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「推し活」の効能

数年前、アクセサリー教室を開講していたのだが、その時の生徒さんにめちゃくちゃアクティブな女性がいた。私より10歳くらい年上なのだが、私なんかよりずーっと元気。「この教室の前にヨガに行っていたの。これが終わったらワインスクールへ行ってくるわ」なんてことはザラで、羨ましいなぁ、と思っていた。
 
そんな彼女との雑談の中で「やっぱり、追っかけ(昔は推し活ではなく「追っかけ」だった)は大切よ」という話題になった。
 
当時(も今も)、特にめっちゃ推している人やモノはなく、ふ〜ん、くらいに思いながら聞いていた。しかし彼女は推し対象である「ヨン様」に救われた、というのだ。

その時でこそ、とてもアクティブで周りを明るくしてくれる彼女だったが、更年期症状が強く出て、それはそれは大変だったらしい。
 
朝起きられない、起き出してもソファに座ったらもう立てない。イライラするし落ち込むし、鬱のような症状も出て、ご家族もとても心配されていたそうだ。
ところが、当時とっても流行っていた「冬のソナタ」を見てみたら、それはそれは素晴らしい世界で、中でもヨン様に心を鷲掴みにされたらしい。

朝から晩まで「冬ソナ」で満たされ、ヨン様に夢中になっている日々を過ごしていると、いつの間にか更年期の症状が軽くなり、そのうち、元の元気な彼女に戻っていた。
 
すごいなぁ、冬ソナ効果。ぺ・ヨンジュンはきっと、たくさんの日本の女性たちにときめきと元気を与えたんだろうな。
 
「推し活」で、日常がたくさんのときめきで満たされたら、きっと世の女性の更年期症状は、快方に向かうに違いない。

「推し活」が更年期に良いのにはいろんな理由がある。
まず、新しい体験が増える。
変わり映えのしない日常に、新しい体験が加わることで脳が活性化し、気持ちも若返り、肌艶も良くなる。

また、脳内の「感情」を司るエリアを刺激するので、ワクワクしたりキュンキュンしたり、時には残念な気持ちでいっぱいになったりと、たくさんの感情を味わうようになる。この刺激は、脳を活性化させる。
 
それから、同じ「推し」仲間ができる。一緒に「推し」の素晴らしさを語り合い、連帯感が生まれ、孤独でなくなる。これは認知症の予防にもなる。
 
聞くところによると、近場の手が届く「推し」ではなく、手が届かない「押し」の方が、ワクワクキュンキュンの度合いが激しくなり、癒しの効能が高いらしい。
 
振り返って私の「推し」は2次元だ。が、「推し」というほど大好き!な訳でもない。私も、なりふり構わず「追っかけ」られる「推し」がほしい。


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