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Forest

今日は少しジャジーな響きながらも、シンセに合うボイシングを考え、凝って音選びをしていたら、20秒ほどの短い曲のわりに20分かかった。今まではそこから立体感をどうするかとか、パン振りやらエコーやらシンセ以外の音を足すかなどと熟考していたが、結局その過程になった時点でいくらでも凝れるなということで、スケッチの段階でそれらには手を出さないことにした。

勿論、初めから立体的に聴かせることを目的として作った過去の作品もあるので、それはそれでよしとするが、スケッチはあくまでも短時間でやることを目的としている。出来上がった後に、ここにも立体感を出すか否か、と悩む時間に移った時点でやめることにした。

20秒ほどの短い曲になった理由は、スケッチの目的に沿っただけであり、本当はもう少し長くしようと考えていた。躍動をメインにした時、停滞は対となり、どうにもそこで落ち着いてしまう。長い曲にするなら躍動と停滞を繰り返すか、躍動に飽きのこない工夫が必要となる。もっとも、ループするだけでよければこの曲をひたすら流し続けるだけで成立する。

曲を長くするには、少なからず理由が要ると思っている。歌謡曲など現代で聴かれている音楽の殆どは、形式という枠の中で工夫を凝らしている。Aメロ、Bメロ、サビ、主題、展開、再現…それらは私たちが帰路に着く安心感と同じようなもので、曲の質と一貫性を担保するものである。

Forest 2022.10.15

何となく曲には深緑のイメージがあったので、緑系を多く入れた。ノイズや滲み、切り取りのツールがあることに昨日気付いてからは、それを積極的に取り入れている。適当に切り取る場所を選び、それを複製してランダムに貼り付ける。すると、左下の深緑が何となく鳥の様に見え、右上が葉の影のように見えてきたのでタイトルは「Forest」とした。全く意図していないところから、具現化されたものが見えるのは何度やっても面白い。


スケッチという短時間での制作において自身に偏りがあることに気付いた。音の響きに注力すると、リズムが平坦になること。リズムに注力すると響きを定めるのに時間がかかること。最終的には、どちらもバランス良く出来ることがスケッチシリーズの成果となりそうだが…上手くいくだろうか。まあ、続けてみよう。



tohma

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