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植物の手入れは「足す」・「引く」で考える (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。畑は実に多様な生き物を育んでいます。土壌動物や土壌微生物、昆虫、雑草、そして畑の主役となる 野菜です。
こうした生き物たちの複雑な営みによって野菜が育ちやすい環境が作られています。生き物たちの活動によって物質は絶えず循環しています。この循環の仕組みを利用して、収穫まで持っていくのが野菜の手入れの極意です。

〇手入れを「足す」・「引く」で考える
栽培の初心者は植物を育てる際にどうしても肥料を多めに与えたり、水を多めに与えたりしてしまいがちです。これは子育てでも同じですよね。子供がしっかりと食事をしていると親は安心します。「食べていること=健康」と感じてしまうからです。でもあまりに食べてばかりでメタボになるとやはり健康を害してしまいます。植物の栽培でも与えてばかりではいけません。

そこで野菜の手入れを「足す」、「引く」に分けて考えてみましょう。
「足す」手入れとは 野菜の生長に必要なものを畑に加える、あるいは 一般的に不要とされるものをあえて残すことで成長を促す手入れのことです。

一方、「引く」手入れとは、すでにあるものを取り除くことによって野菜の成長を促す手入れのことをいいます。

野菜の手入れというと 追肥や誘引を思い浮かべますが、これらは 「足す」 手入れです。同様に「引く」手入れも重要なのです。

例えば 同化産物を引き寄せる力が強い花や果実を取り除けば(摘花・摘果)、 その分の同化産物を他の器官に回すことができ植物の体を大きくすることができます。

つまり 「引く」ことで逆にプラス の働きが生まれてくるわけです。
「足す」「引く」の手入れで無駄なく養分が循環して栽培を安定させて、その結果、収穫量を増やすことができます。

そのような観点から、今、自分が行っている作業が「足す」手入れなのか、「引く」手入れなのか、その作業を行うことで植物体内にどのような変化をもたらすのかを考えながら、常日頃から手入れを行うようにしてください。


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TEL 080-3396-5399
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