見出し画像

身体強化のために実施してほしい最低限のこと

 トレーニングによって身体強化を目指す際に、最低限実施してほしいことをまとめてみました。

 身体の強化はトレーニングや食事など様々なことが折り重なって成果が表れるます。
 そのため、どれか一つだけを頑張っても大きな効果は得られません。
 多くのことに手を付けていくよりも、ひと先ずは今回の記事の内容を一つずつ実施してみることをオススメします。

 過去の記事とも重複している点もあるので、詳細が気になった方はリンクした記事も是非ご覧ください。


1. トレーニング種類

 身体の強化を目指す場合は、バーベルやダンベルを使ったフリーウエイトでのトレーニングがお勧めです。

 マシンや自重でのトレーニングが悪いというわけではありませんが、フリーウエイトという選択肢があるのであればば、是非ともフリーウエイトでのトレーニングを選択するようにしましょう。

1-1. フリーウエイトと自重

 腕立て伏せなどの自重トレーニングと比べた際の、最も大きなメリットは「負荷設定が簡単」な点だと考えられます。

 フリーウエイトでのトレーニングの場合、使用するウエイトを変えることによって負荷を調整することが出来ます。
 しかし、自重トレーニングの場合は僅かな調整が容易だとは言えません。それゆえ、漸進的に負荷を増やすには少々頭を捻る必要があります。また、「自分の体重」という負荷の限界も避けられません。

 負荷を増やすには重量だけではなく、回数を増やすことでも可能です。
 しかし、目的が身体強化なのであれば、回数を増やして負荷を増やすことは最適とは言えないでしょう。「筋量」ではなく「筋力」を増やす場合は、それなりの負荷を与えることが必要とされています。そのため、重量設定が容易で使用するウエイトの分だけ負荷を高められるフリーウエイトの方がお勧めです。

1-2. フリーウエイトとマシン

 レッグプレスなどのマシンでのトレーニングと比べた際の、最も大きなメリットは「動きが固定されていない」点だと考えられます。

 フリーウエイトのトレーニングは、マシンでのトレーニングと違って動きに制限がありません
 当然、動きに制限がない中で定められた動きをするのですが、そうすることによって動きがズレないようにするために様々な筋肉が鍛えられることが一つのメリットだと考えられます。

 マシンでのトレーニングの場合は、(ケーブルマシンなどを除いて)基本的に動作の軌道が定められています。そのためマシンによって鍛えられる筋肉が決まっています。それがマシンのメリットでもあるのですが、身体強化という面に限ってはメリットにはなりません

 また、マシンでのトレーニングはアイソレーション種目が多いので、(理由は後述しますが)それも含めてフリーウエイトでのトレーニングを行うことをお勧めします。


2. トレーニング種目

 トレーニングをする際には、鍛えたい部位を使用するトレーニング種目を選択するようにしましょう。当然のことですが、脚力を鍛えることが目標なのに、上半身のトレーニング種目ばかり行うのは明らかな間違いと言えます。

 また、部位一つに対してトレーニングは複数存在するので、その選択にも気を配った方がより良い効果が得られるでしょう。その際、基本的にはコンパウンド種目をお勧めします。

2-1. コンパウンド種目

 コンパウンド種目は一度の動作で複数の関節が同時に動きます。複数の関節が同時に動くということは、筋肉も複数動くということです。それゆえ、アイソレーション種目と比べると高負荷のトレーニングをすることができます。

 目的が身体強化である場合は、重たい重量を扱えるようになるということは非常に重要なことです。
 また、スポーツなどの競技動作には一つの関節だけが動作している瞬間は基本的にないので、競技動作の向上という面でもコンパウンド種目が向いていると言われています。

 他にも、コンパウンド種目であれば全身を鍛えるために必要な種目数が少なく済むので、トレーニング時間を確保するのが難しい場合にはとても有用です。

 コンパウンド種目でなければならないというわけではありませんが、選択する余地があるのであれば、是非コンパウンド種目を実施するようにしましょう。

2-2. アイソレーション種目

 アイソレーション種目は一度の動作で一つの関節だけが動きます。そのため、一つのトレーニングに対して鍛えられる筋肉は一つです。

 アイソレーション種目はその特徴ゆえに、漸進を鍛えるためには多くの種目を行う必要があります。
 また、関節が一つしか動かないという点から競技動作の向上という面でも良いとは言えないでしょう。

 トレーニング時間に余程の余裕がある場合を除いてアイソレーション種目を上手に活用するには、極端な弱点部位がある場合やケガからの復帰時等に取り入れることが良いと考えられるでしょう。


3. トレーニングの設定

 身体強化のために筋力トレーニングをする場合は、負荷頻度などの設定にも気を配らなければなりません。

 この記事を読んでいるということは何となく理解していると思いますが、楽なことだけで今の自分より良くなることはあり得ないでしょう。

 自身の目標に向けて、適切な負荷と頻度でトレーニングを実施するようにしましょう。

3-1.負荷

 トレーニングによって筋力を鍛えるためには、ある一定以上の負荷を掛けたトレーニングでなければなりません。

 ある一定以上の負荷というのは、当然ながら人によって変わります。また、同じ人でも適切なトレーニングを行っていればその基準は変化していきます。そのため、負荷設定を見直しながらトレーニングを継続していくことが必要なのです。

 トレーニングを行う際には1セットの回数を決めて、インターバルを挟みながら複数セット行うことになると思います。その場合は、最後のセットで目標回数が達成できるかどうかぐらいの負荷設定で実施することが適していると考えられます。容易に達成できる設定や、1セット目から達成することが厳しい設定であれば、トレーニングに適しているとは言えないでしょう。

 まずは、1セット8回程度を3セット行うとして、3セット目で8回挙げれるかギリギリの重量で行うようにしてみましょう。

3-2. 頻度

 トレーニングの頻度が少なすぎるのは問題ですが、多すぎることが正しいとも限りません

 トレーニングの効果というものは可逆的です。
 そのため、トレーニングを行っていた人がトレーニングを中止すると、徐々に元に戻ってしまいます。そのため、トレーニングの効果が失われる前に次のトレーニングを実施しなければなりません。
 かといって、連日トレーニングを行うと疲労が溜まり続けるため、怪我のリスクが伴います。仮に疲労が溜まらないからといって連日行えているようであれば、その負荷設定ではトレーニング効果を得られるとは言えないでしょう。

 トレーニングの頻度を設定する場合は、前回のトレーニングの疲労を取る必要があるので、1日~2日ほどの期間を設けるようにしておくと概ね問題がないと考えられます。


4. 食事

 トレーニングの効果を得るためには、トレーニング内容だけを意識するのでは不十分です。

 トレーニングを実施した直後は疲労が溜まっているため、直後にプラスの効果を実感することは難しいです。トレーニングを実施した後に体を回復させ、回復したらトレーニングを実施する、これを繰り返すことによって初めて求めていた効果が実感できるでしょう。

4-1. たんぱく質

 身体強化のためのトレーニングと食事というと、ほとんどの人が真先に思い浮かべるのが「たんぱく質」でしょう。

 トレーニングを実施することによって、体内ではたんぱく質の合成が促進されるようになります。この場合、たんぱく質の合成は筋肉の合成と捉えることになります。

 この際、合成される筋肉の材料が不足していると、合成量を最大化することができません。筋肉の材料であるたんぱく質が体内に豊富にあることによって、体内での合成反応を無駄にすることがなくなるのです。

 トレーニングを行って身体強化を狙う場合には、しっかりと食事等でたんぱく質を摂取するようにしましょう。
 具体的な数値としては(トレーニング強度にもよりますが)体重1kgに対してたんぱく質2gを摂取すれば問題ないと言われていますが、まずは毎回の食事で主菜となる肉か魚、もしくは大豆製品をしっかりと食べることから始めましょう。

4-2. エネルギー

 筋肉を合成するためにはたんぱく質が必要と前述しましたが、たんぱく質だけでなく、たんぱく質を有効活用できるようにしっかりとエネルギー(kcal)を摂取する必要もあります。

 エネルギーが不足している状態では、たんぱく質は筋肉の合成よりもエネルギーの生成に使用されてしまいます。たんぱく質を有効活用できるように、エネルギーもしっかりと摂取するようにしましょう。

 エネルギー量の目標は具体的な数値から決めるのは最善とは言えません。なぜなら、生活(仕事や運動量)によって個人差が出やすい要素であるからです。
 そのため、(身体強化を目的とする場合は体重を増やす必要があるので)少しずつ食事量を増やし、継続して体重を測定しながら調整することが重要です。目安としては、体重が1ヶ月で1~2kg程度増えるぐらいしっかりと食事をすることが、体脂肪の極端な増加も避けられて良いと考えられます。

4-3. その他

 たんぱく質とエネルギー以外にも摂取するべき栄養素は多々あります。
 脂質はホルモン等の内分泌系に欠かせない存在ですし、体内での反応を正常にするためにはビタミンミネラル等の微量栄養素も欠かせません。

 こういったことを説明すると、「プロテインを飲んだ方が良いの?」や「サプリメントを使った方が良いの?」と、質問されることが多いです。まずは、そういったものを購入する前に、肉・魚・野菜・乳製品などをそれぞれ色々な種類食べるようにしましょう。


5. 最後に

 身体強化を達成するためには、ただトレーニングをするだけでは不十分です。

 トレーニングの内容や、トレーニングを円滑に継続するための休養等にも意識を持ちましょう。

 今回の記事の内容だけを行っていれば完璧というわけではありませんが、これまでに意識できていないことがあったのであれば取り入れてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?