴率がとれる。売れる。
そういう時代は終わったんじゃないかな〜と感じる、今日この頃です。
ではでは、今日はこの辺で。
アンニョン^^
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