母のお弁当が食べたくなった
今日は原田マハさんの『生きるぼくら』を読んで思ったことを書く。
いじめがきっかけでひきこもりになった麻生人生があることをきっかけに祖母を訪れ、米作りを通じて成長してく話だ。
この小説にはよくおにぎりが登場する。おにぎりを通しての心情描写がとても素敵で、心温まる。
そして母のお弁当が無性に食べたくなってしまった。
高校3年間、私は母が作ったお弁当を食べるのが楽しみのひとつだった。
基本的に茶色くて、冷凍食品が多い。
愛情表現をあまりしない家庭なため、言葉にして愛情を確かめることはしたことがない。
けど、母のお弁当からはちゃんと愛情が伝わってきた。
何か行事があると可愛く海苔を切ってくれたり、タコさんウインナーを作ってくれたり。言葉にはしないけど、応援してくれていた。
毎日飽きないように少しずつメニューを変えてくれた。
たまにハズレな時もあって、それを伝えると「やっぱダメかぁ」なんて言って素直に受け止めてくれた。
私的に1番テンションが上がるメニューは、チーズインハンバーグ。
レンジでチンするだけの超簡単メニューだが、大好きだった。
なぜかというと、「チーズありの方が美味しいよね」と母がメニューを考えている姿を勝手に想像していたから。
そんな些細なことだけど、私にとっては生活を鮮やかにしてくれるものだった。
私は本当に恵まれた環境にいる。
どんな時も優しく、私のしたいことを尊重してくれる母の子供でよかった。
苦しくて何もかも投げ捨てたい時もあったけど、そうしなかったのは母の顔が浮かんできたから。母の悲しむ姿が想像できたから。
小説にこんな文章があった。
ぼくらは、みんな、生きているんだ。生きることをやめない力を持っているんだ。
私にとっての生きる力は母なんだなと思った。
いつもありがとう。
母の日っていつだっけ。今年は何をしようかな。
8日目。
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