野上桜禅 NogamiOuzen

僕の見る世界のお話

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最近の記事

同時並行世界の捉え方

ー357個目の世界から君へ。ー  前提として、あの日を境に随分と違う世界へ来ました。  随分と美しすぎるのです。毎日が少しづつ変わって、いつの間にか葉が色づいているかのように。今日、僕は今いる世界が色づいていることに気がつきました。  357/291/239どれも明日には変わってしまう数字のようです。  二つ前の世界の君は変化のあるものだと言っていました。でも、永遠のようにも感じます。不揃いな美しさです。  僕はやっと気づきました。今いるのが、別の世界で元の世界とは随分

    • 男がロジカルに考えるのは、たぶん小便器のせい。

      論理的思考と立ち小便機(正しくは『器』)。変換機能も追いつかないほどの組み合わせを朝昼夕食の前後、お風呂に浸かりながら、電車の移動中に読んでみてほしい。 女性が左脳(感情的)に考えることが多いのに対して、男は右脳(論理的)に考えることが多いそうだ。それゆえお互いが話し合えば話し合うほど、溝が深まると言ったような、いわゆる『事故』が発生することも少なくない。 相手を責めてばかりいてはよくないし決めつけや善悪二元説のような、どちらかを悪だと捲し立てる行為も当然、禁物だ。 そうい

      • コントラスト 

        光のない世界に生まれた。遥か昔に光は消えた。光のない世界では、影もない。違いがない。みんな一緒なんだ。 光に憧れることもあった。それはみんなきっと同じだ。でも光になるのは恐い。誰かが光になるのも怖い。だから誰もならない。 「光を生んではいけない。同時に影も生まれるから。」そう言わんばかりの声に包まれて、ある意味守られて生きてきた。何も怖くなかった。 でもあの夢を見てしまってからは違った。そこには光があった。陰もあった。だから美しかった。陰になることに恐れて、影のままでいる今の

        • 窓の外と景色と昼と 

          ある冬の暖かい昼のこと、私はあの老人に会った。 その人は、改札を通って直ぐの正面にある窓の前に立ち、遠くを眺めていた。あの人の目では一体、なにが見えているのだろうか。陽の光が射しているせいで、黒く見える老人の姿を見て、私は思った。そればかりが気になった。 「何を見ているのですか。」そう聞いたのはほとんど無意識の内だった。 「君には何が見える。」窓の外を眺めながらその人は私に聞いた。 「何も見えないです。何も。」窓の外を見てみたが、眩しすぎて何も見えなかった。 「窓は色々な方向

        同時並行世界の捉え方

          兄弟姉妹 

          兄弟は何にも変えられない宝で、生涯一番何があっても、付き合う人なのだと思う。 自分と同じ血を持って、同じ人に育てられて、同じところで育って、こんなに長く一緒にいる。 この子たちがどんなに大きくなっても自分が長男。このくらいの位置から見ていられるような人になりたい。

          その一 

          ここに満月があります 人がいます たくさんいます 今日が終わります 明日はきます きっときます みんながいます だから生きます

          夕焼け 

          朝日が見えなかった今日を生きるのは、普段よりも綺麗な夕焼けに期待してるから。

          四季

          一年は365日。と聞くと長いように感じてしまうこともあります。なんて言ったて365日もあるのですから。 一ヶ月は約30日。これが12と聞くと長いような短いような。 一週間は7日。これが52。すると、不思議なことに短く感じてしまいます。 季節は4つあって、色々な分け方があるようですが、いずれの分け方でも3ヶ月で季節は変わるのです。 この間まで赤かった紅葉の木が、知らない間に枯れていたり、この前まで枯れているように見えた桜の木が花を咲かせていたり、私たちが留(と)まっていたくて

          オジサンとおじさんについて 

          最近はオジサンたちに虐められることが増えました。オジサンと言っても親戚の叔父さんではありません。街中に溢れ返ったあの、オジサンです。 意地悪な人があるのは、とうの昔に知っていましたが、こんなにも沢山居る事は最近になって知った事です。 虐められるにも、原因があると言いますが、オジサン自身が何か家庭の、または、世の中に対してのフラストレーションが溜まっていて僕を虐めるのか、僕自身の態度や見た目に問題があっての事なのか。こんなにも、僕を虐めるオジサンが増えてくると、後者の可能性を自

          オジサンとおじさんについて 

          ベンチ 

          「まあ、そう深い意味はない話だが、聞いてくれ。」そういうと男は、太く、静かな声で話しはじめた。 「40年位前に、高校2年の時のクラスの集まりがあった。」老人の昔話か、とも思ったが、全く興味がないわけでもないので、聞いてみることにした。 「その時はまだ、卒業して10年も経ってないのに、初めて見たような顔ばかりだったんだ。10年会わないと、こうも忘れてしまうものなのかって、少し悲しくもなった。」10年前だと私は7、8歳か。あまり覚えてないな、なんてよそでは思っていた。 「で

          月 

          「おはよう。お月様。今日はどんな日になりますか?」 少し間が空いて、そうしてお月様はにこっと笑った。 「それは、貴方次第なんじゃないかしら?」 そう言って、まだ暗い私たちの世界を、もう直ぐ太陽の昇る反対側の空から明るく灯(て)らし続けた。