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『賢い医師生活2』Ep5にみる、それぞれの日常

毎週のお楽しみ「賢い医師生活2」。
今回はEp5でフォーカスされた登場人物たちの日常について綴ろうと思う。


1.母の支配から抜けきれないソッキョンの日常

Ep5では、ソッキョンの離婚についてはじめて詳細に描かれた。

薄々わかってはいたけれど、ソッキョンの母親はいわゆる毒親的な存在で、それが離婚の原因。
これ、かなり重たい現実なわけだけど、「賢い医師生活」ではそれを深刻には描かない。
そんな母がいることもソッキョンにとっては日常だからだ。
そして彼はそのことに対し、ある種の諦観を抱いている。


また、元嫁の悪口をつらつらと述べるソッキョン母ヨンヘを嗜めるジョンウォン母ロサも、この重たい事実に殊更深刻になったりすることはなく、むしろ呆れてヨンヘを突き放す。

シーズン1で描かれた、ソッキョン父の愛人問題のくだりでは、ヨンヘに同情もしたけれど、ここではヨンヘの執着心みたいなものが垣間見え、ロサと同じように彼女を突き放したくなる。

ともあれ、のんびりしているようで、なかなかしんどい人生を送っているのがソッキョン。彼の優しさ、そして弱さがそうさせている。
親に振り回された、言葉を選ばず言えば「親に支配された人生」なのだ。


そんなソッキョンに好意を寄せるミナは、ソッキョンの人生に「明るい光」をもたらす。無邪気な彼女の恋心は誰もが応援したくなる類の健全さ。
ソッキョンにとってミナは、4人の親友との関係とはまた別の癒しとなっている(本人は今のところその重要度に気付いていないようだけど)

それでも、母のことを考えれば、彼にとって結婚や恋愛はめんどうなこと。誰かを元妻と同じ目に合わせるわけにはいかない。


しかし、ソッキョンに小さな変化が訪れる。
出産の瞬間を撮影するために手術室に入った患者の夫が、生まれた子供よりもまずは妻に駆け寄り、涙ながらに感謝する様子を見たことがきっかけ。「結婚という制度は必ずしも悪くない」と密かに感じるソッキョン。

他人だったのに 支え合い 愛情も注げるんだな

これは良い兆候。

一方で、

誰かの人生を壊す  母は変わらないよ。

こう言って、恋愛の可能性を閉ざすところは変わらない。
彼が再び恋をしたいと思うようになる日がくればいいな願う。。



それにしても、ソッキョンは気苦労が多すぎる。未だ子供に干渉する母親の存在とか、離婚した妻への申し訳なさとか。でもそれは、彼にとって日常の一コマであり、やり過ごす術を知っている。そこからどこかへ逃避するというわけでもなく、そうやって彼の日常は淡々と過ぎていく。

これはソンファが言うように、ある種の「回避」なのかもしれない。
でも、ソッキョンの生き方は理解できる。
母をはじめとする家族関係で疲れた彼は、人と向き合って傷つくくらいなら、自分だけの世界に閉じこもっていたいのだ。
その方がどれだけ精神的に楽だろう。
傷つきたくないからこその「回避」。ある種の自己防衛なのだ。

また、シーズン1の最終話で、ソッキョンが仲間たちに「自分の好きな事や やりたいことを 諦めずに生きたいんだ」と語る場面がある。

彼は、重たい現実が日常だからこそ「自分のための時間」の価値をよくわかっている。だからこそ、40歳になった彼の関心は、他者(家族)のために生きることより、自分のために生きることだった。


でも、幸運なことに、彼には仲間がいる。
Ep5では自身の内側に向かいがちなソッキョンを、ソンファがそっと外側へと連れ出す

まずは、「他人との無駄話」から。
ソッキョンにとってはリハビリ的ではあるけれど、ソンファの提案に素直に従うあたり、やっぱり彼は良きクマさん。

誰かと関わり合うことでしか味わえない幸福のため、彼は一歩踏み出した。


そして、ミナ。

5回の告白のチャンスのうち、既に1回を使ってしまった。。
逆にいえば、ソッキョンは5回のチャンスのうち、1回をあっさりとフイにしたとも言えるけど。。


2.ギョウルの胸につかえているものとは

ジョンウォンとギョウルカップルは見ているこっちが恥ずかしくなるほど、ラブラブで順調。

それにしても、ジョンウォンの優しいことよ。
彼女の荷物を自らすすんで(しかも自然に)持ってあげたり、ギョウルが蟹を食べやすいように準備してあげたり、とにかく彼女に甘い。
韓国カップルではあれが標準なのかしら。ジョンウォンに限らず、ドラマに登場する韓国男子は愛情表現がすごく上手だよね。

さて、Ep5ではギョウルはDV夫に殴られる患者を守るべく行動し、怪我をしてしまう場面がある。

このエピソード、朝4時にかかってきた母からの電話とリンクするのでないかしら。
特に、電話で母に「お父さんと喧嘩したの?」と尋ねる場面が妙に気になった。(つまりは父がDV?)

それに、怪我をしたギョウルの言葉も正義感から出ただけのものではないように感じる。

二度としないとは 言えません
暴行を見過ごすなんて…


蟹を食べながらジョンウォンに言った「1年後は何がおきるかわからない」という不穏な発言の意図もそこにあるのでは?と、勝手な妄想だけど。


そして、決定的なのは、ギョウルが例のDV夫の件でジェンウォンと話す場面。

どうしたらいいか一人で悩んでいたけど、みんなが知れば解決策も生まれますね



この言葉も「悪い事ほど皆に知らせて助けを求めろ」「なんでも受け止めるから、なにかあったら自分に話せ」というジョンウォンの言葉が、ギョウルが抱えているのかもしれない心の傷を連想させる。

いずれにしても、ギョウルの日常にはジョンウォンがいる。
支えてくれる人がいる人生は、それだけでなんと幸福なことか。


3.誰かと喜びを共にできる日常、それこそが人生の喜び

ある日、ソンファは結婚くらい大切なことを決行する。

それは「ズワイ蟹 10杯」(そりゃ重要だ)。

束草の刺身店から安くで買ったズワイ蟹を皆で食べるという超重要ミッションがそれだ。

誰かと喜びや楽しみを共有する。

こういうイベントこそが人生で最も重要ことなのではないかしら。
そして、そんな日常があることこそが幸せだと、改めて思う。


もうひとつ、誰かと過ごす日常が愛おしくなる場面がある。
それは、ロサとジョンスの日常だ。
二人の日常は地味で平凡だけど、とても平和。

「生きる楽しみがない」とぼやくジョンスも、「自分の人生は大河ドラマだ」と語るロサも、70歳という年齢相応のモヤモヤを抱えつつ、ここは年の功、ほどよい諦観を身につけている。

そして、身近にあるものこそに幸福と喜びがあることを知っている。
要は、大人なのだ。人生とは何たるかをわかっている。

こうやってお前と温かい飯に 味噌汁を食うのが唯一の楽しみだ


ジュンスのこういう言葉、いいよね。


また、遠慮のない間柄の二人は、今だから聞ける(言える)的なことをズバズバと。このあたり、吹っ切れ感があっていい。

たとえば、ロサの長男、ドンイル(久々の登場で嬉!)について。

「本当にお前の子か?」とジョンスがロサに尋ねる場面がそれ。

「随分すごいこと聞くのね」と思ったけど、こういうセリフもサラッと流されるのがこのドラマの良いところ。




さて、ロサとジョンスとは対照的に、諦観とはほど遠く感情が揺れているのが、ジュンワンとイクスン。
失恋まもないジュンワンは、それを誰にも相談できず、苦しさを抱え日々を過ごす。

Ep5冒頭で、ジュンワンが夜中にひとり、お酒を飲みながら電話をした相手は間違いなくイクスンなわけで。鳴り続ける呼び出し音と彼の背中がせつなすぎた。

そして、Ep5で一番胸が痛かったのが、帰国したイクスンが車の中からジュンワンを見つけるも、ジュンワンはそれがイクスンだとは気が付かないこと。
イクスンがジュンワンを見た瞬間に流した涙も、これまた、せつなすぎ。。

ともあれ、二人には時間が必要。
車中で流れいた音楽「もう一年(ブラウン・アイズ)」のように。


そして、ジュンワンの優しさは今週も健在。

ウンジの母に「ドナーへ感謝を伝えてほしい」と頼まれ戸惑うジュンワンは、それが違法だと知りつつ、強く断ることはできない。
クールかつ合理的なようでいて、ここでも彼の優しさが滲み出る。そんな彼の日常は他者への思いやりで溢れている




そんなこんなで、物語は駆け足で1年後。

ユルジェ病院にも新しい季節がやってくる。
コレまた新しいインターンとレジデントと共に。

こうやって季節はめぐり、日々は過ぎていくのだ。

雨もふれば、お腹もすく。

それが人生。

Ep6も楽しみなり。


【今週のイクジュン】
ソンファに充電するイクジュン。
また鼻の穴使ったわね。。

【おまけ】
ウジュが使っていた、こすると色が変わる手洗い用石鹸に感動。
日本でも売ってるのかしら?欲しい。。


トップ画像:tvN「賢い医師生活」公式サイトより引用
http://program.tving.com/tvn/doctorlife2



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