量子的重ね合わせ状態を1回で区別できるならば、その人はユニタリー性を破る存在である。
素朴な実在を扱う古典力学とは異なり、量子力学は実在概念をその中に持たない情報理論です。その理論の主役は、観測者が1回の試行で区別できる背反的な事象に対する確率分布です。「それらの事象は同時には起き得ず、背反的である」と観測者の意識が知覚認識する事象xとその集合Δに対して確率分布p(x)が導入されます。例えばサイコロの目が1であるならば、そのサイコロの目は同時に6にはなれません。このことを踏まえてΔ={1,2,3,4,5,6}として、サイコロの目x∈Δの出現確率をp(x)と数学