3日に1回、職務質問。

「私、3日に1回は
　警察に職務質問されるよ」

これは内モンゴル出身の
友人ミミちゃん(仮名)が
10年以上前に言っていたことばです。

ミミちゃんとは
日本語教師になるための学校で
知り合いました。

内モンゴル人は
今私が教えている学生は
中国人のような容姿の子が多いですが、

ミミちゃんは
モンゴル人寄りの見た目で、
高い身長に長い手足、
褐色の肌、
ストレートの長い茶髪、
そして目鼻立ちのはっきりした
モデルのような美人です。

今ではミミちゃんは
日本人のダンナ様と結婚して
小学生の女の子のママを
日本社会で頑張ってやっています。

そのとき、
韓国人の先生が
教えてくれました。

特に西洋人でない外国人は
歩いているだけで
職務質問されるんだって。

ある人は職務質問されて
やっと解放された、と
歩いていたら、
暫くしてまた別の警察から
職務質問されたそうです。

職務質問てね、
時間がかかるんですよ。

外国人は
在留カードというのを常に
携帯していなければならないのですが、
それを見せて
名前など他の項目と共に
番号を転記するんですね。

今の時代なのに、紙媒体に。
それで、警察がそれを書き終わるのを
待っていなければならない。

警察の要望なので

「今急いでいるので、また後で」

なんて言えないんです。

今年に入ってから
昨年度も終わりかけのある日、
日本語学校のとあるクラスで
テストを行いました。

次の時間テストだから、と
言っておいたのですが、
休憩時間に近くのコンビニまで
飲み物を買いに行った
スリランカ人の学生4人が、

休憩時間を過ぎても
帰って来ません。

余談ですが10年以上
日本語教師をやっていて
ここの国の人たちは変わったな、と
思うことがあります。

その第一位は中国人です。
昔は攻撃的な眼で
教師を見て来て、
すぐに反抗して怒鳴って
大変でした。

ゴミを教室に置き去りにして、
授業中に食べるし、
こぼしたジュースを拭かないで
その上を通って帰る。

国からの出稼ぎ学生が多く
たくさんアルバイトをしていたから
疲れてまともに勉強ができない。

それで、アルバイト先からも
日本語のレベルの低さを
馬鹿にされることが多くて、
日本に嫌気がさして
国へ帰りたくても
お金の問題で帰れない。

頑張って、疲れて、
反抗的になっている。

そんな学生たちは
一度心を許してもらえると
とても可愛くて、
苦しそうに日本にいる姿に
心を痛めたものです。

今の中国人学生は
もちろん人によりますが、
ハイブランドで全身を包み、
アルバイトなんてする必要もなく、
裕福に育ったが故に余裕があるのか
心優しく、
笑顔が素敵で少しシャイな
日本人の若者のような感じです。

もちろん教室も
きれいに使います。

まだ、かつての余韻がある
学生もいますがね。

次に、変化が顕著だと思うのは
スリランカ人です。

かつてこの国の学生たちは
授業中勉強しないで
机に乗って踊り狂い、
机を太鼓がわりに叩いて、
いきなりトランプをやり始めたり、
注意した男性教師を殴ったり、
別の国籍の学生とすぐけんかしたり、
本当に大変でした。

もちろん学生によりますが。

今は、かなり品のある学生しか
来なくなりました。

優しくて、でも明るさは
元のまま持ち合わせていて、
やっぱり漢字は苦手でも
プリントを提出しないことなんてなくて、
礼儀正しく笑顔が素敵な
国民性です。

さて、話を戻しますと
このテストの時間に
帰ってこなかった
スリランカ人くんたちも
真面目で熱心で明るく優しい
集団でした。

テストを開始しても
戻りません。

おかしいな、普段
真面目なのに。

30分待って、
ようやく帰って来ました。

走って帰って来たようで
息を切らしていました。

「先生ごめんなさい。
　警察に......」

ああ、職務質問されたのか、と
分かりました。

「全員分の在留カードを
　警察が書類に書いていて
　時間がかかりました」

普段、高得点を取る学生が
時間が足りなかったせいで点が
下がってしまいましたよ。

警察さん、お願いです。
ここは日本語学校の近くだ、って
分かっているはずなのだから、

休憩時間中に
わざわざ留学生を
捕まえないでください。

肌の色が黒めだから、って
それだけで悪いことを
するだなんて
思わないでください。

インドはもうすぐ
日本のGDPを抜くんですよ。

何人外国人を職務質問したら
点数が上がる、とか
あるのでしょうか。

だから、敢えて外国人が、
留学生がいる勤務校の周りで
職務質問しているのでしょうか。

そんなことはまさか
ありませんよね。
だって、それが本当だったら
日本の制度が残念すぎます。

私の教え子は必死に、
きっと日本人の若者よりもずっと
大変な状況でも、
アルバイトして、勉強して、
疲れて眠れなくて
文句も言いたくてもそれでも、
日本社会に順応しようと
笑って頑張っているんです。

本当に時間が足りない
子たちなんです。

この記事は
バクゼンさんがこちらの記事の
コメントに書いてくれた内容に
影響されて書きました。

バクゼン｜note

バクゼンさん、
悲しいかな、これが日本の実態ですよ。

この方なら何かご存知かな。
日本語教師のバックグラウンドは
様々ですが、
元警官というのは面白いです😊

こんな警官ネタに
最近楽しませて頂いています✨