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葉にしっかりと働いてもらう!(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。
果実を肥大・成熟させるためのエネルギーは主に光合成によって生み出されます。主に植物の葉でに太陽の光エネルギーを使って二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から炭水化物であるブドウ糖(C6H12O6)を生産します。

また根から吸い上げた窒素(N)を使い、植物の体を構成するアミノ酸(R-CH(NH2)COOH)も合成します。光合成によって作られる有機物を一般に同化産物と呼びます。光合成によって作られた同化産物は茎や葉・根、花・果実など あらゆる器官に送られ、植物の成長に利用されます。
植物の器官はすべて自らの生長のために同化産物を引き寄せる力があります。つまり植物の体内では絶えず同化産物の引っ張り合いが行われているのです。
同化産物を引き寄せる力は器官ごとに強・弱があります。最も力が強いのは種が形成される頃の果実で、かぼちゃ、スイカでは 8~9割、トマトでも 6~7割の同化産物を果実に引き寄せてしまいます。また伸び盛りの 茎や葉や根の先も果実ほどではないですが引き寄せる力は強いです。


同化産物は茎や葉・根、花・果実などの器官で取り合いになりますが、葉で作られる同化産物には限りがりますので、取り合いの結果、足りなくなってしまうこともあります。足りなくなると果実の品質が落ちたり、生育に支障が生じたりします。
栄養成長と生殖成長は表裏の関係です。しっかり葉を確保し光合成環境を良くしてしっかりと光合成をさせ、同化産物をたくさん作らせるとともに、同化産物の量に見合う果実をつけさせることで、両者のバランスをとることが大事です。

(同化産物を作るところを「ソース」、同化産物を使用するところを「シンク」と呼んだりします。)

〇葉をしっかりと働かせる!
次に光合成を担う葉に注目してみましょう。野菜作りを子作りに例えると、伸び盛りの若い葉は「子供」です。若い葉は光合成も活発に行いますが葉の大きさも小さいため同化産物の生産量もそれほど多くなく、さらにつくった同化産物を自分の成長のために使ってしまいます。



しっかりと成長しきった葉は働き盛りの「成人」です。活発に光合成をおこない葉も大きいのでたくさんの同化産物を生産します。生長しきった葉は自らが大きくなる必要はないため同化産物の消費量は少なく、果実や若い葉の生長に自分が作った同化産物を供給してくれます。まさに「働き頭」ですね。多少、老化が進み葉の色が薄くなり出した葉も(初老)まだまだ自らが作った同化産物の余剰を他の器官に回してくれます。

畑で効果的に光合成をさせるためには、初老の葉の徹底活用です。若い葉や成人の葉より光合成量は減りますが、同化産物をまだまだ残してくれます。

むやみに葉を取ってしまわず、計画的に葉カキは行い、最後までしっかりと働いてもらいましょう!


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