【イベントレポート】実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方 Vol.05 ゲスト 筑波大学教育学類4年 川邊笑さん
※本noteは、2022年11月19日に開催した「実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方Vol.05 徳島県の小さな町から広げたい!地域の方と大学生がつくる子どもの居場所」のイベントレポートです。
はじめに
こんにちは、一般社団法人 ミライの学校 事務局です。このnoteでは、2022年11月19日、ミライの学校が主催するオンラインイベント「ミライの教育の見つけ方」の第5回の様子をお届けします。
今回は、筑波大学教育学類4年生の川邊笑さんにお越しいただきました。川邊さんは、大学を1年間休学し、地元である徳島県牟岐町にUターンし、主に中高生向けの居場所や学校に行きづらい子達向けの居場所を立ち上げ、運営されています。
居場所づくりにかける想いから、現在抱えているリアルな悩みまで、たくさんお話しをお聞きすることができました!
それでは、居場所づくりを実践している川邊さんのイベント当日のレポートをお届けします!
(1)ゲストスピーカーのご紹介
ゲスト:川邊笑さん
モデレーター:高畑拓弥
(2)本編1 子どもの居場所をつくる
川邊さんは、徳島県牟岐町出身で筑波大学教育学類に進学し、現在は大学を休学し地元である牟岐町で活動されています。自己紹介のなかで川邊さんの現在の活動にも繋がる経験として、地域の中で包括的にサポートする仕組みをつくるNPO法人Learning for Allでインターンをしていた時の経験が現在の活動に繋がっていると仰っていました。
本編2 活動概要
主な活動として、your place”ゆあぷれ”とフリースペースわれもこうの2つの居場所を運営されています。
●your place”ゆあぷれ”
ゆあぷれは、中高生向けの居場所を創っていています。牟岐町の小学生には家と学校以外の居場所として学童がありましたが、一方で、思春期で悩みも増える中高生には学校以外の居場所がなかったということが設立の背景だそうです。川邊さんは、中高生たちが何かあった時には頼れる「地域のおばあちゃんの家」のような場所をつくりたいと活動を始めたそうです。
●フリースペースわれもこう
そして、2022年に立ちあげたのがフリースペースわれもこうです。われもこうは、学校に行きづらかったり、日常生活にしんどさを抱えていたりする、小~高校生・若者を対象とした新しい学びの居場所です。
われもこうは小さい赤い花の名前で、小さいながらも力強い花を咲かせていることと、「我もこうなりたい」という子どもたちの可能性を広げ、強い意志と力強さを持ってほしいとのことから、われもこうと名付けたそうです。
本編3 活動をはじめた背景
前半の自己紹介では、NPO法人Learning for Allでインターンをしていた経験が生きているとお話ししてくださいましたが、川邊さん自身の経験から活動をはじめた背景にも触れていて、「中学時代のしんどかった経験」と「大学時代に出会った子との出来事」が大きなきっかけになったそうです。
●中学時代のしんどかった経験
中学時代には、固定化された人間関係の中で、誰にも悩みが言えずにいた辛い時期に、親や先生が気付いて助けてくれ、相談することができたことで、周りにどんな大人がいてくれるかがとても重要だと感じたそうです。
ご自身もこのような経験があったからこそ、居場所を必要としている子どもたちの気持ちを汲み取り、寄り添うことができるのですね。
●大学時代に出会った子との出来事
NPOで学習支援のインターンをしていた時に、小学生の不登校の子と関わる中で、小学生の男の子に「生きている意味あるのかな。やりたい事もない。」と言われたことで、学校に行けないだけでここまで自分を否定してしまうことに衝撃を受け、環境によってこのようなことを言わせてしまう社会とは何かを考えるきっかけになったそうです。
さらに、子どもたちと関わり、徐々に元気になっていく姿を見るなかで、
この2点に辿り着いたそうです。実際に活動するなかで今の子どもの現状に触れ、必要とされていることを見つけていったのですね。
本編4 不登校の傾向と現状
全国的に不登校の子どもたちは増加傾向にあります。いじめや自殺も増加傾向にあり、また7人に1人が貧困と言われています。
全国での比較同様、川邊さんの活動する徳島県海部郡も不登校や不登校の予備軍の子どもが増えているそうです。
この結果から、「サポートの乏しさ」と「限られたコミュニティ」が問題として浮き上がってきたと言い、海部郡には不登校の子どもたちへのサポート機関が1つもなく、行き場がなく見過ごされていることが浮かび上がってきました。
子どもたちの世界が学校にしかないため、学校で問題があると全てを否定された感覚になっってしまい、自分への認識が狭くなることや、外とのつながりが希薄な分、情報が家庭環境に偏ってしまうことが過疎地域の現状だと感じているそうです。
本編5 広域連携型支援モデル
以上のような問題を踏まえたうえで、川邊さんたちがは、「広域連携型支援モデル」の仕組化を目指しています。
不登校になる前の段階のリソースが少ないので、誰もがいける居場所・支援と豊かな学びを各自治体に設置することを目標にし、町では手が届かない子には、郡レベルで連携しながらサポートし合えたらと語っていました。
●誰でも行ける居場所
●学校に行きづらい子ども向けの支援
●居場所活動を通して
川邊さんが活動を続けるなかで、すべての子どもたちに大きな可能性がある一方で、その力を発揮できずにいる状況があると感じたそうです。
また、子どもの可能性を引き出すうえで大事だと感じたことは「いかに待てるかだと思っています」という言葉が印象的でした。
現在、川邊さんは居場所をつくる意義を「全ての子どもたちが自分の人生を自分らしく歩むための土台ときっかけづくり」としており、をどんな子どもたちも心が休まり、自分自身を認めてくれる場所をつくると意気込みを語ってくださいました。
ボランティア募集
ボランティアを募集しているそうです!興味ある方はぜひSNS等覗いてみてください!
川邊さんが運営する居場所の各種SNS
■your place
Instagram:https://www.instagram.com/yourplace_mugi
公式LINE:https://lin.ee/O1kPwwA
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100077206806147
■われもこう
公式LINE:https://lin.ee/LZywMd6
今回のまとめと次回イベント
今後は、つくり上げた居場所を継続していける仕組みづくりをやっていきたいと意気込みを語ってくださいました!
弊社代表高畑から、
との言葉でイベントは幕を閉じました。
川邊さんのお話から、様々な環境下にある子どもたちがいることを改めて知ることができました。運営を継続していくなかで難しい問題は沢山あるようでしたが、本当に居場所を必要としている子どもたちがいます。だからこそ、難しいというだけで終わらせてはいけないと感じます。同時に、不安を抱えた子どもたちに手を差し伸べてくれる川邊さんのような大人がいてくれることが子どもたちの救いになります。それぞれ目指すものが違うからこそ、その子に合ったやり方を模索し、可能性を最大限に生かせるような社会をつくっていきたいと強く思いました。
川邊さんとミライの学校は、取り組みは違うものの、目指したい姿は同じ方向だと思うので、それぞれ支え合いながら活動を続けていけたらと思います!
次回1月28日(土)10時からの「実践者に聞く! ミライの教育の見つけ方 Vol.07」のゲストのご紹介
イベント概要
▼イベント名
1/28(土)10:00-11:00 オンラインイベント
実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方 Vol.07 自由に自分らしく生きる新しい防犯のかたち「まもかつ(守活)」
ゲスト:株式会社grigry代表取締役CEO 石川加奈子
日時:2023年1月28日(土)10:00-11:00(毎月第3土曜日開催)
方法:zoom(オンライン)
参加費:無料
申込:http://ptix.at/X4nqWq
皆さまのご参加お待ちしております!!