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まちを盛り上げるエンジンに。ふるさと納税がきっかけの、ファンづくり<後編>

ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために、地域で頑張るヒトの声を、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えする、「みんなとチョイス」のnote。

このnoteは、<前編>の続きです。

今回は、後編。2023年3月26日(日)に、東京都内で開催した、山形県上山(かみのやま)市との、ファンミーティング当日を振り返ります。また、これから上山市が目指していきたい “まちの未来” について話している様子も、お届けします。

川島 啓太さん
山形県上山市役所 観光・ブランド推進課シティプロモーション推進係
北海道函館市出身。2013年4月に上山市役所に入職。2018年4月にふるさと納税担当職員となる。現在は、ふるさと納税業務全般、及び、ファンクラブ関連業務を行う。

堀 匡俊
ふるさとチョイス事業本部/地域ソリューション部
島根県大田市出身。2020年にトラストバンクに入社。主に、ふるさと納税業務に携わる自治体のサポート業務などを担当。

かみのやまファンクラブ ENGINE~縁人~

ファンクラブを立ち上げた背景

堀:今回のファンミーティングのメインテーマでもあった、かみのやまファンクラブ ENGINE~縁人~ですが、まずはどのような取り組みなのか、教えてください。

川島:『かみのやまファンクラブ ENGINE~縁人~』は、上山市に複数回ふるさと納税をしてくださった方や、すでに上山市と繋がりがある方を対象にしたファンクラブです。せっかく上山市に、ふるさと納税をしてくださった方々と、もっと深く繋がりたい。そしてもっとディープな魅力を発信したい!という考えから、2019年にこのファンクラブが立ち上がりました

堀:『 ENGINE~縁人~』という、ネーミングもいいですよね。

川島:上司が考えた造語なんです。上山市を元気づける“エンジン”に。そして、輪になって“円陣”を組み”、ともにまちの活力を高めていきましょう!という希望が込められています。

堀:どの自治体様も、まちのファンの数を可視化することに、悩んでいると思います。だから、ファンクラブの運営を継続すること自体が、すごいことですし、会員数がすでに3,000人を超えているというのも、驚きでした!

『かみのやまファンクラブ』イベントの様子

川島:立ち上げ時から、まちの魅力を伝えるイベントの開催や、メルマガ配信などを続けてきました。全国にファンクラブ会員がいるので、仙台や名古屋など、東京に限らず様々な場所でイベントを開催したりしています。

堀:正直、上山市外でイベントを運営するのって、労力的にも役場内の調整としても大変なことだと思います。でも、ファンにとってはすごく嬉しいですよね。

川島:そうですね。私たちも、全国の上山市ファンに会いに行けるのが楽しいし、好きなんです。やっぱりこの活動の最終的な目標は、「上山市に来てもらう」こと。そのためには、お礼の品以外の魅力も知ってもらいたいんです。

堀:ふるさと納税で上山市を知ったけど、まちの取り組みや特産品など、他の魅力も知ってもらうということですね。

川島:はい。例えば、ワインが好きだから上山市を応援している!という方にも、温泉やクアオルト事業のことを伝えることで、総合的に上山市を好きになってもらえるのかなって。来てもらうのを待っているのではなく、私たちから会いに行く姿勢を大切にしています。

堀:全国にアツいファンがいるって、心強いですよね。今日のファンミーティングでも、「上山市のことを、他の誰かにも伝えたい!」と言っている方がいて、そういう関係づくりができていることは、ふるさと納税事業において、一つの大きな事例になるなと思いました。

いつも思い浮かべるのは、ファンの顔

川島:私、上山市の魅力を知ってもらうために、「これ伝えたい!」と思ったことを、ふるさとチョイスの機能を使って送れるメルマガを利用して、チョイスの寄付者さんに不定期で送っているんです。

堀:川島さんのメルマガ、人気ですよね!

川島:ありがたいことに、読んでくださる方がいて(笑)。先日の『ふるさとチョイス大感謝祭』でも、「メルマガ面白いです」「あなたが川島さん!いつも読んでいるよ」と声をかけられて、とても嬉しかったんです。

堀:あらゆる接点で、ファンを作っていらっしゃるんですね。

川島:実はこのメルマガ、『かみのやまファンクラブ』の会員さんの顔を思い浮かべて、書いている時もあるんです。

堀:え!初耳です!

川島:例えば、上山市のワインが好きと言ってくださった会員さんと話したことを思い出して、「あの方だったら、こういう情報が届いたら喜んでくれるかな」とか。メルマガを送るときに、自分の中で特定のターゲットを決めて、書いてる感じです。

堀:ファンクラブの会員さんと直接お会いできているからこそ、できる試み!すごく深いお付き合いができていますね。

『かみのやまファンクラブ』イベントの様子

川島:はい。実際に今日も、『かみのやまファンクラブ』の初回イベントに来てくださった方が、ファンミーティングの参加者にもいらっしゃいました。私のことを覚えていてくださって、「ご無沙汰しています。」と言われて、嬉しかったです。

堀:ふるさと納税は、WEB上で完結できるので、寄付者の顔や表情を、絶対に知ることができない。だからこそ僕たちは、この『みんなとチョイス』のファンミーティングや、『ふるさとチョイス大感謝祭』で、寄付者と地域が直接繋がれるような場を作っているのですが、上山市は、自分達でそのような機会をつくっているのが、素敵だなと感じます。

上山市の取り組みを一緒に考えるファンミーティング

聞いて、食べて、飲んで、上山市の魅力を知る

堀:アツいファンが増えつつある、『かみのやまファンクラブ』ですが、これから、さらに新しいことを企画中なんですよね。

川島:はい。新型コロナウイルスも少し落ち着いてきて、いよいよ「上山市に来てもらう」取り組みをはじめたいと思っています。そこで今日は、『みんなとチョイス』のファンミーティングとして、現地ツアーの企画をみんなと一緒に考えるというテーマを設定させていただきました。

堀:今回の『みんなとチョイス』のファンミーティングは、もともと上山市を好きな方もいれば、初めて知る方も混ざっていらっしゃいましたね。

川島:そうですね。なので、現地ツアーの企画を考える前に、まずは上山市のことを知ってもらいたいと思ったので、インプットをするところから始まりました。

堀:3つのワイナリーのワインや、上山温泉でつくられた温泉たまご。あとは、刺身こんにゃくやゼリーなど。上山市の魅力を全部盛り!でご用意いただき、ありがとうございます。

川島:参加者の皆さんも、私の話を聞いてうなずきながら、「美味しい」「こだわりを知りたい」などのお話も飛び交っていて、嬉しかったです。

『かみのやまファンクラブ』の現地ツアー企画を考えるワークショップ

堀:僕たちスタッフも加わりながら、上山市に行ったことがある人と、まだ行ったことない人を混ぜた4つのグループに分かれて、それぞれ「どんなことが体験できるツアーにしたいか」を話し合い、コンセプトを決めました。川島さんのグループ、いかがでしたか?

川島:やっぱり、自分たちは上山市内の人間なので、外の視点を交えたアイデアが出てきて、目から鱗。本当に面白かった!たとえば、「温泉施設の “高原ゆ” に行ってサウナに入った後、そのまま雪の中にダイブしたら楽しそう!」と、自身がノルウェーで経験した話を交えながら、お話ししてくださったり。

堀:それ、すごく楽しそうですね!

川島:私たちにとって、雪が積もっていることは当たり前だったので、そういうアクティビティになるなんて、思いつきませんでした(笑)。

堀:僕のグループでも、スタンプラリーのアイデアがあって。スタンプラリーのカードを、上山市にある個性的な文房具屋さん “おかげさま文房具店” につくってもらい、「有効期限を1年間にして、何度でも訪れたくなるきっかけを作るのはどうか?」というアイデアがありました。

川島:本当にそれぞれのグループで、全然違うアイデアが出ていましたよね。上山市に訪れたことのある方が、「田んぼの中にポツンとある、タワマンの屋上から花火を見るツアーとかどうですか?」という意見についても、参加者の皆さん、すごく賛同されていましたよね。市内にいると、こういうアイデアってなかなか出てこないので、本当に参考になりました。

堀:テーマをしっかり設けるって大切ですね。ただ地域の魅力を伝えるだけではなくて、みんなと考えるという時間を持つことで、熱量が高い場を作れたのだと思います。

川島:個人的には、今日のファンミーティングの参加者の属性が、一つのポイントだったと思います。『かみのやまファンクラブ』の会員さんもいれば、上山市のことを全く知らない人が混ざっていて。それぞれが交わることで、私たちがリードしなくても、上山市の魅力を共有できている状況が、かなり、アツかったです。

堀:色々な人の意見が組み合わさって、一つの企画を考えている様子が、参加していて楽しかったですよね!僕たちも、寄付者の声を自治体にお返しする機会って、ほとんどなかったので、改めてこういう機会は大事にしたいと感じました。

川島:まだ現地ツアーの日程などは決まっていませんが、それぞれのグループの意見を取り入れて、絶対に実現したいと思っています。

上山市が考えるこれからの”まちの未来”

ファンクラブ会員が、上山市のエンジンに。

堀:今日のファンミーティングを受けて、これから『かみのやまファンクラブ』では、どのような活動をしていきたいと感じましたか?

川島:私たちが今までやってきたイベントは、どちらかというと、上山市のことを知ってもらうための、おもてなし型のイベントでした。でも今回のように、みんなと上山市のことを、真剣に考える活動は、実施していきたいです。例えば、今後考えている振興計画の内容や施作に対して、ファンクラブ会員だからこその意見をもらったり。まちの ”エンジン“となって、一緒に、まちを盛り上げていくファンを増やしていきたいです。

堀:ファンの方々が、「自分たちも上山市の一員なんだ」と、誇りに思えるって大事ですよね。

川島:最初はふるさと納税がきっかけで、『かみのやまファンクラブ』会員になったけど、まちの取り組みを知って、好きになって、大好きになって、ファンになる。そして、ファンが、新しいファンをつくるという「循環」も生まれるように、引き続き取り組んでいきたいです。

ふるさと納税をきっかけに、全てが循環する仕組みを。

堀:川島さんのお話を聞いていると、根っこからアツい想いを感じます。川島さんを突き動かす “エンジン” は、どこにあるのでしょうか?

川島:私が、地方公務員を目指したきっかけにも繋がりますが、自分がお世話になった地域や人に、貢献したいという想いがずっとあります。その上で、やっぱり「循環」というキーワードは、私たちがふるさと納税を推進していく上で、とても重要。

堀:具体的に、どのような「循環」を目指していこうとされているのでしょうか?

川島:ふるさと納税をするきっかけって、人それぞれだと思うんです。でも、ふるさと納税は、自分の意思で税金の使い道を選べる制度。だから、選んだ使い道によって、そのまちの事業や取り組みに貢献できていることを、寄付者の方にも感じていただきたい。例えば、寄付金のおかげで、事業が発展し、それによって生まれた新しいお礼の品が手元に届いたり。クアオルトの取り組みに参加して健康になる人が増えたり。上山市と接点をもつことで、寄付者にとっても恩恵を受けられ、事業者も上山市も嬉しさがある。そういう「循環」をつくっていきたいです。

堀:ふるさと納税の、原点に立ち戻るような考え方で、素晴らしいと思います。僕が言うのはおこがましいですが、川島さんのその姿勢を、後継の職員の皆さまにも伝えていってほしい。ふるさと納税制度ができて10年以上経ち、業務も一般化し始めている。だけど、新しいことに挑戦し、まちに合った取り組みを見つけていくという、その熱量を、日本全国に「循環」していくのも、川島さんだからこそできる役割なのかなと、日々伴走していく中で感じています。

川島:ありがとうございます。ふるさと納税担当になり5年がたちますが、毎年違う発見があるので、全然自分もやりきれていないというのが本音です。でも、自分が担当でいる間は、目標に向かってチームメンバーと一緒に取り組んだり、事業者の士気も高めて、私がいなくなっても、上山市のふるさと納税の姿勢は変わらないようにしていきたいと思っています。

堀:ふるさと納税も制度として未完成な部分もあるので、みんなで盛り上げていきたいですよね!もちろん、ふるさとチョイスが寄付者と地域の架け橋になりながら、川島さんのサポートをさせていただいて、上山市の取り組みを伝えていけたらと思っています。


上山市の職員と、ふるさとチョイススタッフがお話しした様子を、前編・後編と分けてお届けしました。

川島さんが、何度も口にしていた「循環」というキーワード。

ふるさと納税の寄付金によって、事業が活性化し、まちが元気になることで、新しい産品が生まれたり、伝統的文化が継承されていく。

そしてふるさとチョイスも、ふるさと納税によって、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を、日本全国に循環させることで、地域を元気にしたい。

川島さんと同じ想いを持ちながら、ふるさと納税ポータルサイトを運営しています。

ふるさと納税によって出会った地域の、寄付金の使い道や、その後の取り組み。そうした先のことに少し目を向けてみると、より深い地域の魅力や、その地域で頑張るヒトの熱量に、触れることに繋がるかもしれません。

このnoteを通じて、ふるさと納税の、その先に興味を持つきっかけになれたなら、嬉しいです。


山形県上山市をふるさと納税で応援

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「みんなとチョイス」とは?

私たちは、ふるさと納税ポータルサイトを運営している「ふるさとチョイス」です。私たちは、寄付者の想いを地域に届け、地域の変化を寄付者に発信しています。

その活動の一つである「みんなとチョイス」では、地域で活動するヒトの想いに触れ、地域の魅力や課題についてみんなと一緒に考えるファンミーティングなどを行いながら、持続可能な地域の未来をいっしょに考える場をつくっています。

そして、ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、もっとたくさんの方と共有したいと思い、このnoteで、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えしています。

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