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同時並行世界の捉え方

ー357個目の世界から君へ。ー

 前提として、あの日を境に随分と違う世界へ来ました。
 随分と美しすぎるのです。毎日が少しづつ変わって、いつの間にか葉が色づいているかのように。今日、僕は今いる世界が色づいていることに気がつきました。

 357/291/239どれも明日には変わってしまう数字のようです。
 二つ前の世界の君は変化のあるものだと言っていました。でも、永遠のようにも感じます。不揃いな美しさです。

 僕はやっと気づきました。今いるのが、別の世界で元の世界とは随分違っていること。突然の『春』のようです。『桜』は灯油を売っている車の音でした。
 あの車とすれ違った時、僕は今いる世界に来てしまったようです。思えば、救急車が通り過ぎるあの瞬間、豆腐屋さんの車や、パトカーでも、すれ違うあの一瞬間だけ、音が変わる奇妙な時。乗ってる電車がトンネルに入って急に静かになったり、歌の途中でノイズが入ったり、空から音がして急いで見上げた時、あの瞬間にまた別の世界に来ているのだと、僕は今日気づいたのです。

 10:56の電車に乗りました。確か前の世界では、平日のこの時間は:54発。改札までの道にあるミスドの制服の色も黄色から青に。啓発本のコーナーには時代小説が。気づいたそのときから前までの世界と違う部分(違和感)にも敏感になりました。

 いつも僕はおかしいです。少し変わっています。基準がいつできたのかはわからないけど、やっぱり変わっているようです。
 でも、だからこそ、小さな違いに敏感でいたい。過去も未来も愛したいのです。それは、357個前の世界の君が「うん」って言ってくれたあのときからでいいんです。

 美しきことです。不揃いで、鮮やかで。

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