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「信長を殺した男」10冊ください。(1)

これは、一人の推しバカの「信殺」布教活動記録である。(全3回)
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「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」
藤堂裕 (漫画), 明智憲三郎(原案),秋田書店刊
通称「信殺」

私は、かねてから「本能寺の変 431年目の真実」を『物語』で読みたいと思ってきた。
だから、コミカライズが決定したという情報を知った瞬間、全力で爆推す決意を固めた。しかも描いてくれるのは

向井理さんが主役をやってた、人気テレビドラマ「Sエス-最後の警官-」、あの原作マンガを描いてた藤堂裕先生ですよ!
どうしよう!期待しかない!!!
(注・この時点ではタイトルを434年目にする予定だったもよう)

そして別冊ヤングチャンピオンで待望の連載開始!
水着のお姉ちゃまの眩しさに目がくらみながら、書店レジに雑誌を持っていく。

ビニールを外してページをめくった。

藤堂先生が描きだした光秀は、私の想像をはるかに超えていた。
もしかしたら、原案者の明智憲三郎氏の想像すらも超えたかもしれない。

この感動を語り合う仲間が欲しくて、毎回毎回、ネタバレにならない程度にTwitterで感想をつぶやいた。


もちろん激賞している方はいたが、別冊ヤングチャンピオンを毎号買っては理性的に賛辞を贈るような「漢気ある硬派な方」ばかりだ。

ぐぬぅ!!!
ネットの海には、超絶カッコイイ信長や、ナイスシルバーな光秀について軽率に語らってくれる仲間はおらんのか!?
他ジャンルの沼民みたいに、私にもキャッキャウフフさせてくれ!!!!

絶対に、絶対にこの作品をミリオンセラーにする。

勝負は単行本が出てからだ。
しかし、どうやって布教したらいいのか…
1巻発売にあたり、悶々とひとり作戦を練った。

業界的には密林のランキングが重要らしいけど、個人が10冊20冊買ったって影響力は薄い。
やるなら、いにしえのオタ活に倣い、リアル書店へのゲリラ戦法しかない。
ただし、ぼっちの単独行動。撃てる弾は限られている。
一撃必殺の覚悟でターゲットを絞る。

思い浮かんだのは駅ナカ書店。特に新幹線駅や乗換駅がねらい目だ。
ターゲットは出張族。
車中のヒマつぶしにコミックスを読みたくても、スーツ姿で(人によっては社章を付けた状態で)、体裁悪くなく読めるジャンルは限られる。
無難なのはビジネス物か歴史物。

信殺は車中で読んでもカッコ悪くない。
いやむしろカッコイイだろ!

明智氏の本も駅ナカで売れたそうだから、原案本を読んでる人も沢山いるはずだ。

都心は出版社さんも漏れなく営業するだろうと思い、地元の神奈川を攻めることにした。
(あとで知ったが、千葉方面では西船橋駅ナカの店長さんが激推しで、サイン色紙を飾ったりするなど、1巻から大量積みしていたらしい)

さっそく、横浜駅の駅ナカ店に突撃!
「新刊の予約をお願いします」
「はい、タイトルは?」
「秋田書店から出る、信長を殺した男です」
「秋田書店?漫画ですね…、少々お待ちください…(と端末を叩く)
あ、これですね。それでは予約票にお名前と連絡先をお願いします」
といいながら、店員さんは予約票の数量欄に1と書いた。
「あ、すみません、1冊じゃないです」
「失礼しました、何冊ですか?」
「10冊ください。」
「へ?」

店員さんは、あわてて責任者らしき人に報告した。
その人はどこか(おそらく本部)へ電話をかけて問い合わせた。
そして
「発売日に希望数入るかお約束できませんが…よろしいですか?」
と恐る恐るきいてきた。
「大丈夫です!不足分は後でも!あ、入荷足りなかったら、私が取りに来るまで売場に出してもらっていいです。買いたい人がいたら売っていいですから!」
不審者オーラ全開。滑り出しは順調だ!

「信長を殺した男」10冊ください。(2)に続く。

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