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親離れ

ずっと置かれていた環境から離れた時、多くの事に気づかされる。
それが何なのかは、人それぞれだ。
その気づかされる中の一つに、自分の大切なものがある。

私の場合は、それが家族であって

これまでの家族の記憶が次々と掘り起こされる。

これが親離れか。とも思う。

私の家族はここ数年、あまり会話がなくて、
その理由は沢山あるけど、
親という、一人の人に対する諦めが大きな要因だ。
大人になり、自分の考えがいよいよ定まってきたら、
親という人との考えの違いや人間性が見えてくる。
同じ家で生活することさえ、息苦しくなってしまった。

それでも、いざ家を離れてみたら、
幼い頃に連れて行ってもらった景色や感情が、
これでもかと、色濃くよみがえる。
それも、良い記憶ばかりで、タイムスリップしたのかと錯覚するくらいに。

だけど、
これから見る景色には、きっと親はいないのだろう。
自分の見る景色を見せてあげることも、分けてあげることも、
きっとできなくなるのだろう。

どうやら私は、家族が好きみたいだ。


あおむしははらぺこ より

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