ドラマで勉強(月の形の意味するもの)

「虎に翼」は第2ステージに入りました。

これまでは主に男女の差別を描きつつ、若い寅子達はぶつかりながら同士として繋がっていく姿が描かれました。

戦争が始まり、国同士が差別ではなく敵になる。
朝鮮半島からの留学生・崔香淑が巻き込まれていく。

その前に高等試験の結果発表がありました。
筆記試験に受かったら口述試験を受け、合格が決まる。

寅子の同級生女子部は筆記試験で全滅。
優三さんも安定の試験落ち。
一つ上の久保田先輩は口述試験で落ちてしまった。

結局、合格したのは花岡君と稲垣君。
稲垣君はそんなに出来が良かったのか!

そして高等試験すら受けられない人もいたのか。
ここも安定の小橋君。
確か留年していたような。。。

久保田先輩は「女性だから」落ちた可能性はあると思う。

来年の試験に向けて全員が勉強に励む中、涼子様のお付の玉ちゃんが原書「アンクルトムの小屋(Uncle Tom's Cabin)」を辞書を読みながら「ふむふむ」と読んでいるではないですか!
勉強の成果が凄いぞ。

「アンクルトムの小屋」が出版された頃、アメリカは奴隷解放運動で南北分裂の危機にありました。
人種差別問題を「玉ちゃんが読んでいる本」で挿入してくる脚本の上手さ。

涼子様が事情で断念しても、玉ちゃんが翻訳家や通訳になって活躍する未来があればいいなぁ。

久保田先輩、中山先輩と竹もとで話している時。
涼子様が玉ちゃんと一緒に下座にいた。

全員定位置があり、上座にあたる場所に先輩を座らせたんですね。
定位置の人(涼子様と寅子)が移動しただけ。
それだけのことだけど、公平でいいな、と思った。

それにしても。
検察といい特高といい、何故靴を脱がない。

「人の心に土足で踏み込む」と言われるように、土足は暴力。
言葉の通り人の尊厳を踏み躙る象徴です。


「光る君へ」も世代交代のサイクルが激しくなってきました。

井浦新さんの藤原道隆の最後は「平清盛」の崇徳天皇を思い出させてくれました。
権力はこうも人を変えるのか。

最後は父と同じく愛する人に思い出の歌を伝える。
ロマンティックな親子です。

道兼は初回からヒールっぷりを発揮していて、それはそれで大絶賛でした。

父・兼家が亡くなり、自分の居場所を見失い、荒れまくってどん底に落ちた道兼。
道長のお陰で憑き物が落ちたように人が変わった。
精神的な死を迎え、復活した時の道兼は顔は別人のように清らか。
玉置玲央さんの演技力!

最後の罪への懺悔、浄土への欲を自ら嘲り笑い、道長に看取られました。
良かった。

段田安則さんと玉置玲央さんは同時期に舞台「リア王」をやっていて、私も観に行きました。
大河ドラマの人が目の前に!
それはまたブログにでも書こうと思います。

てことで、ボンヤリ君の道長に順番が回ってきそうな流れになっています。

「光る君へ」は月が大切だという話。

第一話のタイトルが「約束の月」でした。
で冒頭、ユースケ晴明のドアップから入っていたをスッカリ忘れていました。

月の満ち欠け(写真はネットからお借りしました)

新月がスタート。
三日月・上弦・満月・下弦・・・新月のサイクルです。

新月は「無」なので、上弦を含む満月までは「満ちていく」時期。
運で言えば上昇、願い事や叶いつつある、成長が見込まれる。
逆に「まだ成長しきっていない」と捉えることも出来ます。

満月は達成でもありますが、そこがピーク。

その後は新月に向けて下弦を経ながら「欠けて」いき、無に戻っていきます。
運で言えば下降。
欲張らず手放していくことが吉とされます。

上弦と下弦は見分けが付きにくいですが、出ている時間帯で判断出来そうです。

ササッとドラマに出てきた月を確認しました。
月齢は私が「これかな?」と思ったもので間違っているかも。

①②は共に円融天皇への入内シーン。
①の藤原遵子の時は上弦。
②の藤原詮子の時は下弦ですよね?

③はまひろの母・ちはやが道兼に殺された日。
二人共、それを知り、別々の場所で月を見ています。
道兼に対する怒りは勿論、父からは「病死とする」と言われた理不尽。
そして何も出来ない自分への無力感。

月の満ち欠けが運気も上昇・下降の象徴だとして。
「誰にとっての」運気なのか?
それを見ている人が大切なのでは?と思いました。

そして第一話のユースケ晴明は天体図を見ながらこの先の運(出来事)を予想している。
そうか!
この物語はユースケ晴明の視点からなのかもしれない。

月は29日周期。

④ドラマの中で満月が最初に描かれたのはまひろと道長が結ばれた日。
道長から駆け落ちに誘われるけど、「それは出来ない」と断るまひろ。
そして「あなたが使命を全うするのをずっと見ている」と言った後の情事。
この時、月を見ていたのはまひろ。

思いの成就という意味の満月。
二人がリアルで結ばれることはこの日がピーク(最後)という意味の満月。

⑤藤原家が花山天皇を図って出家させ、詮子の子・一条天皇を即位される。
その時7歳。
段取りをしたのはユースケ晴明。
こちらも下弦の月。

見ているのはユースケ晴明ですが、この人は公務員。
中立なポジション、傍観者として見ていたのかも。
月の運命は事件に関わった人全員、この世の運かもしれません。

⑥先週の回「第18話・岐路」
いよいよ己が政治に関わっていく流れとなり、その気持ちを確認する為に思い出の場に来た道長。

既にまひろがいた。
まひろは「今は何も言うことがない」と無言で立ち去ろうとするシーンで終わりました。

ドラマを見ていた時は「満月に近づいてきた?」と思いましたが、左側が丸いので下弦かな?

「やる気になって頂点が目前の道長」を表した月だと思ってた。
まひろにとっては「最早、男女としての関係のピークは終わった」の下弦?
あるいは「まだ腹が括れていないのか!(怒)」の気持ちの下弦?

ソウルメイト設定ですから縁は強いのですが、もう好きだの嫌いだのの時期はとっくに終わった・・・終わらせた。

道長はワンチャンあると思ったかもしれないけど、意外と女性は強いもの。

この先もすれ違いはあるだろうけど、男女の関係にはならないのでは?
道長はこの先もワンチャンを狙いながら、結局まひろに「見られながら(尻を叩かれながら)」我が世を作っていくのだろう。

有名な「望月の・・・」の歌を詠んだのは、まひろの死後だと思われます。
どういう状況で、どういう気持ちで詠ませるのか。
楽しみです。


ちなみに人間的にはスタートは「満月」です。
夜を照らす太陽の変わりですからね。
それが段々と欠け、新月=暗い夜は怖いものです。

新月の翌日も月は見えない。
3日目にようやくナイフで切ったような「三日月」が見えます。

満月の翌日から数え、17日目が三日月。
怖い怖い2日間を耐えて、うっすら見える希望の光。

タロットの17番目のカードはスター(星)
だから「希望」という意味があるんですね。




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