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野菜ごとの収穫のパターン (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。
栄養成長と生殖成長を考える時に難しいのは野菜ごとにパターンが異なるからです。夏野菜で最も多いのが花が次々と咲いて、成った果実をその都度々々、収穫していく「継続的に収穫するタイプ」です。対照的なのは残しておいた果実に養分を集中させて最後に一気に収穫する「まとめて収穫タイプ」の野菜です。また種が形成されるまで生殖成長が進んだ完熟果で取るのか、種が形成される前の未熟果で取るのかによっても違いが出てきます。
野菜の成長・収穫タイプは次の5つに分類されます。

①完熟果の継続的に収穫タイプ
次々と花が咲き 結実・肥大したら、その都度収穫するタイプです。そのうち 完熟果で収穫するタイプは生殖成長が進み、果実に種が形成されたところで収穫します。トマトや パプリカが 代表例です。植物は種を作る時に最もエネルギーを必要とします。そのため 完熟果実を長期間収穫することは株を強くして草勢を維持しながら追肥による適期の養分補給も大事になってきます。

②未熟果の継続的に収穫タイプ
同じ継続的に収穫するタイプですが、①との違いは種が形成されていない未熟果で収穫するという点です。ナス・ ピーマン・ きゅうりはすべてこのタイプです。 完熟果を取る野菜よりも相対的にエネルギーの必要量は低くなりますが、生殖成長に引っ張られると草勢が負けてしまう野菜がほとんどです。果実を本格的につけさせる前に 栄養成長を優先させて、まず体を大きくしてやらなければなりません。

③完熟果実のまとめて収穫するタイプ
かぼちゃ・メロン・スイカは完熟果を一気にまとめて収穫するタイプです。次々に花が咲いて結実するのは①や②と同じですが、放置すると果実の大きさがばらつき、養分をしっかり 蓄えられない。肥大させる果実以外の蕾や花は全て摘み取り養分をとことん集中させてやるのが重要です。植物体が作った養分のほとんど全てを収穫果に集中させるからこそ 甘みの乗った大きな果実になるのです。

④未熟果のまとめて収穫するタイプ
未熟果実のうちに、まとめて収穫するタイプもあります。トウモロコシは頂上にできる雄穂と、収穫果となる雌穂が形成される頃に、多くのエネルギーを使います。追肥や不要な 雌穂を滴果することで収穫果の肥大を手助けする必要があります。また枝豆は未熟な大豆を収穫する野菜です。 一斉に花を咲かせて 鞘が肥大していくので株ごと 一気に収穫するのが一般的となります。

⑤栄養成長のスタートダッシュ タイプ
これまでの4つのタイプとは異なり 栄養成長のみを進行させて収穫に至るタイプです。生育初期になるべく葉を展開させ、収穫期まで株に養分を貯めさせます。夏野菜では 里芋や サツマイモ、秋冬野菜では カブや 大根・人参 など 数多くが該当します。このタイプは なるべく早い時期に大きな葉を展開させることが成功の秘訣です。そのため スタートダッシュタイプと分類しています。


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