過疎の土地で暮らす。変わりゆく中で変わらないものを伝えたい話

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こんにちは。マタキです。

前回は「世界観」と言うキーワードでnoteを書きました。

前回のnoteはこちら

■写真を撮る理由

僕は、能登の豊かな自然や美しい景色をたくさんの人に見てもらいたくて、見てくれる人の身近な所に目を向けてもらいたくて、写真を撮り続けてきました。住み慣れたこの場所でも、自分の知らない瞬間や景色があって、どこか懐かしさを感じさせるようなちょっと切ないような、いろんな感情を抱かせてくれる不思議なこの土地を自分なりに表現できればと思っています。

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能登で生活をしていると、時間の大切さに気づかされます。
写真を通して向き合う時間はその一瞬にしかなく、過ぎゆく時間や消えゆくモノは取り戻せません。だからこそ些細な日常でも、特別な瞬間でも、“時間”という概念を大切に僕はシャッターを切ります。

そうした中で生まれてきた1つの感情があります。それは

『変わりゆく中で変わらないものを伝えたい。』

と言うものでした。

■過疎の土地で生きること、思うこと

実は、今年の春に卒業した地元の小学校が取り壊されました。
卒業した小学校が廃校になったのは、僕が卒業した翌年で、当時僕の同級生は6人、全校生徒は40人程でした。少子化により廃校になって以降、建物の老朽化が問題視され今回の取り壊しが決まりました。
育った学び舎がなくなることは寂しい気持ちもあります。

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ですが、これは学校に限った話ではありません。

今や少子高齢化は多くの地域で問題となっていて、僕の暮らす能登町は消滅可能性都市とまで言われます。*石川県の人口と経済についてより

人がいなくなるとどのようなことが起こるのでしょうか。

例えば、お祭りがなくなります。
ご存知の方もいるかと思いますが、能登はお祭が盛んな土地で、夏から秋にかけては多くの地域でその地域特有のお祭が行われます。

僕の地元のお祭りは、小学生の男の子が女装をし、山車に乗って歌い踊り集落を周る”きやらげ”というお祭りで、能登町では唯一僕の地元が行っています。 

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ですが、このお祭りも少子化の中で担い手となる小学生の男の子の数が減り、消えゆく文化になりつつあります。

そしてこれはお祭りに限った話でもありません。

数十年後、この地域はどうなっているのだろうかとよく考えます。

私は仕事の傍ら、趣味で能登の風景や、自然、日々の暮らしを写真で切り撮っていますが、この町には素晴らしい景色が沢山あります。

例えば、北アルプスの山々から登る朝日。満天の星空。田園風景。里山里海。お祭りなど、あげればきりがありません。

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■写真を撮ることを通して

前回お話しした僕が大切にしている「世界観」に「当たり前の日常」や「何気ない瞬間」と言うテーマがあります。

自分たちが過ごす時間はその時にしかなく、過ぎた時間は取り戻せません。

そしてそれは、少子高齢化社会の中で消えゆく文化や町の景観、人々の暮らしも同じなのだと思います。

変わっていく環境の中で、自分に出来ることは小さいけれど、写真を通して能登のことを伝えていけたらと思っています。

また、例え失われゆくものでも写真として残していたいと思っています。
そうすれば記録にもなり、誰かと共有をすることができるからです。

写真をSNSなどにあげると、能登が魅力的な場所だと言ってくれたり、写真を楽しみにしてくれている人たちがいます。能登まで来てくれる方もいます。町の外に出た友人でも「能登に帰りたい」と話す人もいます。 

少子高齢化の波が奪い去るものも多いかもしれません。でもその中でできることはたくさんあるし、変わっていく環境の中で変わらないものを大切にしていたいと、変わらずにこの場所で暮らす人たちがいることを、何気ない日常の中の景色を誰かに伝えていたいと思います。

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