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トレンドと個性と子供

最近、ベビー用品を見る機会が増えた。
大人になってから足を踏み入れることがなかった、おもちゃがたくさんあるお店。
時々行く洋服屋さんに置かれている、ベビー服や子供服。
意外と世の中には大人も子供も一緒にお買い物できるお店が多いんだと感じた。

おもちゃや洋服を見ていて気づいたことがある。
それは目に優しい色やシンプルなものが多いことだ。
たまに「これ、可愛いのか…?」と思うおもちゃもあるけれど。
洋服に関しては、たぶん遠くからでもすぐ気づけるようにという意味を込めてか、派手な色味の洋服もある。
それでも、全般的には落ち着いた色が多い印象だった。

自分が子供だった頃のおもちゃは、今でも実家に置いてある。
ほんの数十年前なのに、妙に古臭く感じるのは何故だろうと思った。
そして、ふと色が派手なことに気づいた。
もしかして、大人のトレンドに子供用品も左右されているのでは。
そんな仮説を立ててみた。
言われてみれば、近年のトレンドはくすみ系。メイクも洋服もどこかくすんだ色味が多い。
あとは、比較的お求めやすい価格の北欧家具が増えて、シンプルかつ馴染みのいいインテリアグッズが多くなった。
ミニマリストなんて言葉も流行ったぐらい、物を少なくしてなるべく落ち着いた部屋にしたいと思うのだろう。

これはあくまでわたしの想像範囲内だけど、考えてみると面白いなと思う。
子供用品は、もちろん子供が考えるわけではないから、結局大人の好みに左右される。
その大人が、トレンドの色味や生活様式になると、子供用品にもそれが反映される。
その結果、落ち着いた印象の洋服やおもちゃが増えるわけだ。

派手な色の洋服やおもちゃも、個人的にはなんだか懐かしい感じがして好みではある。
ただ、言われてみれば今の家のインテリアとすこぶる相性が悪い。
子供部屋があれば、その空間だけ派手派手にしてあげることも可能だけど。
そうなると、やはり選択肢は「インテリアに馴染むおもちゃ」に落ち着く。
洋服だって、たまには派手な色を着せておしゃれを楽しんでほしいなと思うけど、着回ししやすいのはいつだって無難な色味のアイテムだ。

近年は、トレンドはありつつもそれに縛られず個性を大事にする雰囲気がある。
たしかに流行りアイテムを所持していれば、世間に所属しているという感覚は生まれる。
もう何十年何百年と人々はそうやって生きてきた。処世術の要素もあると思う。
その流れが今変わろうとしている。空気がそう言っている。
自分で好みに合うものを選び取り、確信を持ってそのアイテムを所有する。
個性を尊重したそんな世の中で生まれる子供には、ほんの少しでもこだわりを持って、かつそれに自信をもって人生を歩んでほしい。
そのためには、自分もそうでありたいし、環境も整えてあげたい。
着々と進むお迎え準備の中で、ふとそう決意する。

miru

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