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始めます「みんなのデザイン進化論」

ごあいさつ


こんにちは「みんなのデザイン進化論」編集長の安土です。
レベルフォーデザインというデザイン会社で
アートディレクターを務めています。
この「みんなのデザイン進化論」というメディア発足をきっかけに
デザインとはなんだろうと、改めて考えることにもなりました。

デザインとはなにか。
唯一これという正解のない
大きく深いテーマであることを噛み締めつつ
私からの第一回は、
どんな経緯で発足したのか、簡単にご説明したいと思います。

命名は、
私たちレベルフォーデザインにとって
非常に大切なビジネスパートナーであり、
このメディアの発案者でもある the creative journey の酒井さん。
(酒井さんからはいつも物事の本質を捉えるための視座を与えていただいております。この場を借りて感謝申し上げます。)
プロジェクトメンバーとどんなメディアにしたいか
ブレストするなかで、キーワードのひとつに
デザイン経営というワードがありました。

経産省から「デザイン経営」宣言が提言されてから

https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kodo_design/pdf/001_s01_00.pdf

すでに数年が経っていますが、
簡単にいいますと、「この先の市場において、新たなイノベーティブ経営が必要」
そのために「経営にデザイン思考を取り入れよう」ということを謳っているのですが
言葉自体も、その考え方も浸透はまだまだ途上というところだと感じます。

その名の通り経営視点での宣言という印象ですが
実態を肌で感じるために
我々も独自に定量的なアンケートを行ったことがあります。

対象は、デザイン業界以外の方々(中小企業経営者含む一般職対象)
内容は、デザインやクリエイティブについてどこまで馴染みがあるか、また、知っているかといった項目です。
(対象数はそれほど多いものでなかったため、検証する情報として精度の高いものとは必ずしも言えませんが、
ある種の傾向のようなものを知ることができたように思います。こちらについてはいずれ触れていきます)。

集まった回答は、
殆どが「よくわからない」でした。
この、経営の中での
デザインないしクリエイティブへの関心の低さは、
時折耳にする「私、絵が苦手なので良くわかりません」というものにみられるように
戦後の日本の教育や経済の流れ、西洋のアートやデザインの歴史とも大きく関わっているので
良い悪いの話ではないし、誰かのせいでもないのですが
その回答を見た時は少し寂しいというか、正直にいうと残念な感情を抱きました。
と同時に、どこかまぁ仕方がないか、そんなものだろうとさえ思っていました。

なぜなら、デザインはコストと思われがち。
クリエイティブの必要性をなかなか理解してもらえない。
という経験は仕事のあらゆる面で、よく体感していたことだったからです。
こういった表現にすれば、
このコンセプトにすれば、
全部デザインを揃えれば、
そしたら本当はもっと良くなるはずなのに。
この価格には理由があるのに。
なかなかわかってもらえない。
あ〜難しいね。

この「難しいね」というのは便利な言葉で、
答えが出ないことや課題に対していとも簡単にその議論を終わらせることができるんです。
だれしも経験があるのではないでしょうか、

例えば人から相談されて、難しいね・・でうやむやに終わったことなんかが。
かつて自分はこの「難しいね」で思考を止めてしまうことが本当に多かったと思います。

先ほどのアンケート結果の件も
だからといって、「それじゃしょうがないよね、難しいよねといって、それでいいのだろうか。」と
考えてみることは、これからの私たちにはとても重要なことのように思います。

単純に理解してもらえる言葉や、表現を持ち合わせていないだけなのに
デザイン業界に身を置く自分たちが、理解されないもの、わかりにくいものとして
責任転嫁とは言い過ぎかもしれませんが、その特性にあぐらをかいていはしないだろうか。

自分自身は経営者の考えに寄り添ったり、
経営視点で物事を話せるアプローチは一度でも通過したのだろうか。
酒井氏いわく、
経営者は先々のビジョンを描けば描くほど、
表現が抽象的になってしまいやすいといいます。

その抽象的なイメージを形にしてあげるのがデザイナーの役割ではないですか?
デザイナーは本来それができる人たちだと思うんです。
抽象的なものを言語化し、形にする
それができたら最強ですね。と。

その言葉に励まされたような気持ちになりながら
内省し、アカウンタビリティの重要性を痛感するのでありました。
さて、この「みんなのデザイン進化論」
どのように広がりを見せていけるだろうか
どんな意義を見出せていけるだろうかと考えます。

まだまだ不透明な要素もたくさんありますが
デザインとは何かといったことはもちろん、
これからのクリエイターのキャリアを考える場にもなるのではないかと思います。
そしてそうなっていくと面白いなと思います。

最後に、冒頭で触れた
「デザインとは何か」について考えるにあたり
原研哉さんは著書「デザインのデザイン」の中から
そのヒントになるような一説を。

“何かについてわかるということは
何かについて定義できたり記述できたりすることではない。
むしろ知っていたはずのものを未知なるものとして、そのリアリティにおののいてみることが、
何かをもう少し深く認識することにつながる。”

と記しています。

そしてコップを例にあげ、
コップなんて誰でも知っているけど
いざコップをデザインしてくださいと言われたら
コップとはなにかわからなくなる
でもそれはコップに対する認識が後退したわけではないと
むしろ考察が深まったのだと。
デザインもきっとそうなのだろうと思います。

ですからまずはコツコツと、
でも大胆に始めていけたらと思います。
みんデザに訪れていただけた皆さんが
BMDビフォーみんデザ/AMDアフターみんデザ
でなにかちょっとだけでも変わりましたと
言っていただけるようになるといいなと思っております。

記事の執筆はプロジェクトメンバー以外に
外部のパートナーの方々、
ひいてはお仕事で関わったお客様にも登場していただけたらと思っています。
「いいよ!」という方がいらっしゃいましたらぜひお気軽に声をかけてください。

それにしてもデザイン進化論
このアカデミックな雰囲気が漂う語呂の良さに
なんだか自分が理知的な人間になったかのような気がしてきました笑

それでは、
帝都東京は渋谷区渋谷、今も開発が終わらない動的平衡の権化たる街より、
レベルフォーデザインがご提供する本邦唯一のフリースタイルメディア、
みんデザもとい、みんなのデザイン進化論の始まりです。

⚫︎この記事を書いた人
安土潤一郎 (あづち じゅんいちろう)  /  L4D / アートディレクター
秋田県出身。アートディレクター。みんデザプロジェクトリーダー。カレーが好きです。
X(旧:Twitter):https://twitter.com/Jun_L4d




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