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ミニトマト栽培 花落ちの原因は?(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。私は自社トマト農園の管理やコンサルティング先の農園の管理などは徹底的に行っていますが、自分の家の家庭菜園では管理も手抜きになりがちですし、時間もお金もかけられないので病気や生理障害なども発生しがちです。今年の家で栽培しているミニトマトは開花した花が落ちてしまいました。
そこで今日はミニトマト栽培中に花が落ちてしまうことについてお話したいと思います。

<なぜミニトマトの花が落ちてしまうのか>
ミニトマトの花が落ちる原因は、いろいろありますが主なものを取り上げてみたいと思います。

・植え付け時の元肥が多すぎる
ミニトマトの花は、肥料を与えすぎたせいでチッ素成分(N)が多すぎると、落ちてしまいます。
植物を栽培するときは、初めに土のなかに元肥を加えます。このときどうしてもしっかりと大きく育ってほしいので肥料を多めに与えてしまうケースが多いです。窒素成分が多すぎると花を咲かせて実を成らせるためにうまく回らず、茎や葉の方へ行ってしまうことで花は咲いても実になる前に落ちてしまいます。
ミニトマトに限らずトマトという野菜は第一花房でちゃんと花が咲き実に成らないと、いわゆる「つるボケ」状態になって花は咲いても落ちてしまうのです。

もしミニトマトの花が落ちはじめたら、肥料を与えすぎていないか確認してください。
与えすぎていると感じたら、土にたっぷり水やりをするとよいでしょう。土のなかのチッ素成分が水と一緒に流れ出すので、花の落下が止まる可能性があります。

・肥料不足になっている
ミニトマトは成長にともなってたくさんの実がなるので、多くの養分を必要とします。

肥料は与えすぎてはいけませんが、全く与えずに育てるのも、肥料不足により花が落ちてしまう原因になります。
元肥の養分が切れるタイミングである、第3~4花房の開花のタイミングを目安に追肥するようにしましょう。(品種によります)
適度に追肥することで、ミニトマトが肥料切れを起こすことなくスクスク成長できます。

・水不足で過乾燥になっている
水やりを怠った場合も、ミニトマトは花が落ちることがあります。水不足で土や根が乾燥していると、ミニトマトはカラカラの状態になり、やがて枯れてしまうでしょう。
ミニトマトの栽培時期は一般的に暑い時期であることが多いので、水やりはしっかりと適度に与えましょう。本業で農業をやっている場合は日射比例潅水などが理想ですが、家庭菜園であれば1日に朝・昼の2回は水やりをしてください。

・日照時間が足りない
日当たりの悪い環境で栽培されているミニトマトは、花が落ちやすいです。
これは、日当たりが悪いことで日照時間が足りず、ミニトマトが発育不良を起こしているのが原因です。光合成ができておらず成長に必要なブドウ糖の合成ができていない状態ですよね。

発育不良により成長できなくなったミニトマトは、自分で花や葉を落として生命が維持できるようになろうとします。こうすることで、栄養分が全体に行き渡るのを防ぎ、残った数少ない葉や実に栄養が集中するようにしようとします。

・受粉できていない
花は、雄しべと雌しべが受粉して実をつけます。受粉に成功した花は根元にミニトマトの果実がつくられますが、受粉できなかった花はただ落下するだけになります。

ミニトマトの花は、基本的に自然受粉が可能です。施設栽培では確実に受粉をさせるためにクロマルハナバチなどを使いますが、露地栽培や家庭菜園では虫や風の力により、自然に受粉します。

何某かの原因で受粉ができていない花が落ちてしまいますので、間違いなく受粉させたい場合は、人工的に授粉させるとよいでしょう。

・極端な暑さや寒さ
ミニトマトの栽培適温は、20〜30℃といわれています。この気温から極端にズレた環境で栽培すると、ミニトマトは生育不良を起こし花が落ちる原因になってしまいます。特に最近の猛暑では花粉の稔性が落ちたりして受粉不良などが発生しやすくなっており、花が落ちたりしています。真夏のハウス栽培は要注意です。

反対に、植え付け時期が早すぎたり冷夏で気温が上がらなかったりして適温で栽培できなかった場合も、成長できずに花が落下してしまいます。
植物を栽培するときは、とくに気温に注意が必要です。栽培適温にあうよう、環境を整えて育てるようにしてください。


今回はミニトマトの花落ちについてお話をさせていただきました。


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