育てよ!茶道具の目利き力。
秋峰さんが
花道の未来を嘆いて
いらっしゃいますが、
茶道も存続の危機
なんだそうです。
日本の「道」の世界は
どうなってしまうのでしょうね。
私は茶道について
詳しくありません。
通った中学高校には
離れに立派な裏千家の
お茶室がありました。
それは
その道の方には有名だそうで、
若干ザマス系の
スネオのママみたいな私の母は、
そんな学校に娘を
通わせていることが
自慢だったようです。
この学校で高校から希望者は
裏千家茶道を習うことが出来ました。
ボーっとしていた私は
熱心な親友に
「みおいち!習うぞ!」
と引っ張られ
何となく始め、
受験もあるので高3に入ると
辞める人も多かったのですが、
これまたこの親友に
「途中でやめると
修了証をもらえないよ!」
と言われ、何となく3年間
続けました。
私の茶道歴は
それだけです。
私は左ききなのですが、
茶道は右手でお茶を点てます。
裏千家の場合
お抹茶を多めに入れ
泡をクリーミーに点てるのですが、
私の場合は右手で
うまく手首のスナップが使えず
泡が上手く点たないため、
先生に
「あなたは表さんみたいな
点て方をするのね」
と嫌味を言われていました。
ところで同じ学校に
進学していた次姉は
茶道を習いませんでした。
私とこの姉とは
好みが全然違います。
私が音楽部で地味に
お琴をチントンシャンと
やっていたり、
バイオリンをギーギー
鳴らしているあいだに、
姉はブラス部で颯爽と
トロンボーンを奏で、
趣味でバンドを作り
エレキギターを
キュイーンと弾いていました。
母と同じ中学高校に
進学した、
もう1人の姉(長姉)は
母に似てザマス、というより
ハイソサエティーにしか
いたことのない天然で、
同じく茶道を学校で
習っていました。
だけどこの姉は
3年間習った茶道より
中学から6年間習った花道が好きで、
もっというと幼少期より
長きに渡り習っていた
書道に今でも熱中しています。
そこで何故か
私に白羽の矢を立てた
茶道狂の母は
ことあるごとに
ドカン!ドカン!
と、茶道具を送って来ます。
結婚前からの癖が抜けず
お金を豪快に使う母は、
それは福祉業界&日本語教育業界に
長らくいる私にとっては
恐ろしいほどの使いようなのですが、
大層良い茶道具を買っては
置き場所に困り、
飽きたものを我が家に
送っているようです。
三姉妹で一番みみっちい
私にとって、
大して目利きの才が
あるのではなくても、
何だか徳をした気分になって
せっせと溜め込んでいるわけです。
次姉に言わせると
「どんなに高級なものでも
私には不要だ」
そうなんですがね。
カッコいい‼︎
※私はシスコン。
ちなみにこんな感じで
着物も我が家にたまります。
※実家のゴミ捨て場😆
母は表千家茶道を長らく
やっていて、
ことあるごとに
「表千家の道具は
裏千家と違って......」
と、蘊蓄を垂れています。
私も興味の無い
内容ではないので
有難いと言えば有難いのかな。
さて、数ヶ月前に
母がお抹茶をくれたので
朝に飲むようになりました。
お抹茶って苦い印象がありますが
ザマスの母曰く
「高級なのは苦くない」
そうで、
確かにまろやかで良い味です。
ですが、
やっぱり私、才が無いのよねぇ。
右手で上手くお茶が点たなくて
たまにダマが残ります。
それを見ていたチビが
私が勤務校に行かない日は
朝、お茶を点ててくれるように
なりました。
適当に覚えていた作法を
教えたら、
毎回それをちゃんと守って。
力が強いからかな、
チビの点てるお茶は
裏千家。
ダマも残らずクリーミーで
優しい泡がたちます。
それなら母に貰った
お茶道具を触らせて
小さい頃から良いものに
慣れさせてもいいだろう、
とは思うのですが
母から貰ったものが
本当に良いものなのか
目利き能力が無いので
分かりません。
そんな訳で
行って来ました。
茶の湯の美学展@三井記念美術館!
伸ばせ!茶道具の目利き力!
1ヶ月ほど前に行った
静嘉堂文庫美術館は
岩崎家の至宝で
こちらは三井家の至宝です。
派手好みの岩崎家と
侘び寂びの三井家を
比べるのも楽しい。
静嘉堂文庫美術館も
重要文化財の
明治生命館の中にありますが、
こちら三井記念美術館も
建物自体が
重要文化財ですよ。
今回、写真が撮れない場所が多く、
撮れる場所でも混んでいて
難しかったのですが、
むむぅ、
なんでこんなに利休さんが
持っていたものや
作ったものがあるの。
さすが三井家、半端じゃありません。
絢爛豪華だった三菱家に対し
侘び寂びの美であります。
私、侘び寂びは理解出来ないかと
思っていましたが、
良かった。
少しは私でも分かる。
少なくとも
キュビズムより混乱しない
安心の美であります。
日本人の血ですかね。
展示は茶道に関するものを
幅広く紹介していて
当然、茶室に飾る書も
数多くあったのですが、
ひとつ分かったのは
私には書の良し悪しは
全く分からない、
ということでした😅
書の装丁だけじっくり見て
そそくさとその場を去りました。
この辺の目利きは
長姉に丸投げしましょう。
それにしても
漆の深い色や
蒔絵の繊細な模様、
陶器の釉薬の輝きなど、
日本の美も素晴らしいですね。
少しは眼が肥えたかしら。
よく分かりませんが
うっとりと充実した時間を
過ごせました。
ありがとうございます!頂いたサポートは美しい日本語啓蒙活動の原動力(くまか薔薇か落雁)に使うかも?しれません。