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主婦の仕事

数か月ぶりに友達に会ってきた。
その女性は私と同い年で、クロアチア出身。
スイスの職業訓練時代からの仲なので、もう20年以上の付き合いだ。
私たちの間には、決定的に違うことがある。
私は家族持ちの専業主婦、彼女は子なしのキャリアウーマンだ。
全く異なる人生を歩んできて、なんだか話が合わないなと感じた頃もあった。
でも今は違う。
彼女と出かけると、子供連れでは行かないようなレストランやバーに連れて行ってくれる。彼女は外食することが多いので、レストランの良し悪しもよく知っている。仕事に関しての経験は大変豊富なので、近いうちに社会復帰を考えている自分にとって彼女のアドバイスはとても貴重だ。
そして彼女は、私が歩んできた道を蔑んだりは絶対にしない。
むしろもっと自信を持て、と励ましてくれる。
「私ね、時々彼氏の甥っ子の面倒を見るのよ。それがもう本当に大変。
すぐどこかに行ってしまうし、人見知りするし。やっと公園で遊び相手ができたと思えば、今度は急に相手の子のおもちゃを取って泣かせちゃったりするの。ヒヤヒヤするわ。
夜ご飯作ってる時もね、私から離れたくないって抱っこしながら料理したのよ!そして急に泣き出すの。泣いて泣いて、マンマーって言いながら泣き止まないの。私たちはお母さんが恋しいのね、なんて思ってたんだけど、マンマって実はおしゃぶりのことだったのよ! それがわからなくてね。
ご飯を食べている間、ずーっと泣かれたわ。もう私も彼氏もお手上げで成すすべもなく、しょうがないからもう無視してたの。そうしたらまた、何の前触れもなく急に泣き止むの! 訳がわからなくて、とっても大変だったわ。
こんな大変なことをあなたは、四六時中やっているわけよ。すごいと思うわ。
仕事も大変だけど、子育てもとっても大変だわ。そんなあなたなんだから、もっと自信持って。仕事なんて、すぐに見つかるわよ!」

そう言ってくれた彼女に、私は感謝の気持ちでいっぱいだった。

そう。女性は、もっともっと自信をもっていいと思う。
私は男性の方が、自分のスキルを売るセンスがある人が多いように思う。
少しばかり誇張がうまい男性もたくさんいる。
女性はやはり謙遜してしまう人が多いし、自分ができることに自信が持てないことが多い。スキルはあるのに、過小評価してしまう。

日本だけではなく、海外でもこの傾向はまったく変わらない。

私なんて、もう今から面接が怖い。
仕事が見つかるだろうか、こんな私を雇ってくれる会社があるんだろうかと心配しかしていない。

自分を過小評価しないで、なんならちょびっと誇張もして見栄も張るような覚悟で挑みたい。
いつか誰かが言っていた。

「主婦ってのはね。清掃員、料理人、母親、妻、愛人、精神科医、看護師、先生、友達、遊び相手、家政婦、経理士、税理士。いろんな仕事をしてるのよ。」



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