映画:『空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯』
茨木のり子の本「ハングルへの旅」で詩人・尹東柱(ユンドンジュ)に興味を持った。
詩を紹介する映像で映画のことを知った。
[繁中]尹東柱詩文影像版 Yun Dongju Poems - YouTube
空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画
DONJU JapaneseTitle Trailer web - YouTube
RakutenTVのレンタルで見た。440円だった。
https://tv.rakuten.co.jp/content/283574/
詩「懺悔録」を解読しているときにも思ったのだが、부끄럼(恥ずかしいこと)は、これほどまでに強い思いと後悔が込められた言葉になりえるのか、と思った。
詩を愛する青年が、植民地下、学校でも朝鮮語で教えることが禁じられるようになり、どうせ日本語で勉強するなら、と日本に留学。独立運動を進める従兄に巻き込まれるような形で逮捕され、獄死する。
映画で身に覚えのない罪状ひとつひとつに署名を迫られる場面がある。同じ福岡刑務所に収監されていた従兄が署名を迫られるシーンと重なっている。
従兄は「在日朝鮮人留学生を糾合し、思想的計画を広げ、俺がろくに何もできず恥ずかしい」と日本語でいい「成し遂げたかったのに」と朝鮮語で付け加える。日本語で罪状を読み上げながら朝鮮語で「これを成就できたらどれほどよかったか」と涙するのだ。
ドンジュも途中から朝鮮語で「あなたの話を聞くと本当に恥ずかしいから署名できない」という。「こんな世の中に生まれ詩を書くことを望み、詩人になりたいと願った。それがとても恥ずかしい。先頭に立てず影のようについて行くだけだった。恥ずかしくて署名できません」。
軽々しく부끄럽다(恥ずかしい)という言葉を使えなくなった。
創氏改名は言葉として知っていたが、学校で全員に申請書が配られ、日本留学には必須で、留学前に届を出す5日前に書いた詩「懺悔録」にも「恥ずかしい」が使われている。
ドンジュの詩は反日・抵抗、というよりは、暗い影も落ちているのだが、平易で抒情的なのだ。
詩の朗読も多く印象的だ。
詩を少しずつ自分なりに解読している。
その詩の朗読や歌の動画も集めているのだが、毎年、ドンジュの詩を元にした歌の音楽会があるようで、同じ詩がフォークやクラシック、ラップ、ジャズなど、いろいろな形で歌われているのに驚いた。若い人の作品も多い。
時代を超えて愛されているのだな。
映画は見たくもあり、見たくもなしだった。
植民地時代を扱う韓国映画は、日本人にとって、決して居心地がいいものではないからだ。
でもドンジュの詩に親しむにつれ、避けては通れないし、きちんと向き合いたいと思った。
こちらは映画の監督が語るユン・ドンジュ。
Ep2 「私たちが再びユン·ドンジュを読む理由」 映画監督シン·ヨンシク - YouTube
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