浅野実子【みのりヒーリング/心身トラウマ研究所】

からだから癒すトラウマセラピスト/SEP:Somatic Experiencing®(…

浅野実子【みのりヒーリング/心身トラウマ研究所】

からだから癒すトラウマセラピスト/SEP:Somatic Experiencing®(ソマティック エクスペリエンシング)プラクティショナー/理学療法士/上級心理カウンセラー/東京・阿佐谷(ZOOMも対応) ▶ https://minori-healing.com/

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  • 生きづらさとセンサーのお話

    生きづらさの元になっている「センサーの不具合」について書いています。トラウマサバイバー、愛着の傷つき(発達性トラウマ)、HSP、発達障がい、依存症、自律神経の不調、不登校など、さまざまな生きづらさを抱えて生きる人、その人を愛する人へ。

最近の記事

ドラマティックだけが感動じゃない

セッションはいつも しみじみと感動的です。 でもそれは決して、セッションが成功したという意味ではありません。 その日のセッションのなりゆきは、クライアントご本人が抱えているトラウマの大きさ、深刻さ、切実さ、痛さ、苦しさによるし、今どのプロセスにあるかにもよります。私とクライアントさんの関係性にもよるでしょう。当日のコンディションももちろん左右します。 わかりやすく「今日はトラウマ経験をひとつ乗り越えたね!」というセッションもあれば、ほとんど何も起きないセッションもありま

    • 続けることの大切さ、私も知っています

      トラウマワークは続けることが大事。 ということ、 身をもって知っています。 私もクライアントとして、SEのセッションを10回以上受けた経験があるからです。 Somatic Experiencing®のプラクティショナーに認定されるためには、セラピスト自身がクライアントとして、決められた回数以上の個人セッションを受けなければなりません。 これは「練習としてクライアント役を経験する」ということではありません。ちゃんと料金を払い、ひとりの個人としてSEセッションを受けるよう

      • トラウマワークは続けることが力になります

        トラウマワークが一度きりで終わることはほとんどありません。 トラウマというのは、たとえひとつだけに見えていたとしても、実は大きなものから小さなものまでいろいろなトラウマがあって、それらが煮込みすぎたシチューのだんごのようにくっついている状態であることがほとんどです。 たとえば、小学校のときに理不尽なことで一方的に先生にひどく叱られて硬直してしまったというトラウマの場合、 できごとは「先生に叱られた」というひとつだけのことであったとしても 誰も助けてくれなかった 誰にも

        • It's never too late to heal.  癒やすのに遅すぎることはない

          タッチワークをご希望される方が増えています。 いらっしゃる方の中には、これまでにカウンセリングや心理療法、何らかのセラピーを受けた経験があるという方が少なくありません。 何かおかしい、何かちぐはぐ、生きづらさや身体の不調を抱えながら、それでもなんとかどうにかならないかと、いろいろな治療法を試された後にタッチというものがあると知り、「自分にはこれが良いのではないかと思った」ということで、セッションにお越しになります。 とはいえ タッチワークでなければ良くならない というこ

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        • 生きづらさとセンサーのお話
          2本

        記事

          みなぎる力を感じること

          ヒヤシンスが咲きました 花が咲くことには 格別のよろこびと華やかさがあるけれども でも私は花よりも もう今にも咲こうとしている蕾のときが 何よりも好きで いつまでも見ていられます。 みなぎる何かを感じる。 トラウマ療法をしていると 絶望に接することがとても多いわけですが でもその 厚く立ちこめる真っ黒な絶望の中に 閃光のような 火花のような かすかな光の気配を感じることが 絶望と同じくらい あります。 どんな人からも どんな絶望の中にも 必ず感じます。 スパ

          生きづらさの元である「センサーの不具合」を調整すること

          「安全と脅威を見分けるセンサー」について、もう少しお話します。 生きづらさの元になっている「安全と脅威を見分けるセンサー」は、私の誰もが生まれつき持っているものですが とはいえ、生まれた直後のセンサーはまだまだ未完成です。健全なセンサーとして調整されていません。 センサーそのものは、ママのお腹の中にいるときから、順番に少しずつ発達しています。 驚くべきことに、妊娠7週の胎児にも原始的なセンサーが備わっている様子が観察されているんですね。 (原始的ではあるとしても)胎

          生きづらさの元である「センサーの不具合」を調整すること

          生きづらさは「センサーの不具合」です

          大なり小なりのトラウマを経験することの何が問題かといえば、「安全と脅威を見分けるセンサーが不具合を起こす」ということです。 屋根のある家に住み、舗装された道路を歩き、自動車や電車で移動し、食べ物はスーパーやコンビニで買い、ときにはレストランで調理された食事を食べ、水は蛇口をひねれば出る、夜になれば電気がつき、寒ければ暖房、暑ければクーラーを入れ、あたたかいお布団やベッドで眠る という、 現代的でテクノロジーに囲まれた生活をしている私たちは、「安全と脅威を見分けるセンサー」

          生きづらさは「センサーの不具合」です

          激しいトレーニングをしすぎる人がからだとつながれない理由

          からだにフォーカスするからといって、 それは別に、フィットネスのようなこととは違います。 意外なことかもしれませんが、激しいスポーツや過酷なトレーニングをしている人の中には、からだとのつながりが絶たれてしまっている人も多いのです。 たとえばジムでやるようなマシンを使ったワークアウトだったり、マラソンだったり、酸素の薄い高地でマラソン以上の距離を走るようなトレイルランニングだったり、トライアスロンだったり、 激しく過酷なスポーツにハマって、日夜トレーニングに励んでいる人が

          激しいトレーニングをしすぎる人がからだとつながれない理由

          「頭でわかっていてもどうしようもない」というときには

          とらえどころのない「心」というものと向き合うには、「からだのことば」を使わなければならない。と前回お話しました。 私たちがふだん話したり書いたりしている言葉、つまり「言語」ではダメなのです。 たとえば、 「頭ではわかっているのにイライラの爆発を止められない」というとき。 ある一日、小さな子どもがいて、夫もいて、自分だけが夕ごはんの支度をしている。朝から小さなハプニングがいろいろあって、仕事の疲れもあって、まだ小さいきょうだいはどちらかがぐずったり泣いたりぶったり部屋を散

          「頭でわかっていてもどうしようもない」というときには

          心について、からだが伝えてくれること

          心というものが どこにあって、どんな形をしているのか 本当のところ、私たちの誰もまだよくわかっていないので だからとりあえず、心について語ろうとするとき、多くの人は「言語」を使うことにしています。 もちろん言語以外の、何か別のものを使う人も、中にはいます。 たとえば音楽家は、楽譜として書かれた一音一音に込めた作曲家の思いを、音色で表現します。歌手なら声で、ピアニストならピアノの音色で、人生の悲しみやよろこびを表します。それは作曲家の心のことばであり、演奏する人の心のこ

          心について、からだが伝えてくれること

          トラウマとは

          トラウマは、「できごと」ではなく「体験」です。 たとえば何か大きな天変地異のようなことが起きたとします。 でもそこに誰ひとりいなかったら、ただデータとして観測されただけだったら、そのできごとはトラウマにはなりません。 その天変地異を体験した人が誰もいないからです。 でもたとえば満員の通勤電車の中では、きっとものすごい数のトラウマが、日々生まれているでしょう。 それを体験し、苦しさや辛さを味わい、なのに逃げることも闘うこともできないでいる人がたくさんいるからです。

          〝その悩み、トラウマかもしれません〟

          からだの不調、人生の悩み、生きづらさ。 検査しても薬を飲んでもカウンセリングに通っても、なかなか不調が解決しない……ということはありませんか? 人生の中の長い時間を、痛みや苦しさに耐えることに費やしてはいませんか? なぜ自分だけ、恋愛や仕事がうまくいかないのだろうと悩んではいませんか? 大して悩みも努力もしない人が、自分よりずっといい人生を送っているように思えて、落ち込んでしまうことはありませんか? もっとがんばらなければ、もっと成果を上げなければ、もっと素敵でいな

          〝その悩み、トラウマかもしれません〟