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SEO対策とは、読者の「それが欲しかった!」を適えること

当記事は、前職でライター・編集者の育成に使っていた「SEOの解説書」に加筆・修正を加えたもの。メディア運営におけるSEO対策がよくわからない方におすすめです。

商業メディアを運営していく上では欠かせない、PV(ページビュー)。

「PVを指標にするメディアはダメだ」「PVを指標にすると本質を見失ってしまう」とはよく言ったものですが、それは半分正しくて、半分間違っています。

例えば、1つ1つ丁寧に記事を作っていても、人に読まれない商業メディアは意味がありません。逆に多くの人に読んでもらえても、記事の内容に嘘偽りがあり、読者に害を与えるメディアもダメです。

したがって、PVをある程度意識しつつ、有益な情報を発信していくことが商業メディアの基本戦略となります。

そして、PVを向上させるための一手段として叫ばれているのが、「SEO対策」と呼ばれるもの。

SEO対策とは

SEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)対策とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンで、特定のキーワードで検索した際に上位に表示されるための施策のこと。

たとえば、寺社関連のメディアを運営する場合、「神社 参拝」「お寺 ヨガ」などのキーワードで検索上位を取っていく必要があります。

検索上位を取るためには、そのキーワードで検索する人たちのニーズを理解しなくてはなりません。なぜなら、SEO対策の本質は読者の「そうそう! それが欲しかった!」を適えることだからです。

読者のニーズを理解する方法

読者のニーズを理解するためには、実際にその読者に取材するのが一番。

しかし、「神社 参拝」で検索する人と「お寺 ヨガ」で検索する人ではニーズが異なるように、キーワード毎にターゲットは異なります。これを1つ1つ外に出て調査しているとキリがありません。

そこで多くのWebマーケティング担当者は、検索エンジンを使って、ターゲットとそのニーズを推測します。

ターゲット・欲しい情報を推測する手順

1.Google Chromeを使いましょう。ダウンロードしていない方はパソコン版 ChromeのHPから入れてください

2.Google Chromeを開き、右上のタブから「新しいシークレットウィンドウ」を開きましょう

すると、以下の様なウィンドウが開きます。このウィンドウを使うことで検索結果のブレ(※)を無くすことができます。

※検索エンジンは検索者の位置情報や傾向を洗い出し、自動的に検索結果を変更しています。そのため、検索者ごとに検索結果が微妙に異なる場合があります。

3.推測したいキーワードを検索エンジンに入力してください。ここでは「手水」を例に考えてみましょう

「手水」を検索エンジンに入れてみると、関連ワードが表示されます。ここから「手水」で検索している人やその人が欲しい情報を、ある程度推測できます。

例えば、「手水 読み方」で検索しているのは「手水の読み方を知りたい人」と推測できますし、「手水 作法」や「手水 やり方」で検索しているのは「手水の作法(手順、やり方)を知りたい人」と推測できます。

4.「手水」で検索をかけてみましょう。下の方にスクロールすると手水に関する検索キーワードが表示されます

ここでも推測ができます。

5.検索結果を見てみましょう

ここでは上位6ページのみ取り上げています。6ページを見るかぎり「手水」と検索する人が欲しいのは「手水の意味」と「手水の作法」に関する情報だと推測できます。

ただし、これはあくまで検索エンジン(機械)が「読者のニーズに適している」と認識している情報です。実際には、読者の役に立っていない可能性があることも頭に置いておきましょう。

6.以上の推測材料から、ターゲット像とターゲットが欲しい情報を固めていきましょう

こんな感じにまとめるのがオススメ。

ここまで来れば、あとはしっかり調査・取材をして、わかりやすく記事をまとめるだけです。

わかりやすくするために押さえておきたいテクニック

ここではターゲットに対して、また検索エンジンに対して「有益な情報がありますよ〜!」と分かりやすく伝えるテクニックをお伝えします。

タイトルで惹きつける

ターゲットが記事を見る(クリックする)かどうか、その判断をする一番のポイントがタイトルです。タイトルでターゲットを惹きつけられなければ、どれだけ有益な情報があったとしても読まれません。

細かいテクニックは「数字で証明!5倍以上のクリック率を叩き出した「タイトルのつけ方」」を参考にしてもらうと良いのですが、最低限意識したいことは以下の3つ。

▼32文字以内でまとめる
検索結果に表示される最大文字数は全角32文字(※)。したがって、タイトルは32文字以内にしましょう。もし32文字以上になってしまう場合でも、伝えるべき内容が32文字以内で分かるようにしましょう。

※ツールや時期によって変動しますが、基本的には30文字前後だと考えていただくとよいかと。

▼キーワードを必ず含める
タイトルには必ずキーワードを含めましょう。例えば、「手水 作法」というキーワードで記事を書く際に「手水とは何か調べてみた」ではなく、「手水の作法について調べてみた」です。

ただし、キーワードを含めれば何でもOKというわけではありません。「手水の作法とは?意味とは?歴史とは?読み方とは?」とか「手水の作法知っている?手水の作法について手水専門家に聞いてみた」みたいなタイトルは伝えたい内容がぼやけてしまったり、重複しすぎていたりするのであまりおすすめしません。

▼メリットを明らかにする
その記事は誰にとって得なのか、どんなメリットがあるのか、明らかにしましょう。

例えば、「初心者でもできる」「◯分でわかる」「二度と間違わない」など。記事を読む人を想定し、「これは君に言っているんだよ」ということを明らかにするよう意識しましょう。

ただし、キーワードはタイトルの前の方にある方がSEO上良いとされています。あまりにも長過ぎたり、ありきたりなものになってしまう場合は、なるだけシンプルにした方が良いです。

以上から、『飲むのはNG? 正しい手水の作法とは?』や『3分でわかる! 「手水」の作法』などが妥当かなと。

導入文で読者のハートを鷲掴みする

無事にタイトルで惹きつけることに成功しても、その後すぐに離脱される可能性は大いにあります。「この記事は欲しい情報が書かれていない!」と読者に思われた場合ですね。

これを防ぐためには、導入文で読者のハートを鷲掴みにしておく必要があります。したがってここでも、①誰に向けて書いているのか明らかにする ②どんな内容か簡潔に伝える。この2つを意識して導入文を作りましょう。

ちなみに「え、何それ!? 知りたい知りたい!!」と思わせられるなら、上の2つの要素がなくても大丈夫です(以下、参照)。

中見出し、小見出しを上手く活用する

導入文で読者のハートを鷲掴みにできたら、もうほぼ読み進めていただけます。しかし、肝心の本文が論文みたいにずら~っと文字ばかりが並んでたら、せっかくの読む気も失せてしまいます。

そこで、見やすくするために中見出し(h2タグ)、小見出し(h3タグ)、太字(bタグ)を上手に活用しましょう。中見出し、小見出しも関連キーワードを含めつつ簡潔にまとめると良いです。

例えば、先の「手水」の例で言うと、中見出しとしては「手水の意味」「手水の基本的な作法」などで、「手水の基本的な作法」内での小見出しは「手水舎の水を飲むのはNG」などがそれにあたります。


もちろん手水の情報量自体あまり多くないので、小見出しを作る必要性がなければ(本文中にサラッと書けるくらいの情報量であれば)、中見出しだけにしておきましょう。

結論・概要→理由・詳細の順で書く

当たり前のことですが、関係のない情報をグダグダ書いてある記事よりも、簡潔に情報が整理された記事の方が読みやすいです。

文章を簡潔にする上で意識したいのが、結論・概要→理由・詳細の順で書くこと。いわゆる、英文ライティングですが、基本的にはこの順で書いた方が分かりやすくなります。

なるだけ無駄な文章や装飾を省き、シンプルにしていく意識を持ちましょう。

画像を有効活用する

画像にはイメージをしやすくしたり、読みづらさを軽減したり、話題転換を自然にしたりといった効果があります。

見出し毎で話題転換がされるので、各見出し毎に本文の内容に合う画像を持ってくるのが一般的。もちろん、それ以外にもイメージさせる必要があったり、話題転換があったりする箇所には画像を是非お使いください。

写真の使い方は『「彼女は妻であり、最高の被写体でもある」夫・桑島智輝が語る、安達祐実オフィシャルフォトギャラリーの裏側』とかがとても上手なので、ご参考いただければ。

目的は読者に喜んでいただくこと

細かいことを言うとキリがないので、ひとまずここに書いたことを意識して記事を作成してみるといいでしょう。 きちんと実践できれば、それなりの確率で10位以内には入ってくると思います。

繰り返しになりますが、SEO対策の本質は読者の「そうそう! それが欲しかった!」を適えることです。あくまで目的は読者に喜んでいただくこと。結果としてついてくるのが、検索上位表示というお話です。ここを忘れて、機械的に記事を作成してしまうと、いずれ痛い目を見るのでご注意を!

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